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企業人材ニーズ調査2018年版

人手不足が顕著な中、採用コストは雇用形態に関わらず上昇傾向。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、人材採用に関して「採用実施」「手法選定」「雇用の決定」のいずれかの決裁権を持つ採用担当者を対象に調査した、「企業人材ニーズ調査2018年版」を発表しました。本調査は、今回で3回目となります。

◆ 調査概要

内容企業人材ニーズ調査2018年版
調査期間2018年12月4日~12月6日
調査対象人材採用に関して、[採用実施] [手法選定][雇用の決定]のいずれかの決裁権を持つ採用担当者
調査方法インターネット調査
有効回答数2,105名
(上場 579名・非上場 1,526名|製造 583名・非製造1,522名)
(300人未満 1,239名・300~999人 361名・1,000人以上 505名)

◆ TOPICS

2018年の採用状況について、「本年から新たに働き始めた方がいるか」という質問をした結果、「働き始めた方はいない」と回答した企業はわずか2.5%に留まり、97.5%の企業が今年何らかの形で採用活動を行い、その結果新しい人材獲得に成功したことがわかる。採用した雇用形態で、最も多かったのは「社会人の正社員(中途、第二新卒)」の75.6%で、企業は即戦力になる中途社員の採用で、最も人材不足を補っていることが見て取れる。また、来年の採用活動において、人材募集をする可能性がある企業は、雇用形態に関わらず、「本年働き始めた人がいる(本年採用した)」の割合よりも多い傾向にある。特に「社会人の正社員(中途、第二新卒)」を募集する可能性を示す企業は約8割(79.9%)にも上り、中途の正社員採用を中心に、ますます採用意欲が高くなることが推測できる【図1】。

【図1】<雇用形態別>2018年の採用実績と2019年の予定

「(前年と比較して)1人採用する際のコストの増減」について尋ねたところ、派遣社員としての雇用形態以外において、3割以上の企業が「増えている」と回答した。特に、正社員の新卒採用においては43.5%の企業が「増えている」と回答しており、「変わらない」と回答した46.5%に迫る結果となった。売り手市場の状況下でますます採用環境が厳しくなり、採用コストの上昇は今後もさらに見込まれると推測される。目先の採用コストだけでなく、入社後の定着率向上も視野に入れた長期的な視点での採用コストの管理が重要といえる【図2】。

【図2】 一人採用するのにかかるコストの増減比

働く方の雇用形態の変更について、6割弱(58.8%)の企業が、何らかの「雇用変更があった」と回答した。特に、「派遣社員から有期直接雇用(契約社員・嘱託社員)への転換」が30.6%、「パート・アルバイトから有期直接雇用(契約社員・嘱託社員)への転換」が27.1%で、それぞれ高い結果となった。一方で、非正社員の正社員化については、「派遣社員から正社員の転換」が20.6%、「パート・アルバイトから正社員の転換」が22.2%、「有期直接雇用(契約社員・嘱託社員)から正社員の転換」が17.8%で、2割弱の企業が実施した。なお、全体を通して、上場企業の方が非上場企業よりも割合が高く、雇用形態の転換を積極的に実施していることがうかがえる。すでに自社の業務を把握している既存非正社員の正社員化は、今後の人材確保のポイントになるといえる【図3】。

【図3】雇用形態の変更について今年1年にあったもの 

◆ INDEX

1,<雇用形態別>採用実績と今後の採用ニーズ
2,<雇用形態別>採用の理由、採用スタンスや採用手法について
3,<雇用形態別>雇用人材決定のポイントと採用後に感じるミスマッチについて
4,働く方の雇用形態の変更について
5,年代別 採用に当たっての期待と懸念
6,「人事業務」におけるAIの活用について・採用コストについて

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