2019年卒大学生のライフスタイル調査
新卒学生向け就職サイト「マイナビ」の運営をはじめ、各種就職・転職情報サービスを行う株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:中川信行)は、2019年卒の大学生・大学院生を対象に「大学生のライフスタイル調査」を実施いたしました。
スマートフォンの利用状況と動画の視聴状況、SNSの利用傾向、情報源、社会問題への関心、現在の住まいやアルバイトの状況、自由に使えるお金、旅行経験や嗜好、部活動やサークル活動、育児休業の取得や残業に対するイメージ、結婚・共働き・育休取得希望、就職活動への両親の関わり、仕事に関する情報を誰から得ているか、就職活動における武器、といった内容を網羅し、2019年卒の学生の特徴を詳細に調査しています。 概要は以下の通りです。
※当調査は法政大学キャリアデザイン学部との共同調査です。
目次
調査詳細
スマートフォンの1日あたり利用時間平均と動画視聴時間平均
- スマートフォンの1日平均利用時間は約3時間
- 動画の視聴は1日平均36.1分
2019年卒学生のスマートフォン保有率は98.8%(前年比0.3pt増)と、ほぼ全員が保有している状況だ。保有している学生に1日あたりのスマートフォン利用時間を聞いたところ、全体の平均は174.4分で、約3時間も利用していることがわかった。利用時間の平均は男子より女子の方が長く、理系より文系の方が長い。
スマートフォンを使っての動画の視聴時間を聞いたところ、全体の平均は36.1分だった。スマートフォン利用時間のうち約2割(20.7%)を動画の視聴に使っていることになる。平均の動画視聴時間は、女子より男子が長く、理系より文系が長い。男子はスマートフォン利用時間のうち約4分の1(24.7%)を動画の視聴に使っている。
自分で動画を制作・公開して収入を得たいと思うか
最近話題となっているユーチューバーのように、自分で動画を制作し、公開することで収入を得たことがあるか聞いたところ、「ある」という回答は全体の1.0%だった。男子の1.6%に対し女子は0.3%と大きな差がついている。
自分で動画を制作し、公開して収入を得たいか聞いたところ、ユーチューバーのように「動画公開による収入で生活していきたい」という回答は全体の1.1%にすぎなかったが、「動画公開による収入で小遣いを得たい」は20.3%で、約2割が動画公開により収入を得ることに前向きな考えを持っていることが分かった。
「生活していきたい」+「小遣いを得たい」の合計は男子では26.9%であるのに対し、女子は14.5%で、男子の方が前向きな考えを持っている割合が高かった。
よく利用するSNS
- よく利用するSNSではInstagramが大きく躍進
- 男子のTwitterユーザーも増加
「よく利用するSNS」について聞いたところ、Instagramの利用割合が2年前と比較して大きく増えた(男子:36.4%、前々年比22.0pt増、女子:61.7%、前々年比23.1pt増)。
一方、Facebookの利用割合はかなり減った(男子:30.2%、前々年比14.7pt減、女子:27.6%、前々年比20.7pt減)。また、Twitterについては男子の利用割合が大きく増えた(75.9%、前々年比12.1pt増)。
情報源として最も信頼度が高いメディア
- 最も信頼度が高いメディアは6年連続で「新聞」が最多。割合は下降傾向
情報源として最も利用しているメディア、および最も信頼度が高いメディアについて聞いたところ、最も利用しているメディアは圧倒的に「インターネット(82.2%、前年比0.8pt減)」で、最も信頼度が高いメディアは「新聞(36.8%、前年比4.7pt減)」が最多だった。
ただし、「新聞」を最も信頼度が高いとする割合は年々減少しており、5年前(49.2%)と比較すると12.4ptも下がっている。代わって「本(雑誌、書籍など)」の割合が大きく増加している(29.4%、5年前からは14.6pt増)。「インターネット」が最も信頼度が高いとする割合は18.4%(前年比2.0pt増)で、5年前(21.8%)と比べて3.4pt減と大きな変化はない。
興味のある社会問題
- 「興味のある社会問題」は「LGBT」の割合が増加
- 文系女子では4番目に高い割合に
15個の社会問題の中から興味のあるものをすべて選択してもらったところ、最も選択割合が高かったのは、文系男子が「高齢化社会・介護問題(38.3%、前年比6.3pt減)、理系男子が「地球温暖化(38.4%、前年比6.1pt減)」、文系女子が「少子化・働く女性支援(64.7%、前年比3.8pt減)」、理系女子が「少子化・働く女性支援(61.2%、前年比5.6pt減)」だった。
これらはいずれも3年連続でトップである。ほとんどの社会問題の興味がある割合は前年より減少していたが、「LGBT」のみどの分類でも前年より増加しており、特に文系女子では32.9%(前年比9.1pt増)で興味がある割合が4番目に高い社会問題だった。
