非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2020年11-12月)
アルバイトの採用実施率は引き続き減少。コロナ禍で医療・福祉業は人手不足が続く
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、自社の非正規雇用※に関する採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者を対象に実施した「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2020年11-12月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員
◆ 調査概要
内容 | 非正規雇用に関する企業の採用状況調査 |
---|---|
調査期間 | 2021年1月5日~1月11日 |
調査対象 | 自社の非正規雇用労働者の採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | スクリーニング調査:17,000名 本調査:940名 |
◆ TOPICS
企業が11-12月に行った、雇用形態別の採用実施率はアルバイトが14.6%(9-10月比:1.3pt減)、派遣社員が5.5%(9-10月比:0.9pt減)、契約社員が5.7%(9-10月比:0.1pt増)、嘱託社員が3.1%(9-10月比:0.3pt減)となった。そのなかでもアルバイトは7-8月から減少し続けている【図1】。業種別に見ると、アルバイトの採用実施率が最も高かったのは[飲食・宿泊]で31.1%(9-10月比:3.2pt減)、次いで[医療・福祉]で29.0%(9-10月比:6.2pt減)、[小売]で27.2%(9-10月比:2.3pt減)となった。ほぼすべての業種で9-10月と比較すると11-12月は採用活動を抑えた様子がうかがえた。次月以降の採用活動の実施予定は、[医療・福祉]が最も高く、42.0%、次いで[小売]が37.9%となった【図2】。
【図1】雇用形態別 採用活動実施率(単位:%)
【図2】雇用形態:アルバイト 業種別の採用活動実施率(単位:%) ※グラフの業種は一部抜粋
11-12月の人手の過不足状況を雇用形態ごとに聞いたところ、アルバイトでは「過剰」が12.5%(9-10月比:1pt増)、「過不足なし」が54.8%(9-10月比:1.1pt減)、「不足」が32.7%(9-10月比:0.1pt増)となった【図3】。「不足」から「過剰」を差し引いた数値を『人手不足感』(値が大きいほど人手不足感が高いことを表す)としたところ、アルバイトの人手不足感は20.2%であった。また、業種ごとに見てみると、11-12月で最も人手不足感が高かったのは[医療・福祉]で36.9%、次いで[小売]で29.3%、[インフラ]で27.0%となった。9-10月と比較して、[飲食・宿泊]は21.2%(9-10月比:14.7pt減)と人手不足感の下がり幅が最も大きく人手不足が緩和していることがわかる【図4】。
【図3】雇用形態:アルバイト 人手不足感(「不足」から「過剰」を差し引いた差分)(単位:%)
【図4】雇用形態:アルバイト 業種別の人手不足感(「不足」から「過剰」を差し引いた差分)
11-12月に行った雇用調整について雇用形態ごとに聞いたところ、全雇用形態で「雇用調整は行っていない」が最も高く、アルバイトが62.4%、派遣社員が67.7%、契約社員が70.7%、嘱託が73.9%だった。9-10月と比較してすべての雇用形態で「雇用調整を行っていない」割合は減少した。そのなかでもアルバイトは、約3割が「シフト削減などの労働時間の削減」を行ったと回答していた【図5】。ただし、[飲食・宿泊]のみ「雇用調整を行っていない」が3割を下回っており、「シフト削減などの労働時間の削減」を行ったという回答が64.8%にのぼった【図6】。
【図5】雇用形態別の雇用調整方法
【図6】雇用形態:アルバイト 雇用形態別の雇用調整方法
◆ INDEX
1,採用活動の実施状況
2,新規採用の状況
3,過不足状況
4,非就業理由と就業意向
5,雇用調整状況
6,エリア別・企業規模別集計
7,業種・職種区分について