「無形資産」とは目に見える形は持たないが、売買や譲渡ができる資産のことを指す。資産としてイメージされやすい金銭や不動産などは目で見える形を持つ「有形資産」であり、無形資産とはそれらを活用させることで、将来的に有形資産を生み出すことができる資産でもある。

これは個人・企業どちらも所有しており、たとえば、個人が所有する無形資産であれば経験・スキル・人脈などはもちろん、SNSのフォロワー数なども当てはまり、企業が所有する無形資産の例であれば、特許・ブランド・技術などが挙げられる。近年、欧米では無形資産への投資が積極的に行われており、その背景には無形資産を活用したことによる他社との差別化、人的資本やEGS投資の注目度の増加などが考えられる。

また、大手IT企業のようにデータ・ソフトウエアなどの無形資産を基盤にしてビジネスを行う企業が増えていることもあり、今後、グローバル化・IT化が進んでいく中で、物理的・数的制限に縛られない無形資産の重要性はますます増していくだろう。日本は欧米諸国に比べると、短期成果を得にくい無形資産投資があまり進んでおらず、今後、グローバル規模で事業を進めていく上では、必要な要素の一つである。