マイナビ キャリアリサーチLab

2019年卒企業新卒内定状況調査

外国人留学生を採用した企業は約1割。
採用していない理由は「受け入れ体制の未整備」

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、国内企業を対象に2019年卒採用の内定状況と、2020年卒の採用の見通しなどをまとめた「2019年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査」の結果を発表した(3,013社回答)。

調査概要

内容 マイナビ2019年卒企業新卒内定状況調査
調査期間 2018年9月4日(水)告知、10月3日(木)受付締切
調査方法 ・新卒採用実績のある国内8,000社に回答用紙を郵送
・新卒採用支援情報サイト「新卒採用サポネット」会員にメールマガジンにて案内
・マイナビ2019利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内
回答方法 回答用紙にて回答・WEBフォームより回答
有効回答数 3,013社(上場 450社・非上場 2,563社|製造 1,044社・非製造 1,969社)

トピックス

  • 19年卒の「採用充足率」は84.4%で、6割近くの企業が今後も採用を継続
  • 2019年卒に外国人留学生の採用実績があるのは約1割
    採用していない理由は言葉やビザよりも、“受け入れ体制の未整備”
  • 障がい者雇用の特別枠を設けている企業は1割を下回る
  • 就職戦線は今、学生が受験する企業を絞る「厳選就活」の時代。
    企業は学生へ自社の魅力を伝え、深いコミュニケーションを築く施策が必要に

調査詳細

2019年卒新卒採用の振り返り

「採用充足率」は84.4%で、6割近くの企業が今後も採用を継続

「採用充足率」(内定者数/募集人数)は、前年を1.4pt上回る84.4%だった。ここ10年で最低だった昨年(2018年卒)および2015年卒には及ばぬものの、厳しい状況に変わりはない。業種別に見ると、「ソフトウエア・通信(77.3%)」が特に採用充足率が低かった。上場(95.9%)と非上場(76.5%)では20pt近い差が見られ、非上場企業の厳しさがうかがえた。

内々定後の辞退率は「前年より高かった」が34.0%(前年比1.4pt減)、「前年より低かった」が24.4%(前年比0.4pt減)で、いずれも微減しているものの、3社に1社が前年よりも高い内々定辞退率に苦悩する様子が見て取れる。調査時点(2018年9月~2018年10月上旬)では、57.4%の企業が今後も採用を継続すると回答した。

採用充足率の年次推移/2019年卒企業新卒内定状況調査
今後も採用活動を継続する企業の割合/2019年卒企業新卒内定状況調査

外国人留学生採用

2019年卒に外国人留学生の採用実績があるのは約1割
採用していない理由は言葉やビザよりも、“受け入れ体制の未整備”

外国人労働者の受け入れ拡大が議論されているが、2019年卒採用で「外国人留学生を採用した(する予定)」と回答したのは全体の11.7%で、1割程度となった。また「採用活動はしたが、採用できなかった」企業は7.0%だった。ただし、2020年卒の予定では「採用する予定」が10.7%、「検討中」が28.8%となり、企業側の採用意欲は垣間見える。
「採用をしていない(または予定がない)」企業にその理由を聞いたところ、「日本語能力(24.7%)」や「ビザなどの手続きが困難(14.6%)」よりも、「外国人が活躍できる環境が整っていない(43.2%)」や「現場の受け入れ体制が整っていない(43.8%)」といった、企業の内部要因によるところが大きいことが分かった。

外国人留学生の採用状況/2019年卒企業新卒内定状況調査
外国人留学生を採用していない(予定がない)理由/2019年卒企業新卒内定状況調査

障がい者採用

障がい者雇用の特別枠を設けている企業は1割を下回る

障がい者採用に特別なコースや採用枠を設けている企業は、全体の8.6%とまだ少ない。9割を超える企業が「特別なコース・採用枠は用意していない/採用活動自体を行っていない」と回答した。
採用経験がある企業に、採用した方への配慮を聞いたところ、「業務量への配慮(58.8%)」「勤務地の固定(51.2%)」がそれぞれ半数を超えた。「設備への配慮(43.8%)」や「勤務時間の配慮(38.7%)」が続き、「配属先部署での理解促進」についても、35.8%の企業が実施していると答えた。本人だけではなく、一緒に働く従業員へ理解を促すことの必要性も感じていることが分かった。

障がい者雇用のためのコースや採用枠を設けたか/2019年卒企業新卒内定状況調査
採用した障がい者に対しての配慮/2019年卒企業新卒内定状況調査

2020年卒の新卒採用と今後の課題

現在、学生が受験する企業を絞る「厳選就活」の時代。
企業は学生へ自社の魅力を伝え、深いコミュニケーションを築く施策が必要に

次年度(2020年卒)の採用スケジュールについて、インターンシップを開始するのは「8月」が最も多く(36.1%)、2019年卒(31.8%)に比べて4.3pt増となり、スタートが早まっていることが分かる。また、3月に面接を開始する企業が増加しており(2019年卒:29.4%→2020年卒:35.2%)、厳しい採用環境への対応として、3月以降の活動もスピード感が増している。

学生が受験する企業を絞り、企業が学生に選ばれる時代となった今、応募数を増やす施策だけではなく、辞退を減らすための施策にも力を注ぐ必要があると考えられるほか、学生から選ばれるために、魅力ある就業体験で学生の企業理解を促し、学生と深いコミュニケーションを築く必要性が高まっている。

採用スケジュール/2019年卒企業新卒内定状況調査

レポート内目次

PDFデータ内の主なトピックを記載しています。

  • 採用充足率
  • 内定者への満足度
  • 採用活動の印象
  • 採用活動が厳しかったと回答した理由
  • 内定を出す基準
  • 応募学生数(エントリー数)/ エントリーシート提出学生数
  • 説明会参加学生数 / 説明会で力を入れて説明した点 / 1次面接受験学生数
  • 選考回数 / 採用活動での人事以外の社員の活用 / 新卒専任担当者数
  • 選考途中の辞退率 / 内々定辞退率 / 内々定辞退の方法 / 内定後の対応
  • 内定者1人あたりの応募学生数・説明会参加学生数等平均
  • 採用活動進捗状況 / 採用活動を終了した(する)時期 / 採用活動期間
  • 次年度(20年卒)の採用活動について
  • 次年度(20年卒)重点を置くこと
  • インターンシップ
  • 外国人留学生の採用
  • 今年度・次年度採用スケジュール(全体 / 上場・非上場 )
  • 障がい者雇用について
  • 採用活動の効率化やWEBセミナーを活用することについて

詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください

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