30代の年収傾向を分析|マイナビ調査で見えた収入とキャリアの現在地

キャリアリサーチLab編集部
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30代はキャリアの方向性が定まり、収入面でも大きな変化が表れる時期。一方で、「年収が思うように伸びない」「将来が不安」といった悩みを抱える人も少なくないだろう。

本記事では、マイナビが行った調査をもとに、30代の平均年収や満足度、キャリアに対する意識を分析。さらに、転職による年収アップの実態や、収入を高めるための具体的な方法についても解説していく。

30代の平均年収

まずは、「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」の結果から、30代の平均年収について見ていく。

なお、平均値はすべての年収を合計して調査に回答した人数で割ったものであり、高収入の人が一部いると数値が引き上げられる傾向があるので注意しておきたい。そのため、実際の感覚より高く見えるケースもある。本記事ではこうした点を踏まえつつ、マイナビ調査に基づく平均年収をもとに、30代の収入実態を読み解いていく。

メインの仕事からの見込み年収と平均

マイナビ調査にて、「主な仕事からの見込み年収」として金額を聞いたところ、就業者(正規)30代でもっとも多かったのは501万円~600万円(14.2%)であった。しかし、この年収が突出して多いわけではなく、次ぐ451万円~500万円(12.6%)、351万円~400万円(12.8%)と僅差であった。【図1】

【図1】主な仕事からの見込み年収<就業者(正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」
【図1】主な仕事からの見込み年収<就業者(正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版

ほかの年代と比較しても、30代は回答にばらつきがあり職種や役職により年収に開きがあると推察できる。またグラフを見ると、約半数が351万円~600万円と回答していることがわかり、ここが30代の年収のボリュームゾーンになりそうだ。平均値は445.0万円となった。

就業者(非正規)で見ると、もっとも多かったのは100万円以下で40.0%、次いで101万円~200万円の29.2%であった。【図2】

【図2】主な仕事からの見込み年収<就業者(非正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」
【図2】主な仕事からの見込み年収<就業者(非正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版

非正規雇用で働いている30代の年収は、約7割が200万円以下であることがわかった。この傾向はほかの年代も同様である。30代非正規就業者の年収平均値は201.6万円であった。

副業・兼業からの見込み年収と平均

続いては同調査において、「副業・兼業からの見込み年収」も聞いているので紹介する。【図3】

【図3】副業・兼業からの見込み年収<就業者(正規・非正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」
【図3】副業・兼業からの見込み年収<就業者(正規・非正規)・30代>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版

副業・兼業からの見込み年収は、正規就業者・非正規就業者ともに5万円未満が最多となった(正規20.1%、非正規30.4%)。

詳細を見ても、いずれも7割程度が50万円以下であり、副業・兼業からの見込み年収においては雇用形態により大きな差は見られなかった。

男女別|30代の平均年収

ここまで30代全体の傾向を見てきたが、次に男女別に詳しく見てみる。30代正規就業者・非正規就業者の年収分布は以下の通りである。【図4】

【図4】主な仕事からの見込み年収<就業者(正規・非正規)・30代男女別>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」
【図4】主な仕事からの見込み年収<就業者(正規・非正規)・30代男女別>/「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版

正規就業者で見ると、30代男性でもっとも多いのは501万円~600万円で17.7%、30代女性でもっとも多いのは201万円~300万円で18.9%であった。

ボリュームゾーンについても、30代男性の半数以上が351万円~600万円の年収を得ているのに対し、30代女性は400万円以下が約6割と、男女間で差が見られた。なお、正規就業者30代男性の平均年収は486.1万円、30代女性の平均年収は373.1万円であった。

非正規就業者では、男女ともに300万円以下の割合が多く、非正規就業者30代男性の平均年収は222.5万円、30代女性の平均年収は194.6万円であった。

30代は「年収への不満」が高まりやすい時期

ここからは、マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」をもとに、30代が年収に対してどのように感じているかを見ていく。なお、前章までは非正規雇用者も含む内容で紹介したが、本章より正規雇用者をメインとして分析していく。

30代は、昇格・昇進といった仕事における責任の増加や、結婚や出産といったライフステージの変化が起きやすい。それに伴い、収入に対する期待値が高まる時期といえる。

その一方で、実際の年収が期待に追いつかず、不満を感じる人も少なくない。実際に、同調査における転職活動の理由として「給与が低かった(全体29.2%)」がもっとも多く挙げられており、30代男性31.2%、30代女性が30.4%とほかの年代よりも高い結果となった

特に30代は、住宅購入や子育てなど支出が増えるタイミングとも重なるため、「現在の年収では将来が不安」と感じやすく、結果として年収改善を目的にキャリアの見直しを図るケースがあると考えられる。

30代はキャリア・人生の悩みや不安も

30代は、キャリアだけでなく人生についても悩みや不安を抱えやすい時期である。代表的なものに「クォーターライフクライシス」があり、これはマイナビキャリアリサーチLabのコラムのなかで以下のように説明している。

クォーターライフクライシスとは人生の4分の1(クォーター)が過ぎる20代後半~30代前半に陥りがちな漠然とした不安や焦燥感、憂うつ感を持つこと。自身の在り方に疑問を抱いたり、「自分は何者なのか」「このままで良いのだろうか」「本当は何をしたいのか」といったことを深く考え込んだりする時期で「人生の低迷期」ともいわれる

「クォーターライフクライシス」については、調査やコラムを公開しているので以下からご覧いただきたい。 

こうした心理的な揺らぎは、実際の将来認識にも表れているのか。実際に、30代が自身の将来の見通しや老後についてどう感じているかを聞いた(「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」より)。

まず、30代正規就業者の3年後の見通しは安心感を持っている計(「安心感を持っている」+「やや安心感を持っている」)が26.5%、不安を感じている計(「やや不安を感じている」+「不安を感じている」)が 37.5%であった。5年後の見通しについては、安心感を持っている計が24.1%、不安を感じている計が42.0%。10年後の見通しについては安心感を持っている計が21.2%、不安を感じている計が45.2%となり、現在地から遠くなるほど不安感が強まっていることがわかった。

なお、この傾向は30代特有のものではなく、他の年代でも同様に見られるが、30代はキャリアの方向性やライフイベントが重なる時期であるがゆえに、その不安をより強く自覚しやすい段階にあるといえる。こうした状況が、仕事や収入、将来設計の見直しにつながっているのだろう。

30代の転職は年収アップにつながる?

ここまで、30代の年収や不安感について見てきた。年収への不満や将来不安を軽減させるための選択肢のひとつとして、転職がある。ここでは、30代の転職が年収アップにつながるのかをマイナビの「転職動向調査2026年版(2025年実績)」から見ていく。

転職後の変化について、「年収が上がった」と回答したのは男性30代で39.6%、女性30代で43.1%。いずれもおよそ4割が年収アップをかなえていることがわかる。こうした結果から、30代の転職は必ずしもリスクの高い選択ではなく、一定程度の確率で年収アップにつながる現実的な手段であるといえる。 

一方で、およそ6割が年収維持もしくは年収が下がっていることから、転職=必ずしも年収増というわけではない点には留意が必要だ。職種変更や未経験分野への挑戦、働き方を重視した転職などの場合、年収を維持または一時的に下げる選択をするケースも考えられる。また、企業規模や業界、ポジションによっても年収の変動幅は大きく左右される。

給与を重視するのか、働きやすさを重視するのかなど、転職の目的によっても転職後の年収が変わってくるので、転職を検討する際は目的をよく整理することが重要である。

30代が年収を上げるためには

前章では、30代の転職により年収がどう変化するかをデータから読み解いた。しかし、「転職には不安がある」「現職を続けながら収入を上げたい」と考える人も少なくないだろう。そこで本章では、転職以外で年収を上げるための選択肢について見ていく。

代表的な方法のひとつが、社内での昇進・昇格である。役職が上がることで基本給や手当が増加し、安定的な収入増につながる可能性が高い

30代の昇進意向について「マイナビ ライフキャリア実態調査2025年版」で調査したところ、昇進したい計(「昇進したい」+「どちらかというと昇進したい」)52.2%、昇進したくない計(「どちらかというと昇進したくない」+「昇進したくない」)44.1%と意見が分かれる結果となった。

昇進したいと答えた人に、昇進意向があるもっとも大きな理由を聞いたところ、「給与を上げるため」が65.9%で突出して高かった。これはほかの年代も同様であったが、とりわけ30代は生活費や将来設計への意識が高まる時期であり、収入増加の手段として昇進を重視する人が多いことがうかがえる。

このように、転職をしなくても年収を高める道は存在する。ただし、昇進には成果やスキルの積み重ねが求められるため、日々の業務での実績づくりや評価を意識した働き方が重要になる。自身のキャリアの方向性と照らし合わせながら、最適な手段を選択していく必要があるだろう。

まとめ

30代は、キャリアの方向性が定まりつつある一方で、収入や将来に対する不安も大きくなる時期である。本記事で見てきたように、平均年収にはばらつきがあり、男女差や雇用形態による違いも見られた。また、収入への不満は転職の主な理由となっており、キャリアの見直しを検討する人も少なくない。

一方で、転職によって年収アップを実現している人が一定数いることや、社内での昇進・昇格によって収入を高める道もあり、30代は収入に変化が生じやすい時期ともいえる。

重要なのは、年収だけでなく、自身のキャリアやライフプランと照らし合わせて最適な選択をすることである。現状を正しく把握し、目的に応じた行動を取ることが、30代以降のキャリア形成と収入向上につながっていくだろう。

矢部栞
担当者
キャリアリサーチLab編集部
SHIORI YABE

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