今年初めて選択肢に加えた「治安維持・テロ対策」は全体の32.5%が選択し、文系男子(35.6%)理系男子(33.0%)理系女子(27.2%)でそれぞれ5番目、文系女子(31.1%)では7番目に高い割合だった。
1ヶ月に自由に使えるお金
- 1ヶ月に自由に使えるお金の平均は3万5,371円
- 文系男子が最もリッチで3万9,840円
1ヶ月に自由に使えるお金について聞いたところ、全体の平均は3万5,371円だった。文系男子が最も高く(3万9,840円)、理系女子が最も低かった(3万1,215円)。その差は8,625円と大きく開いている。
なお、定期的なアルバイトをしている学生の平均値(3万,9,203円)と、していない学生の平均値(2万3,314円)では約1万6千円の差があった。自宅住まいか一人暮らしかでは、一人暮らしの学生(3万9,129円)の方が自宅住まいの学生(3万3,266円)より約6千円使えるお金が多かった。
自由に使えるお金が1万円以下の学生の割合は16.0%で、この割合は文理男女別であまり大きな差がなかった。一方、自由に使えるお金が5万円以上の学生の割合は35.4%だが、最も割合が高い文系男子が40.5%、最も割合が低い理系女子が26.5%で、その差は14.0ptと大きく開いている。
国内旅行回数・海外旅行経験・一人旅経験
- 海外旅行に行ったことのある割合は37.9%
- 国内旅行1回あたりの平均費用は3万3,188円
旅行経験について聞いたところ、大学1年生から現在までの国内旅行の回数は平均で6.5回だった。男女差はあまりなかったが、文系(平均5.5回)より理系(平均7.8回)の方が回数が多い。
海外旅行の経験がある割合は全体で37.9%だが、男子(33.1%)より女子(44.0%)のほうが割合が高く、理系(35.7%)より文系(39.2%)の方が割合が高かった。一人旅の経験がある割合は全体で33.9%で、女子(28.9%)より男子(37.8%)の方が割合が高く、文系(31.8%)より理系(37.4%)の方が割合が高かった。
行ったことのある温泉を聞いたところ、最も行ったことのある割合が高かったのは「箱根温泉(13.8%)」で、以下「草津温泉」「熱海温泉」「下呂温泉」「別府温泉郷」だった。国内旅行に行った際の目的で「温泉に入る」を選んだ学生は4割を超え(41.7%)、「食事・グルメ・その土地の食べ物など(49.7%)」に次いで高い割合で、学生にとって温泉に旅行に行くことがかなり一般的なものであることが分かった。
育児に関する働き方の印象
- 「育児休業を取得する」男性を「すごくかっこいい」と感じる女子が増加し半数を超える
社会人の働き方における「残業」「育児休業」「上司や顧客との関係構築」という側面において、それぞれ学生がどのように感じているのかを、6つの働き方をする「同性の社会人」「異性の社会人」について調査した。
「6つの働き方」
◇ 毎晩遅くまで残業し、トップの成績を上げている
◇ 指示された通り残業し、上司の信頼を得る
◇ 時間内に仕事を終え、一切残業しない
◇ 時間内に仕事を終え、積極的に子育てする
◇ 子育てに専念するため育児休業を取得する
◇ 酒の席の付き合いで上司や顧客の信頼を得る
<選択肢>
「すごくかっこいい」「まあまあかっこいい」「どちらとも言えない」「あまりかっこよくない」「かっこわるい」
※「すごくかっこいい」と回答した割合をグラフ化
育児に関する働き方の印象については、「時間内に仕事を終え、積極的に子育てする」を「すごくかっこいい」と感じる割合は前年とあまり変わらなかったが、「子育てに専念するため育児休業を取得する」を「すごくかっこいい」と感じる割合は増加した。
特に「子育てに専念するため育児休業を取得する」男性に対して「すごくかっこいい」と感じる女子の割合は、45.4%→49.0%→53.4%と年々増え、今年初めて半数を超えた。また、「子育てに専念するため育児休業を取得する」女性を「すごくかっこいい」と感じる割合は女子(51.8%)より男子(56.0%)の方がやや高いが、「子育てに専念するため育児休業を取得する」男性を「すごくかっこいい」と感じる割合は、男子(38.8%)より女子(53.4%)の方がかなり高い。
厚生労働省の調査によると、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%(平成28年度雇用均等基本調査)とまだまだ低く、男子にとっては自分が育児休業を取得することに現実味を感じにくい面がある。しかし、女子はそういう状況の中でも育児休業を取得する男性に魅力を感じるのだろう。
残業に関する働き方の印象については、「毎晩遅くまで残業し、トップの成績を上げている」を「すごくかっこいい」と感じる割合は前年より減少し、「時間内に仕事を終え、一切残業しない」を「すごくかっこいい」と感じる割合は前年より増加した。特に「毎晩遅くまで残業し、トップの成績を上げている」女性を「すごくかっこいい」と感じる女子の割合(12.9%)は男子(17.4%)よりやや低くなっている。
