スポットワーカーとは、単発、短時間、短期間で働き、継続した雇用関係のない労働者のことを指す。労働者側は自分の希望する時間に働くことができ、企業側は必要な時間に働いてもらうことができるといった点で双方にメリットがあり、アルバイト募集での人手不足が深刻化する中で注目を集めている。

単発かつ数時間単位での勤務が可能なスポットワーカーの働き方は、労働時間や就業場所の自由度を高め、これまで時間や場所の制限や条件によって働くことを断念した人の就業機会の創出にもつながり得る。また学業や育児、介護との両立、副業の実施など、個々のニーズに応じた多様な働き方が実現できるだろう。一方で企業はスポットワーカーに単なる労働だけでなく、即戦力としてのスキルも期待していると考えられる。

スポットワーカーは受け入れ企業との間に直接の雇用関係はあるものの、空き時間で働きたい人のニーズに応えるために即日採用で1日限りの求人も多い。さらに通常のアルバイトのような履歴書の確認や面接を事前に行わないことが多いため、働く人のスキルを把握しにくく不安を持つ企業が多いようだ。そこで企業は求めるスキルの詳細をしっかり開示した上で募集を行い、求職者は自身の職業スキルを言語化した上で企業に開示するよう、双方にとってのスキルの透明性がある仕組みの整備が必要である。