転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業)
- 転職希望者の6割以上が「転勤がある会社で働きたくない」。理由は「転居にお金がかかる」が最多
- 転勤受入の条件は「基本給が上がる」「毎月の手当が充実している」「今後の昇給に繋がる」が上位
- 転職希望者の8割以上が就業先決定時に転勤有無を考慮。約半数は将来的な転勤の可能性を理由に転職を考えたことがある
- 企業の今後の転勤方針「拡大」「維持」で9割超。会社成長や人員調整の必要措置として
- 転勤関連で取り入れている施策「リモートワーク」「地域限定正社員」「基本給アップ」が上位
目次 [もっと見る]
【個人】転勤がある会社の就業意向
転勤がある会社で働くことに対する考え方
- 転職希望者の6割以上が「転勤がある会社で働きたくない」
- 理由は「転居にお金がかかる」が最多
転職希望者に、転勤がある会社で働くことについて聞いたところ、「働きたくない」が65.3%(「働きたくない」24.9%+「どちらかと言えば働きたくない」40.4%)で、約3人に2人が転勤のある企業で働きたくないことがわかった。【図1】
転勤がある会社で働きたくない理由
働きたくない理由としては、「転居にお金がかかる」が44.6%で最も多く、「転居作業が面倒」が42.9%、「家族と離れたくない」が41.4%と続き、転勤に伴う経済的・精神的負担への懸念がうかがえた。【図2】

どのような条件があれば転勤を受け入れても良いか
- 転勤受入の条件は「基本給が上がる」「毎月の手当が充実している」「今後の昇給に繋がる」が上位
転勤がある会社で働きたくないと回答した人に、どのような条件があれば転勤を受け入れても良いか聞くと、「基本給が上がる」が43.6%、「毎月の手当が充実している」が42.7%、「今後の昇給に繋がる」が37.6%となり、金銭的なメリットを求める回答が上位を占めた。【図3】

【個人】転職先・就業先に転勤があることの影響
- 転職希望者の8割以上が就業先決定時に転勤有無を考慮
- 約半数は将来的な転勤の可能性を理由に転職を考えたことがある
転職先・就業先に転勤があることの影響を聞いたところ、転職希望者のうち、「就業先を決める上で転勤があることを考慮する」とした割合は82.5%だった。また、「転勤の可能性があることが理由で転職を考えたことがある」は49.3%となり、転職先を決める上でも、転職を検討するきっかけとしても、転勤の有無が影響すると考えられる。【図4】
【企業】転勤の状況・今後の方針
自社の転勤の状況
- 転勤制度を今後「拡大」「維持」する企業は9割を超える
- 会社の成長や人員調整の必要措置を目的にする企業も
企業の採用担当者に自社の転勤有無を聞いたところ、転勤がある企業は64.2%(「全員が転勤の可能性がある」18.7%+「一部が転勤の可能性がある」45.5%)となった。また、従業員規模別では、従業員数が多い企業ほど転勤の割合が高かった。【図5】

転勤の今後の予定と理由
転勤がある企業の採用担当者に、転勤制度についての今後の方針を聞いたところ、「拡大する予定」が35.2%、「維持する予定」が59.2%、「縮小する予定」が5.6%となり、9割以上の企業が今後「拡大」もしくは「維持」する方針であると回答。一方で縮小予定の企業は1割に満たない結果となった。
拡大する理由について自由回答で聞くと、「事業拡大のため」など会社成長やそれに伴う人員調整の理由に加え、「社員育成のため」など社員の成長を目的とした理由も挙がった。【図6】
【企業】転勤関連の施策
転勤に関する施策として取り入れているもの
- 転勤関連で取り入れている施策は「リモートワーク」「地域限定正社員」「基本給アップ」が上位
転勤がある企業の採用担当者に、『転勤の機会を制限するための施策』『転居を支援するための施策』『転勤後の処遇を優遇する施策』の3つの観点で、現在取り入れている転勤に関する施策を聞いたところ、「リモートワーク制度」が53.0%で最も多い結果となった。
「リモートワーク制度」は、従業員が活動拠点を変えなくとも他エリアの業務を担当できるというメリットがあり、企業側も転勤を最小限にできる効果があると考えられる。次いで、「地域限定正社員制度」「転勤後の基本給アップ」を取り入れているという企業がともに41.4%となった。
この結果から、「リモートワーク制度」の実施や地域を限定した働き方を可能とすることで、従業員が望まない転勤を減らしたり、転勤に伴い給与面を優遇したりなど、転勤を懸念する従業員をケアする企業の動きがうかがえる。【図7】

転勤に関する施策として効果があったと感じるもの
また、転勤に関する施策として現在取り入れている施策のうち、効果があったと感じるものを聞いたところ、「リモートワーク」が37.4%で最も多く、「基本給アップ」26.3%、「地域限定正社員制度」24.6%と続いた。【図8】

調査者コメント
2~3月は多くの企業で異動・転勤の辞令が出される時期です。転職が一般的になる中、個人・企業の転勤制度に対する考え方を明らかにすることを目的として調査を実施しました。
かつての日本型企業では、会社都合で人員配置を進め、転勤を昇進等の要件とする会社も多くみられました。しかし、今回の調査では企業成長のために転勤を行いつつも、働く人のキャリアを配慮し、不必要・不本意な転勤を減らすよう試みる企業の様子がうかがえました。
転職希望者の多くは転勤に抵抗感があり、転勤に伴う金銭的負担や諸作業など、「目先の負担」を不安視する人も少なくないことが分かりました。この結果から、企業は転居に対する金銭的支援や、余裕ある日程で異動できるようにするなどの配慮が求められていると考えられます。企業側は転勤を当たり前と捉えず、転勤する従業員のケアや、給与・手当をはじめとする制度を充実させることが、今の時代の人材獲得・定着に求められるのではないでしょうか。
調査概要
内容 | マイナビ 転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業) |
---|---|
調査期間 | 2025年2月3日(月)~ 2月6日(木) |
調査対象 |
<個人>従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員のうち今後3か月で転職活動を行う予定の人 <企業>従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人(前月採用活動を行った人/今後3か月で採用活動を行う予定の人/直近3カ月に中途入社者がいた人) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 |
個人:1,019件 企業:829件 |
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