非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2023年11-12月)
非正規労働者向けのリスキリング、56.7%が受講意向あり。一方で受講意向者の6割は働きながらの受講は困難と回答。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の15~69歳の男女(中学生を除く)(有効回答数:スクリーニング調査15,958名、本調査1,620名)を対象に実施した「非正規雇用に関する求職者・就業者の活動状況調査(2023年11-12月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員
調査概要
内容 | 非正規雇用に関する求職者・就業者の活動状況調査(2023年11-12月) |
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調査期間 | 2024年1月5日~1月10日 |
調査対象 | ・スクリーニング調査:全国の15~69歳の男女(中学生を除く) ・本調査:全国の15~69歳の男女(中学生を除く)のうち、該当期間に非正規雇用の仕事探しをした人 |
調査方法 | 外部パネルによるインターネット調査 |
有効回答数 | スクリーニング調査:15,958名 本調査:1,620名 |
目次
TOPICS
- 23年11-12月にアルバイトの仕事を探した割合は14.5%。23年9-10月比・22年11-12月比ともに減少。最も探された職種は[オフィスワーク]で27.6%。【図1、2】
- 23年11-12月に新しくアルバイトの仕事に就いた割合は6.1%。23年9-10月比で減少、22年11-12月比では増加。新しく就いたアルバイトの職種は[販売・接客・サービス]が23.9%で最も高い。【図3、4】
- 非正規労働者向けのリスキリング、56.7%が受講意向あり。一方で受講意向者の6割は働きながらの受講は困難と回答。【図5】
- 非正規労働者向けのリスキリングを受けたいと思う理由は、自身の収入増が57.2%で最も高く、キャリア選択幅の拡大が37.5%で上位2項目。【図6】
- 非正規労働者向けのリスキリングを受けたいとは思わない理由は、正社員になりたいと思ってないが33.8%で最も高く、フリーター・シニア・主婦では4割を超える。【図7】
調査詳細
アルバイトの仕事の求職率
23年11-12月に新しくアルバイトの仕事に就いた割合は6.1%(23年9-10月比:0.9pt減、22年11-12月比:0.8pt増)となり、今後の予定(現在アルバイトの仕事を「すでに探している」+「探すことを検討している」)は18.0%となった。【図1】
【図1】アルバイト求職率(複数回答)
探した職種は[オフィスワーク]27.6%、[販売・接客・サービス]24.9%、[軽作業]22.3%がTOP3。
23年9-10月比で増加した職種は[軽作業]が1.8pt増、[工場・倉庫・建築・土木]が0.9pt増、[クリエイティブ・編集]が0.2pt増の計3職種となった。
また、22年11-12月比で増加した職種は[警備・清掃・ビル管理]が1.6pt増、[工場・倉庫・建築・土木]が1.0pt増など、計3職種となった。【図2】
【図2】】アルバイトの仕事で探した上位10職種(複数回答)
アルバイトの仕事の新規就業率
23年11-12月に新しくアルバイトの仕事に就いた割合は6.1%(23年9-10月比:0.9pt減、22年11-12月比:0.8pt増)となった。【図3】
【図3】アルバイト新規就業率(複数回答)
新しく就いたアルバイトの職種は、[販売・接客・サービス]23.9%、[オフィスワーク]17.2%、[工場・倉庫・建築・土木]15.0%がTOP3。
23年9-10月比で増加した職種は、[オフィスワーク]が3.7pt増、[軽作業]が3.6pt増、[配送・引越し・ドライバー]が3.4pt増など、計7職種。
また、22年11-12月比で増加した職種は、[警備・清掃・ビル管理]が3.8pt増、[工場・倉庫・建築・土木]が2.6pt増など計4職種となった。【図4】
【図4】新しく就いたアルバイトの上位10職種(複数回答)
非正規労働者向けのリスキリング受講意向
政府の経済対策の1つとなる非正規労働者向けのリスキリングの受講意向を聞いたところ、[受けたいと思う(計)(受けたいと思うし、実際に受講もできると思う+受けたいと思うが、実際に受講はできないと思う)]は56.7%となった。また、リスキリング意向者のうち、働きながら受講はできないと思う割合は59.0%となり、リスキリング意向はあるが、働きながらリスキリングを受けることができないとする人が多い。
リスキリングを「受けたいと思う(計)」を属性別にみると、[主婦]が82.9%(全体比:+26.2pt)で最も高く、[フリーター][シニア]より2倍程度高い。
受講意向者のうち、受講はできないと思う割合では、[学生]が64.6%で最も高く、次いで[主婦]が62.2%、[シニア]が62.1%となった。【図5】
働く時間に制限が必要だったり、時給で働くことも多い非正規労働者がリスキリングを受けられる時間の創出や、収入減とならないようにリスキリングを実施できるサポートが求められる。
【図5】非正規労働者向けリスキリング事業の受講意向(単一回答)
非正規労働者向けのリスキリングを受けたいと思う理由
非正規労働者向けのリスキリングを受けたいと思う理由では、「収入を増やしたいから」が57.2%で最も高く、次いで「自分のキャリア選択の幅を広げたいから」が37.5%、「将来のキャリアが不安だから」が34.0%と続く。
反対に、「現在の職場でキャリアアップしたいから」「デジタル人材など専門的職業に転職したいから」「正社員にキャリアアップしたいから」など、キャリアアップやキャリアチェンジをリスキリングの目的にする人は少ない傾向にある。
属性別にみると、[フリーター][シニア]で「収入を増やしたいから」「将来のキャリアが不安だから」「未経験の仕事に就きたいから」など、多くの項目で全体より5pt以上低いことが目立つ。【図6】
【図6】非正規労働者向けのリスキリングを受けたいと思う理由
非正規労働者向けのリスキリングを受けたいとは思わない理由
非正規労働者向けのリスキリングを受けたいとは思わないとした人に、その理由を聞いたところ、[正社員になりたいとは思っていないから]が33.8%で最も高く、次いで[全150時間を受講する時間を確保できないと思うから]が29.2%、[自分にキャリアアップやスキルアップの必要性を感じないから]が19.1%が上位3項目となった。
属性別では、[フリーター][シニア][主婦]で「正社員になりたいとは思ってないから」が4割を超えた。また、[フリーター][シニア]では「正社員になりたいとは思っていないから」「自分にキャリアアップやスキルアップの必要性を感じないから」「非正規雇用者にリスキリングは必要ないと思っているから」が全体より5pt以上高く、フリーターやシニアにおいては、正社員へのキャリアアップ、自分自身のスキルアップの必要性を感じていない人が多い傾向にある。【図7】
【図7】非正規労働者向けのリスキリングを受けたいとは思わない理由
INDEX
- 求職状況
- 今後の求職予定
- 新規就業状況
- 非正規労働者向けのリスキリングの受講意向と受講が可能かどうか
- 非正規労働者向けのリスキリングを受けたいと思う理由
- 非正規労働者向けのリスキリングを受けたいとは思わない理由
- エリア別集計
- 職種区分について
詳しくはPDFデータをご覧ください