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採用目標達成のために基本給を上げた企業は半数以上。業種では「流通業・卸売業・小売業」が最も高い

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、人材採用に関して「採用実施」「手法選定」「雇用の決定」のいずれかの決裁権を持つ採用担当者(2,170名)を対象に調査した、「マイナビ 人材ニーズ調査」を発表しました。本調査は、今回で7回目となります。

調査概要

内容 マイナビ人材ニーズ調査2022年版
調査期間 2022年12月9日~12月12日
調査対象 人材採用に関して、[採用実施]][手法選定][雇用の決定]のいずれかの決裁権を持つ採用担当者
調査方法 WEB調査(アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社)
有効回答数 2,170名
(上場 610名・非上場 1,560名|製造 642名・非製造1,528名)
(従業員規模300人未満 1,189名・300~999人 356名・1,000人以上 625名)

2022年の採用実績は正社員(中途)、パート・アルバイト、派遣社員で増加傾向、また2023年の採用予定はいずれも増加

雇用形態別に「2022年に一人でも働き始めた人がいる」と答えた割合は、「正社員(中途採用)」が最も高く78.2%、次いで「正社員(新卒採用)」が65.2%となった。2019年からの推移をみると、正社員(新卒、中途)では2019年から2022年までほぼ横ばい。非正社員では(契約・嘱託、パート・アルバイト、派遣社員)では減少傾向であるが、パート・アルバイト、派遣社員は昨年を底に若干の増加が見え始めた。 2023年の採用予定割合はいずれの雇用形態においても2022年の採用実績割合より増加している。【図1】

【図1】2019年~2022年の採用実績と2023年の採用予定/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

各雇用形態でシニア層の採用期待が増加傾向。期待する点は「経験・スキル」「労働力」「技能や知識の継承」

今後採用したい属性に関して雇用形態別に聞くと、2020年からの3年間で正社員<中途>、契約、アルバイト・パートのいずれの雇用形態でもシニア世代(55~64歳くらい)の採用期待が増加傾向であった【図2】。

シニア世代に期待することを聞くと、最も期待するのは「経験・スキル」(44.8%)、「労働力」(28.3%)、「技能や知識の継承」(24.9%)であった【図3】。

また、「人間関係」(期待 – 懸念 = +7.5pt)や「社内活性化」(期待 – 懸念 = +3.1pt)といった項目でも期待が懸念を上回っており、コミュニケーション面においても一定の期待を受けていることが分かった。 労働人口の減少からシニア世代の層にも人材ニーズは広がっている。シニアには今まで培ってきた経験・スキルの他、若者が育ちづらい環境からか技能・知識の継承まで求められている。

【図2】シニア世代(55~64歳くらい)の今後採用意向/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)
【図3】シニア世代(55~64歳くらい)に期待すること・懸念すること/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

採用目標達成のために基本給を上げている企業は半数以上。業種では「流通業・卸売業・小売業」が最も高い。

1人を採用する際のコスト増減感に関して、雇用形態別に聞いたところ、正社員<新卒・中途>、契約社員・嘱託社員、パート・アルバイトいずれにおいても、「増えている」と回答した人が昨年結果よりも増加していた【図4】。

【図4】一人採用するのにかかるコストの増減/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

また、採用目標達成のために基本給を上げることがあったかどうかを聞くと、昨年と比べて上げた企業の割合がいずれの雇用形態でも伸びており、本年では半数を超えた【図5】。人材ニーズの復調や昨今の物価上昇を背景に企業の給与増の動きが進んでおり、コスト増の要因のひとつになっていると考えられる。

【図5】採用のためにこの1年で基本給を上げることがあった割合/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

また、企業の業種ごとに、上述の雇用形態のいずれかひとつでも給与増があった割合を見てみると、最も割合が高い業種が「流通業・卸売業・小売業」(69.4)%であった【図6】。「流通業・卸売業・小売業」では一般に非正規の社員も多く、給与増がしやすかったことも考えられる。

【図6】いずれかの雇用形態で基本給が上がった業界/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

人的資本開示の認知率はおよそ60%。上場企業では求職者に対して開示するとしたら、「採用・異動・離職」「後継者育成」など。

人的資本の情報開示に関して、そのような動きがあることを認知していた割合は上場企業で67.2%、非上場企業で57.5%であり、上場・非上場ともに認知率は半数を超えていた。また、情報公開の準備を一部でも進めている企業は上場企業では35.6%、非上場の企業では15.3%であった。【図7】

【図7】人的資本情報開示について何らかのアクションを行っている割合/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

情報開示の準備を進めていたり、すでに開示を実施している企業を対象に、ISO30414国際標準基準となっている項目ごとに、投資家、求職者、従業員それぞれに対して今後公開すると思われるかを聞いた【図8】。

【図8】今後公開すると思われる人的資本情報/マイナビ人材ニーズ調査(2022年)

求職者への採用情報開示では「採用・異動・離職(56.9%)」「組織の健康・安全・福祉(52.9%)」「後継者育成(52.7%)」などで割合が高く、その企業で働き続けるビジョンを求職者が持てるよう、適切に情報を選択しようとしていることがうかがえる。

また、投資家に対しては「コンプライアンスと倫理(62.3%)」が最も高く、それ以外の項目では求職者や従業員と比較して割合が低い項目が多かった。有価証券報告書に記載する際にどのような項目をどうやって数値化するかなどの部分の不透明感が強く、投資家への情報開示は慎重になっていると考えられる。

【調査担当者コメント】
非正社員に関してはコロナ禍で採用実績が2019年水準から低下していましたが、行動制限も緩和され経済活動が再開されたことにより復調の兆しが見え始めています。また人材ニーズが高まる中で、転職市場におけるシニア世代(55~64歳くらい)の存在感も高まっています。これまでの経験やスキルの発揮の他に、なかなか若手が育たないような状況においては、技能や知識の継承といった側面もシニア世代に期待されていると思われます。また、2022年8月に政府から発表された「人的資本可視化指針」については、上場、非上場企業ともに半分を超える認知率であり、投資家向けだけでなく採用関連情報として開示する動きも見られます。求職者にとってはより詳細な企業情報を基に職探しを行うことができるようになるため、より良いマッチングを行うためにも企業には適切な情報開示が期待されるでしょう。

 





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