マイナビ キャリアリサーチLab

中途採用状況調査2023年版(2022年実績)

SUMMARY

企業の2022年の企業の中途採用人数は前年平均より約3名の増加
募集開始から最短2カ月未満で採用となった職種が前年より増加、中途採用期間の短期化に

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、直近1年間(2022年1月~12月)に中途採用活動実績のある企業の人事担当者1,400名を対象に、2022年の採用結果と2023年の見通しを調査した「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」の結果を発表しました。本調査は、今回で10回目となります。

調査概要

調査期間 2022年12月16日~12月20日
調査方法 インターネット調査
調査対象 従業員数3名以上の企業において、直近(2022年1~12月)に中途採用業務を担当し、
「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者
有効回答数 1,400件

※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
※n=30以下は参考値としております。

TOPICS

  • 2022年の中途採用人数は、前年が平均16.3人対し19.2人で約3名の増加。活発化する中途採用市場【図1】
  • 募集開始から最短2カ月未満で採用となった職種が前年より増加。中途採用期間の短期化に【図2】
  • 2023年の中途採用に積極的な企業は9割超。未経験者採用を積極的とする企業が前年より増加【図3、4】
  • 優秀な人材と評価する要素は「主体性」。合否判断時に重視する要素は「問題解決力」【図5、6】

調査詳細

2022年の中途採用人数は、前年が平均16.3人対し19.2人で約3名の増加。活発化する中途採用市場

2022年に中途採用を行った企業の年間平均採用人数は19.2人と前年より約3人増加し、積極的に中途採用を行っていた様子がうかがえる。また、採用した人のうち出社を伴わない「リモートワーク社員」の平均採用人数は22年が2.1人(前年:2.0人)となった。
業種別の採用人数では、「金融・保険・コンサルティング」が26.5人で最も多く、「医療・福祉・介護」「メーカー」「IT・通信・インターネット」でも平均20人を超えた。そのうちリモートワーク社員の採用が最も多いのは「金融・保険・コンサルティング」で4.6人、次いで「IT・通信・インターネット」が3.7人となった。【図1】
中途採用人数は増加しており転職市場は活発化しているが、多様な働き方の1つであるリモートワークでの採用割合は微減した。

【図1】2022年の中途採用人数・リモートワーク社員採用人数(数値回答)

2022年の中途採用人数・リモートワーク社員採用人数/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

募集開始から最短2カ月未満で採用となった職種が前年より増加。中途採用期間の短期化に

求人募集から採用までの期間を聞いたところ、全17職種中15職種で「最短2カ月未満で採用・入社に至った」が前年より増加した。職種別では、「営業」が36.2%で最も高く、次いで「販売・フードアミューズメント」が34.0%。前年より5.0pt以上増加した職種は「建築・土木」「公共サービス」「美容・ブライダル・ホテル・交通」「WEB・インターネット・ゲーム」「技能工・設備・配送・農林水産」「クリエイティブ」の6職種だった。
従業員数別にみると、3~50名以下で「販売・フード・アミューズメント」「技能工・設備・配送・農林水産」「建築・土木」で2022年全体より5.0pt以上高くなった。【図2】
WEB面接の定着により、面接選考の時間や場所の制限が減り、企業・求職者ともに採用活動・転職活動が以前より効率的に行えるようになったことが一因と考えられる。

【図2】<職種別>求人募集から採用に至るまでの最短期間

求人募集から採用に至るまでの最短期間/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

2023年の中途採用に積極的な企業は9割超。未経験者採用を積極的とする企業が前年より増加

2023年の中途採用に積極的な姿勢の企業は90.8%で9割を超える結果となった。また、経験者採用に積極的な企業は前年比1.7pt減の73.9%、未経験者採用に積極的は前年比2.9pt増の46.4%と、経験者採用を重視しつつも、未経験者採用にも積極的な姿勢が見て取れる。 従業員数別でみると、従業員規模が大きい企業ほど今後の中途採用に積極的な姿勢があり、51~300名の企業では「未経験者採用に積極的」が5割を超えた。【図3】

【図3】今後の中途採用の見通し(単一回答)

今後の中途採用の見通し/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

属性別の今後の見通しでは、コア人材となり得る「26歳~40歳(ミレニアル世代)」の採用意向が高い一方で、「41歳~50歳(就職氷河期世代)」「51歳以上(バブル期世代)」のミドル・シニア世代の中途採用に積極的とする企業は前年比8.5pt増の65.3%で、最も伸び率が高かった。さらに、そのうち3割超の34.0%未経験者採用に積極的と回答した。【図4】
2022年に活発化した中途採用市場は今後も続くと思われ、その中でもミドル・シニア世代の採用活動がさらに活発化していくことが考えられる。

【図4】<人材属性別>今後の中途採用の見通し(単一回答)

<人材属性別>今後の中途採用の見通し/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

優秀な人材と評価する要素は「主体性」。合否判断時に重視する要素は「問題解決力」

中途採用担当者が、優秀な人材と評価する要素は「主体性(52.8%)」「問題解決力(51.8%)」「課題発見力(50.7%)」の順に高くなった。また、合否判断時に重視する要素では「問題解決力(76.9%)」「主体性(76.7%)」「傾聴力(73.2%)」の順に高い結果となった。 優秀人材評価要素と中途採用の合否判断重視要素ともにスコアが高いのは「主体性」「問題解決力」「課題発見力」となっており、主体的に課題を発見し、解決できる人材が中途採用市場で求められている。【図5、6】

【図5】優秀人材と評価する要素、中途採用合否判断時に重視する要素

優秀人材と評価する要素、中途採用合否判断時に重視する要素/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

【図6】中途採用市場で評価の高い人材要素

中途採用市場で評価の高い人材要素/マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」

調査担当者のコメント

2022年の中途採用は、採用人数の増加や採用期間の短期化、また求職者の転職率が2016年以降で最も高い水準となったことからも、市場が活発化した様子が顕著にうかがえます。
また、今後の中途採用の見通しとしても、9割以上の企業が積極的に行うとしており、特にミドル・シニア世代の採用意向が前年に比べ増加していることは、今後、多くの企業で年齢に関わらず中途採用が積極的に行われることが予想できます。
企業の中途採用意向は、今後も引き続き同業種・同職種経験のある「経験者採用」が積極的に行われると考えられますが、同時に未経験者の採用意向も前年より増加しています。 このことから、同業界経験・同職務経験とは趣の異なる「主体性」「課題発見力」「問題解決力」などの、業種・職種を問わず活用のできる「ポータブルスキル」に着目した中途採用も活発化するのではないでしょうか。

◆INDEX

  1. 2022年の中途採用状況
  2. 2022年の中途採用の選考状況
  3. 2022年の中途採用数・退職者人数
  4. 中途採用活動の満足度
  5. 2022年の中途採用の印象
  6. 今後2023年の中途採用の見通し
  7. 利用した転職サービス・手法
  8. 2022年の中途採用費用

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