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メタ認知 めたにんち

「メタ認知」とは、「自分が物事を認知している状態を、客観的に認知している状態」のことで、アメリカの心理学者ジョン・H・フラベル氏が定義した心理学用語である。「メタ」とは程度が高いことを指し、心理学における認知とは、知覚や判断、想像などを指す。つまりメタ認知は、「自分の考えや判断などを、程度の高い視点から見る」ことである。元々は教育学や脳科学の分野で使われていたが、近年ビジネス分野でも重要な能力のひとつとして注目が集まっている。
メタ認知は長所や短所などの自分自身を分析して得た知識「メタ認知的知識」と、その知識を把握した上で、現在の自分の行動を確認・改善する能力「メタ認知的技能」の2つに分類される。メタ認知能力が高い人は、万が一失敗しても自分自身を含めた全体の状況を冷静に把握することで、再発防止に活かす方法を考える柔軟性を持ち合わせている。また常に自身の現状を把握しているため、次のステージに向けての成長意欲が高いことも特徴的だ。社内でメタ認知が高い人材が増えれば、業務が効率よく進むだけでなく人間関係も円滑になり職場の雰囲気が良くなる効果も期待できるだろう。

メタ認知能力を高めるトレーニング方法としては、自分を客観的・俯瞰的に見る能力を養う「セルフモニタリング」や「コントロール」などが挙げられる。一方で、思考力を疲弊させてしまったり自意識過剰になったりする面もあるため、社員のメタ認知を鍛えるだけでなく上司や管理職による適切なフォローも必要である。