理想とする将来の自分像
- 理想の将来像は「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」が3年連続男女とも1位
「理想とする『将来の自分』像」を17の項目から選択してもらったところ、男女とも「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」が最も高く(男子27.0%、前年比0.2pt減、女子37.3%、前年比2.8pt減)3年連続で1位だったが、女子ではやや前年より減少し、初めて4割を切った。
2位は男女とも「一生食べていける安定した仕事を持つ」だった(男子:20.7%、前年比0.3pt増、女子:19.7%、前年比0.7pt増)。3位は男女とも「自分の好きな仕事を一生続ける」だったが、男子で前年よりやや減少した(男子:14.1%、前年比4.0pt減、女子:18.9%、前年比0.3pt減)。
結婚後の仕事に関してどのように考えているか
- 女子で「共働きを望む」割合が増加し、専業主婦志向が減少
- 男女差は約20ptで推移
結婚後の仕事に関しての考えを聞いたところ、「夫婦共働き」を希望する割合は、男子48.7%(前年比0.8pt減)、女子が69.5%(前年比3.8pt増)で男子の割合はほぼ横ばいだったのに対し、女子の割合はやや増加した。16年卒から4年間の経年変化を見ると、男子は5割弱、女子は7割弱で大きな変化はなく推移している。男女差は前年は16.2ptだったが、今年は20.8ptに開いた。
一方、男子の「主に自分の収入のみで生活するのが望ましい」と女子の「主に相手の収入のみで生活するのが望ましい」を専業主婦志向として定義し、4年間の経年変化を見ると、男子は年々緩やかに減少し、女子は前年までは横ばいで、今年(21.0%)は前年より4.0pt減少した。男女差は20pt前後で推移しており、男子の「配偶者が専業主婦になることを希望する」割合が女子の「自らが専業主婦になることを希望する」割合より2割程度高い状態が継続している。
子育てについて考えに近いもの
- 「育児休業をとって積極的に子育てしたい」割合が男女とも増加
子育てについての考えを聞いたところ、「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答した割合は、男子は38.7%(前年比2.1pt増)、女子は65.1%(前年比4.1pt増)で、ともに前年より増加した。経年の推移を見ると、男子の割合は16年卒以降毎年少しずつ増加している。女子は14年卒の調査開始以降、少しずつ減少する傾向にあったが、今年は増加に転じた。
男女差は26.4ptでこれまで同様大きな差がついている。女子の「子供ができたら仕事をやめて子育てに専念したい」は10.0%で、前年より4.7pt減少し、子供を産んだ後も仕事を続けたいと考える女子がやや増えたようだ。
結婚を何歳頃にしたいか
- 結婚したい年齢は男子の平均28.3歳、女子の平均27.3歳
- 3年間でほとんど変化なし
結婚をするなら何歳頃にしたいか聞いたところ、男子の平均は28.3歳、女子の平均は27.3歳だった。2年前からの推移は男子28.3歳→28.2歳→28.3歳、女子27.2歳→27.3歳→27.3歳でほとんど変わっていない。
選んだ年齢の分布で見ると、男子は28歳が前年よりやや増え(22.3%、前年比2.6pt増)30歳がやや減り(28.9%、前年比3.5pt減)、女子は27歳がやや増え(18.2%、前年比2.2pt増)26歳がやや減った(13.4%、前年比1.7pt減)が、3年間で大きな変化は起こっていない。
結婚や育児に関する質問に回答する際、「自分のキャリア・仕事」「収入・家計」「将来持つであろう家庭」のうち最も重視したことを聞き、重視した項目ごとに「結婚希望年齢」の平均を算出した。その結果、男女とも「自分のキャリア・仕事」を重視した学生は比較的希望年齢が高く(男子:28.9歳、女子:28.0歳)、次が「収入・家計」重視(男子:28.4歳、女子:27.4歳)だった。
「将来持つであろう家庭」を重視した学生は「自分のキャリア・仕事」を重視する学生より、男子で0.8歳、女子で1.1歳早く結婚したいと希望していた(男子:28.1歳、女子:26.9歳)。
調査概要
内容 | マイナビ 2019年卒大学生のライフスタイル調査 |
---|---|
調査期間 | 2017年11月29日(水)~2017年12月25日(月) |
調査対象 | マイナビ2019全学生 |
調査方法 | Web上のアンケートフォームより入力 |
有効回答数 | 4,640名 |
詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください