非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2024年5-6月)
- 非正規求職者の3人に1人が24年5-6月にスポットワークの仕事を探したと回答。今後スポットワークを探したい人は51.8%で半数を超える。
- 非正規の仕事における入社後研修「丁寧にしてほしい」が7割以上。研修期間の長さ・研修スタイルに現実と理想のギャップがみられる。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の15~69歳の男女(中学生を除く)(有効回答数:スクリーニング調査16,500名、本調査1,576名)を対象に実施した「非正規雇用に関する求職者・就業者の活動状況調査(2024年5-6月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員
トピックス
- 2024年5-6月にアルバイトの仕事を探した割合は14.8%。2024年3-4月比は増加、2023年5-6月比は減少。最も探された職種は[販売・接客・サービス]。【図1、2】
- 非正規求職者の3人に1人が2024年5-6月にスポットワークの仕事を探したと回答。今後スポットワークを探したい人は51.8%で半数を超える。単発性・有効活用性が支持されている傾向。【図5、6】
- 非正規の仕事における入社後研修「丁寧にしてほしい」が7割以上。研修期間の長さ・研修スタイルに現実と理想のギャップがみられる。【図7、8】
- アルバイト就業者の8割が「今よりも年収を上げたい」と回答。希望の年収増加率は1.5倍を超える一方、収入アップに見合う労働時間と同程度以上の時間増には消極的。【図9、10、11】
調査詳細
アルバイトの仕事の求職率
- 2024年5-6月にアルバイトの仕事を探した割合は14.8%
- 2024年3-4月比は増加、2023年5-6月比は減少
- 最も探された職種は[販売・接客・サービス]で28.4%
2024年5-6月にアルバイトの仕事を探した人は14.8%(2024年3-4月比:0.4pt増、2023年5-6月比:0.4pt減)となり、今後の予定(現在アルバイトの仕事を「すでに探している」+「探すことを検討している」)は17.4%となった。【図1】
探した職種は[販売・接客・サービス]28.4%、[オフィスワーク]27.9%、[軽作業]19.7%がTOP3。2024年3-4月比で増加した職種は[飲食・フード] 4.3pt増、[販売・接客・サービス]2.1pt増、[レジャー・アミューズメント]1.4pt増など計6職種。
また、2023年5-6月比で増加した職種は[飲食・フード]3.3pt増、[販売・接客・サービス]1.3pt増、[レジャー・アミューズメント]0.5pt増の計4職種となった。【図2】
アルバイトの仕事の新規就業率
- 2024年5-6月に新しくアルバイトの仕事に就いた割合は6.1%
- 2024年3-4月比で増加、2023年5-6月比で減少
- 新しく就いたアルバイトの職種は[販売・接客・サービス]が25.5%で最も高い
2024年5-6月に新しくアルバイトの仕事に就いた割合は6.1%(2024年3-4月比:0.1pt増、2023年5-6月比:0.3pt減)となった。【図3】
新しく就いたアルバイトの職種は、[販売・接客・サービス]25.5%、[飲食・フード]17.3%、[オフィスワーク]15.1%がTOP3。
2024年3-4月比で増加した職種は[医療・介護・保育]4.7pt増、[営業]4.1pt増、[軽作業]1.5pt増など計5職種。2023年5-6月比で増加した職種は、[飲食・フード]3.2pt増、[営業]2.9pt増、[軽作業]0.9pt増など計6職種。【図4】
スポットワーク
- 非正規求職者の3人に1人が2024年5-6月にスポットワークの仕事を探したと回答
- 今後スポットワークを探したい人は51.8%で半数を超える。単発性・有効活用性が支持されている傾向。
2024年5-6月に非正規の仕事を探した人のうち、39.4%がスポットワークを経験したことがあると回答。今後スポットワークの仕事を探したいとした人は51.8%に上った。
多くの年代で就業意向が5割程度となり、幅広く支持されていることがわかる。【図5】
