マイナビ キャリアリサーチLab

大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

SUMMARY

「これだというものに出会えていない」、
約6割の大学1・2年生がキャリアの方向性を決めていない現状

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)」の結果を発表しました。

調査概要

内容 マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)
調査期間 2023年12月15日~12月21日
調査対象 18歳~20歳の大学1、2年生を対象にWEB調査を実施
調査方法 WEBアンケート(アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社)
有効回答数 1,022名

キャリア展望

大学卒業後のキャリアの方向性が「決まっていない」学生が約6割。
方向性を定められない理由は「これだというものに出会えていないから」
「やり方が分からないから」が上位に

大学1・2年生に、卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性について聞いたところ、「決まっていない(全く+どちらかといえば)」学生が59.5%で、前回調査の57.1%と比べて2.4ptの微増。
理由は「これだというものに出会えていないから」が47.5%で最多、次いで「やり方が分からないから」で32.2%となった。また、キャリアの方向性が決まっていない学生は、決まっている学生と比較して、自分の特技や強み、適性について把握していない割合が18.5pt高く、「分からない(全く+どちらかというと)」という回答が52.8%で半数を超えた。

【図1】現時点において、大学卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性が定まっているか/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)
【図2】<仕事・キャリアの方向性が決まっていない学生>将来の仕事・キャリアの方向性を定め切れていない理由/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)
【図3】現時点で、自分の特技や強み、適性についてどの程度把握しているか/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

将来への不安

大学1、2年生の74.2%が、将来「お金に対する不安」があると回答。
将来について学びたいテーマも「お金について」が最多

将来について不安に感じていることを聞いたところ、74.2%が「お金に対する不安」と回答し、将来もっとも不安なことを一つ選んでもらった結果も「お金に対する不安(34.5%)」が最も多かった。

【図4】自分の将来に対して不安に感じていること・もっとも不安に感じていること/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

不安を解消するために現在実施していることは「アルバイト(69.2%)」「ポイ活(64.4%)」「貯蓄(61.8%)」が上位となり、将来に関することで現在学んでみたいことも、「お金について(66.7%)」が最多となった。現在の大学1・2年生は将来に対して金銭的な不安が大きく、不安に対する備えとしてアルバイトやポイント活動など、学生のうちから取り組みやすいことを実践していることが分かる。

【図5】<お金に対する不安がある人>「お金に対する不安」を解消するために現時点から行っていること・【図6】将来に関するテーマの中で現在、学んでみたいと思っていること/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

成人年齢の引き下げについて

成人したことについて、メリットの方が多いと思う学生が37.2%。
さまざまな契約が自分でできることにメリットを感じる一方で、トラブルへの懸念も

18~20歳の学生に、成人年齢の引き下げによって従来よりも早く成人になったことへの印象について聞いた。「メリットの方が多いと思う(どちらかというと含む)」と回答した学生は37.2%で「デメリットの方が多いと思う(29.3%)」学生を上回った。

【図7】成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、早く成人年齢を迎えたことについての印象/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

メリットの方が多いと思う理由で、「一人暮らしをするときに制限がなくなった」「自分で契約できることがあり、責任感が伴うようになった」という回答があった一方で、デメリットの方が多いと思う理由として「大人としての責任を問われるということになるが教育活動が追い付いていないと思う」「自分で契約を結べるようになったことによるトラブルがある」などのコメントも見られた。自分でさまざまな契約ができるようになったことや、それに伴って責任感が芽生えるようになったことは前向きにとらえているものの、判断力やリテラシーが充分ではない状態で契約ができてしまうことへの懸念や、トラブルへの心配もあるようだ。

【表1】早く成人年齢を迎えたことについて、どのような点にメリット/デメリットを感じたのか/マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

調査担当者コメント

25年卒を対象としたインターンシップから定義が改正されて、低学年からのキャリア教育の重要性も増しています。一方で、現時点でのキャリアの方向性については「決まっていない」という学生が微増していることが分かりました。ただ、理由を見ると、「方向性を定める必要がないと思っている」という割合はもっとも低く、「優先順位が低い」「時間が取れない」ということよりも「これだというものに出会えていない」「複数の仕事・キャリアに興味関心がある」という前向きな理由が上位になっています。方向性の見当がつかないのではなく、興味や知識が増えたからこそ方向性を絞り切れない状態なのであれば、視野を広げる段階としてはよい傾向だと思います。しかし「やり方が分からない」学生については注意が必要です。大学でのキャリアガイダンスへの参加など、将来についてどのように考えていけば良いか学ぶ機会を持つことが第一歩になると思います。


【図解!大学生低学年のキャリア意識調査】
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