中途採用状況調査2022年版(2021年実績)
- 企業の正社員不足感は対前年比14.3pt減で緩和、一方で企業規模・職種による過不足感には差がある
- 21年に満足な採用ができたと回答した企業は6割、満足感には自社での働き方改革などが影響
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、直近1年間(2021年1月~12月)に中途採用活動実績のある企業の人事担当者1,400名を対象に、2021年の採用結果と2022年の見通しを調査した「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」の結果を発表しました。本調査は、今回で9回目となります。
目次
トピックス
- 正社員の人手不足感は5割弱と前年より緩和。その一方で企業規模や職種による過不足感には差がある。最も不足感の高い職種とは?【図1、2】
- 中途採用担当者が2021年の採用者に満足としたのは6割超。自社の働き方改革や人事制度の見直しなどが満足感に影響を与えている【図3、4】
- 2022年の企業の中途採用の見通しは、経験者・未経験者どちらかでの採用に積極的が過去最高に。将来的に企業の中核を担えるような若手~中堅の人材採用に積極的な傾向がみえる【図5、6】
調査詳細
正社員の人手不足感
- 正社員不足感は緩和。一方では企業規模・職種による過不足感には差がある。
2021年に中途採用を行った企業の正社員の人手不足感は、「余剰を感じる(とても感じている+感じている)」という回答が18.8%(前年比:4.4pt増)、「不足している(とても不足している+不足している)」は47.6%(前年比:14.3pt減)となった。
2020年より人手不足感は大幅に緩和しており、2021年の中途採用では適切な人員数の確保ができていることがわかる。また、企業規模別にみると、不足感は従業員数が少ない企業ほど強い傾向にある。【図1 】
【図1】正社員の人手不足感(単一回答)
職種別の正社員の人手不足感
職種別の正社員不足感では、「不足している」の割合が最も高いのは「ITエンジニア」で52.5%、次いで「営業」43.2%、「医療・福祉」40.9%で、ITエンジニア職の不足感は特に強い。反対に、「余剰を感じる」の割合が最も高いのは「美容・ブライダル・ホテル・交通」で28.3%となった。
企業の人手不足感は、コロナ禍2年を経るなかで全体としては緩和傾向にあるが、企業規模や職種による過不足感には差が出ている。【図2】
【図2】<職種別>正社員の人手不足感(単一回答)
中途採用者と自社のマッチング満足度
- 2021年の中途採用者に満足とした人事担当者は6割超
- 満足感の理由は自社内の働き方や人事制度の見直しが影響
2020年・2021年ともに中途採用を行った企業のうち、60.4%が2021年の中途採用者に満足していると回答。
業種別では、「IT・通信・インターネット」「メーカー」「不動産・建設・設備・住宅関連」で「満足」という回答が多く、特に「IT・通信・インターネット」では「前年より満足」が18.3%となり、満足度が対前年比で最も向上している。【図3】
【図3】中途採用者と自社のマッチング満足度(単一回答)
自社とのマッチングに満足・不満の理由
「満足」と回答した理由を聞くと、「働き方改革を推進したから(テレワーク・副業・兼業の認可など)」が25.3%で最も高く、次いで「WEBでの面接回数を増やした」20.8%、「人事制度を見直した(福利厚生・評価制度など)」19.2%となった。
反対に、不満だった理由としては「求人など募集要項を甘くした」「面接選考の基準を甘くした」「書類選考の基準を甘くした」が、いずれも2割弱でTOP3に。【図4】
【図4】自社とのマッチングに満足・不満の理由(複数回答)
より自社に合った人を採用するためには、選考基準を緩和するのではなく、働き方改革や人事制度など社内制度の見直しをすることが、満足度の高い中途人材の採用につながることがわかった。
2022年の中途採用の見通し
- 2022年の企業の中途採用の見通しは、経験者・未経験者どちらかの採用に積極的が過去最高
- 若手~中堅の将来的に企業の中核を担えるような人材採用に積極的
2022年の中途採用の見通しは、「経験者・未経験者ともに積極的」という回答は減少傾向にあるが、「経験者採用は積極的だが、未経験者採用は消極的」は45.9%(前年比:7.9pt増)、「経験者採用は消極的だが、未経験者採用は積極的」が13.9%(前年比:7.2pt増)で、いずれも2018年以降で過去最高となった。特に経験者採用に関しては採用意欲が高いことがうかがえる。
また、「今後1年間に採用はしない」は経年で変化が少ないことからも、企業の中途採用意欲は衰えておらず、今後は、求めるスキルや採用目的を明確にした活動が積極的に行われていくものと思われる。【図5】
【図5】2022年の中途採用の見通し(単一回答)
中途採用の具体的な見通し
属性別では、「Z世代の人材」「ミレニアル世代の人材」で経験者採用、未経験者採用ともに積極的な傾向がみられる。2022年の中途採用は将来的に企業の中核を担えるような若手~中堅の人材を積極的に採用していくことが考えられる。【図6】
【図6】2022年の中途採用の具体的な見通し(単一回答)
調査概要
調査期間 | 2022年1月21日~1月24日 |
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調査方法 | インターネット調査 |
調査対象 | 従業員数3名以上の企業において、直近(2021年1~12月)に中途採用業務を担当し、 「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者 |
有効回答数 | 1,400件 |
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
※n=30以下は参考値としております。
レポート内目次
- 【2021年(コロナ禍)採用活動の実態】
- コロナを理由にした採用活動意欲の変化
- 勤務先における現在の正社員の過不足感
- 勤務先が中途採用を実施した理由
- 職種ごとの採用状況・採用までに掛かった期間
- <職種別>募集人数・採用人数
- <職種別>異業種・異職種・未経験者の採用人数
- 採用面接の実施方法
- 面接選考で選考通過が難しくなる要因
- 中途採用活動における応募から内定応諾までの平均日数・平均面接回数
- 中途採用の選考基準
- 募集開始当初に求めたスキル・経験、当初求めたスキル・経験の達成度
- 求めたスキル・経験全般を妥協し採用した理由
- 応募数~採用者数/面接設定率、内定率、採用率
- 面接無断キャンセル率/内定辞退率
- 採用者数~退職者数/リモートワーク社員採用利率、副業社員採用率、退職率
- <応募・面接・採用>各求職者の満足度
- 採用者の自社とのマッチングなど、前年と比較した自社評価
- 採用者の自社とのマッチング満足・不満の理由
- 2021年の中途採用の印象
- 今後2022年の中途採用の見通し etc
- 【2021年 利用した転職サービス・手法】
- 利用した採用手法
- <応募があった・面接した人がいた・内定を出した・採用に繋がった>採用手法
- メイン利用手法の前年比評価
- 人材紹介・求人広告・ダイレクトリクルーティング・求人検索エンジンなどの、予算と実績
- 求人費用の増減
- 求人広告費の増減
- 求人広告において広告費をかけた職種
- 今後行いたい会社PR・採用活動情報の発信手法
- 有料の求人サービスを利用するタイミング etc
- 【Appendix】
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