パート・アルバイトの仕事を比べた時のスポットワークのメリット(メリットを感じる+ややメリットを感じる)では、「単発性」が65.6%で最も高く、「時間の有効活用性」64.2%と続き、スポットワークの時間的・期間的な特徴がメリットと感じられている傾向。
一方、パート・アルバイトの仕事と比べた時のデメリット(ややデメリットを感じる+デメリットを感じる)では、「コミュニケーション協業」が24.8%で最も高く、次いで「スキル発揮」が20.8%となり、職場への適合や能力発揮の面でデメリットを感じる人が多いこともうかがえる。【図6】
入社後研修
- 非正規の仕事における入社後研修「丁寧にしてほしい」が7割以上
- 研修期間の長さ・研修スタイルに現実と理想のギャップがみられる
直近3年以内に非正規雇用の仕事を経験した人のうち、73.2%が入社後研修(入社後おおむね半年以内に行われる新人研修)を「研修を丁寧にしてほしい」と回答した。
直近の研修期間の平均が「11.8日」だったのに対して、理想の研修期間は「14.1日」となり、時間をかけて研修をして欲しいというニーズがうかがえる。【図7】
研修スタイルについて、企業が現在行っている現実と、個人が望む理想を項目ごとに比較したところ、企業は「口答指導メイン」が48.6%、「マニュアル指導メイン」が27.3%となり、口答指導が主流となっている。一方で、個人が望む理想の研修では、「口答指導メイン」が36.6%、「マニュアル指導メイン」が38.5%となり、マニュアル指導が口答指導を上回った。
また、企業が行う研修では、「基礎スキル重視(基礎スキルを覚えたうえで実践へ移る)」が32.5%、 「実践スキル重視(実務をしながら実践スキルを覚える)」が39.1%で、実践スキルを重視している。しかし、理想の研修では、「基礎スキル重視」が39.1%、「実践スキル重視」が30.0%となり、基礎スキル重視が実践スキル重視を上回った。【図8】
実際に非正規雇用の就業現場で行われている現実の研修と、個人が望む理想の研修との間にはギャップがあり、就労スタイルの多様化とともに、非正規の仕事における教育の在り方や考え方が変化している様子もうかがえる。
お金と労働時間のバランス
- アルバイト就業者の8割が「今よりも年収を上げたい」と回答
- 希望の年収増加率は1.5倍を超える一方、収入アップに見合う労働時間と同程度以上の時間増には消極的
パート・アルバイト就業者の79.6%が「今より年収を上げたい」と回答した。【図9】
年収を上げたいとしたパート・アルバイト就業者に「年収を増やすために、同時に労働時間を増やさなければならない場合、どのくらいの年収アップを望むか」を聞いたところ、「1.5倍」が23.6%で最も高く、次いで「2倍」12.7%、「1.2倍」12.1%と続いた。
希望年収増加率の平均は1.57倍だった。【図10】
一方、年収を上げたいとしたパート・アルバイト就業者に「希望する年収アップを実現するために、どのくらい労働時間を増やすことができるか」を聞いたところ、「1.1倍未満」23.9%、「1.2倍」17.0%、「1.1倍」15.9%が上位3項目。労働時間増加率の平均は1.32倍(※)となった。【図12】
パート・アルバイトでは時間優先で考える人も多く、“年収は増やしたいが労働時間はあまり増やせない”というニーズの高さがうかがえる。
調査概要
内容 | 非正規雇用に関する求職者・就業者の活動状況調査(2024年5-6月) |
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調査期間 | 2024年7月1日~7月4日 |
調査対象 | ・スクリーニング調査:全国の15~69歳の男女(中学生を除く) ・本調査:全国の15~69歳の男女(中学生を除く)のうち、該当期間に非正規雇用の仕事探しをした人 |
調査方法 | 外部パネルによるインターネット調査 |
有効回答数 | スクリーニング調査:16,500名 本調査:1,576名 |
レポート内目次
- 求職状況
- 今後の求職予定
- 新規就業状況
- スポットワーク
- 入社後研修
- お金と労働時間のバランス
- エリア別集計
- 職種区分について
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