2024年卒企業新卒採用予定調査
- 2024年卒の採用を増やす企業は約3割で意欲が増進
- 応募者へのPRのために初任給の引き上げを実施・検討している企業は約6割
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査」の結果を発表しました。
目次
トピックス
- 2024年卒の採用を増やす企業は約3割で、採用意欲はさらに増進。採用実施の理由は「経営状態の好転」や「前年に新卒を採用できなかった」が増加
- 文系採用、理系採用ともに約半数の企業が「厳しくなる」見通しと回答。背景にあるのは母集団確保の難しさ
- 応募者へのPRのために初任給の引き上げを実施・検討している企業が約6割
- 新卒採用での職種別採用や勤務地/地域限定採用を導入・検討している企業が約半数
調査詳細
2024年卒の新卒採用計画
- 2024年卒の採用を増やす企業は約3割で、採用意欲はさらに増進
- 採用実施の理由は「経営状態の好転」や「前年に新卒を採用できなかった」が増加
採用予定数
2024年卒の採用予定数は「前年並み」が最多であるものの、「増やす」は文系で8.6pt増の27.7%、理系で6.9pt増の29.8%となった。2022年卒から223年卒にかけても採用数を「増やす」企業は増加していたが、24年卒はさらに大きな増加幅となっており、採用意欲がより増進していることが分かる。【図1】
新卒採用実施の理由
新卒採用実施の理由を見ると、「経営状態の好転・既存事業の拡大」や「前年に新卒を採用できなかった」が2年連続で増加した。【図2】
前述の採用予定数増加の背景には、景気が持ち直しつつあることによって経営状態が好転し、より採用人数を増そうと考えている企業があることや、採用意欲が高く競争が激しかった2023年卒の新卒採用に苦戦した企業が、その結果を踏まえて採用予定数を多く設定していることなども考えられる。
採用活動の見通し
- 文系採用、理系採用ともに約半数の企業が「厳しくなる」見通しと回答
- 背景にあるのは母集団確保の難しさ
採用環境の見通しについては、文理ともに「(非常に)厳しくなる」と回答した企業が約半数だった。【図3】
2022年卒から2023年卒にかけては、採用環境が厳しくなるという見方をする企業は微増に留まっていたが、2024年卒は2023年卒と比べて、「(非常に)厳しくなる」と回答した企業の割合が文系採用については21.7pt、理系採用については19.8ptの大幅な増加となった。
採用環境が厳しくなると考える理由
採用環境が厳しくなると考える理由は、「母集団(エントリー数)の不足」がもっとも多いことに変わりはないが、2年連続で割合が増加しており、文理ともにコロナ禍前の2021年卒を上回った。
採用意欲が高まっていることなどから学生の獲得競争が激化していることを実感しており、多くの企業で特にエントリー学生の確保が最大の懸念点となっていることがうかがえる。【図4】
初任給について(採用のための取り組み)
- 応募者へのPRのために初任給の引き上げを実施・検討している企業が約6割
応募者へのPRのために導入・改正をした・検討していること
新卒採用における応募者へのPRのために、初任給や基本給(入社済み社員の賃金含む)の引き上げを実施・検討しているか聞いたところ、初任給については59.2%、基本給については56.1%の企業が実施(予定)または検討していると回答した。
また、残りの4割程度の企業のうち、「まだ検討もしていないが必要性を感じている」企業は初任給については19.1%、基本給については22.1%となっており、賃金の引き上げについて企業全体で関心が高いことが分かる。【図5】
従業員の初任給や給与を増額させる企業の動きについて
2024年卒学生への調査では、初任給や給与の引き上げの動きがあると「企業への関心と志望度が高まる」と回答した学生が68.2%となっている。【図6】
このような賃金引き上げの動きは、競争が厳しくなっている新卒採用活動において重要なポイントになりそうだ。
配属について(採用のための取り組み)
- 新卒採用での職種別採用や勤務地/地域限定採用を導入・検討している企業が約半数
新卒採用の取り組み実施・検討状況
新卒採用における取り組みについて聞いたところ、「職種別コースの導入」を実施または検討している企業は51.5%、「勤務地/地域限定採用」を実施または検討している企業は50.3%となった。【図7】
最初の勤務地や配属される職種が限定されると応募意欲が高まるか
2024年卒学生に、配属時の職種や勤務地について聞いた結果をみると、応募時に最初に配属される職種が決まっていると「(とても)+(他の条件によるが)応募意欲が高まると思う」学生は74.1%、応募時に最初の勤務地が決まっていると「(とても)+(他の条件によるが)応募意欲が高まると思う」学生は79.7%となっている。【図8】
賃金の引き上げ以外に、新卒社員の初職配属の在り方についても注目されており、こういった取り組みも広がっていきそうだ。
調査担当者コメント
2024年卒の新卒採用は「厳しくなる」という見方の企業が大きく増加しました。多くの企業で採用意欲が回復し、採用競争が激しくなっていることで、学生からの応募を集めることに難しさを感じていることがうかがえます。
そのような背景を受け、賃金の引き上げなど学生へのPRポイントを増やそうとする動きもあるようです。採用広報や採用手法の工夫だけでなく企業の魅力そのものを高めようとするこれらの施策は、社員全体の働きやすさにも繋がりますので、今後ますます企業に求められると考えられます。
キャリアリサーチラボ 研究員 沖本麻佑
調査概要
内容 | マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査 |
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調査期間 | 2023年2月1日~2月14日 |
調査対象 | ・採用・育成・組織戦略の課題に寄り添うマイナビ運営の情報メディア 「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内 ・マイナビ2025利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内 |
調査方法 | WEB上のアンケートフォームより入力 |
有効回答数 | のべ2,036社(上場 181社、非上場 1,855社|製造 765社、非製造 1,271社) |
レポート内目次
PDFデータ内の主なトピックを記載しています。
- 採用予定数の増減
- 2023年卒入社予定数と2022年卒入社実績数の比較
- 2024年卒採用予定数と2023年卒入社予定数の比較
- 採用予定数決定の大きな要因
- 採用実施理由
- 採用基準
- 質・量の優先度
- 社会人基礎力の評価
- 新卒採用において人材を見極める際に重視すること~「質」とは~
- 面接時に特に注視するところ
- 学業成績をどの程度考慮するか
- 採用環境の見通し
- 難易度が高いと思う採用フェーズ
- インターンシップについて
- 各活動の開始時期
- インターンシップ応募受付
- 新卒採用エントリー受付
- 直結しないセミナー
- 直結するセミナー
- 採用セミナー実施予定月複数選択
- OB・OG・リクルーターによる面談
- エントリーシート受付
- エントリーシート結果通知
- エントリーシート受付と結果通知の比較
- 適性検査・筆記試験
- 面接
- 面接実施のピーク
- 内々定出し
- 内々定辞退対策
- 内々定辞退対策の内容
- 採用活動終了
- 採用手法
- 新卒採用におけるWEB活用
- 新卒採用にまつわる取り組みや今後の方針
- 2024年卒学生への対応の工夫
- 学生との連絡手段とSNS活用
- 既卒者採用について
- 障がい者採用について
- 採用活動の方針転換への対応
- タイパについて
- 2023年卒入社式の開催形式
【0227グラフ訂正】
P54:「インターンシップを実施した月」
グラフの7月以降のデータに不備がございましたため、修正しております。
【0327修正】
P114:インターンシップに類する取り組みのうち、
「タイプ3」「タイプ4」で必須となっている項目についての実施状況
数値に誤りがありましたため修正しております。
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