2020年卒大学生のライフスタイル調査
新卒学生向け就職サイト「マイナビ」の運営をはじめ、各種就職・転職情報サービスを行う株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役:中川信行)は、2020年卒の大学生・大学院生を対象に「大学生のライフスタイル調査」を実施いたしました。
スマートフォンの利用状況とアプリやSNSの利用傾向、インターネットでものを売ったこと、情報源、社会問題への関心、部活動やサークル活動、スポーツ観戦、楽しさ・ストレスを感じること、自宅住まい・一人暮らし、アルバイトの職種・勤務時間・収入・掛け持ち、自由に使えるお金、国内・海外・温泉地旅行経験、育児休業の取得や残業に対するイメージ、共働き・理想の夫婦像・育休取得希望、結婚年齢、子どもの数、就職活動への両親の関わり、インターンシップ、就職活動における武器、といった内容を網羅し、2020年卒の学生の特徴を詳細に調査しています。
※当調査は法政大学キャリアデザイン学部との共同調査です。
目次
- 調査詳細
- 実際に使っているアプリの種類
- 最もよく利用する・利用したい支払方法
- よく利用するSNS
- SNSでつながっている友人・知人の平均数
- インターネットで売ったことがあるか
- インターネットで売ったことがあるもの
- 情報源として最も信頼度が高いメディア
- 興味のある社会問題
- 観戦に行ったことがあるスポーツ
- 人生において優先度の高いもの
- 何に楽しさを感じるか
- 誰といるときに最も楽しさを感じるか
- 何にストレスを感じるか
- 定期的なアルバイトをしている割合
- アルバイトによる平均収入
- アルバイトで稼いだお金を何に使っているか
- 1ヶ月に自由に使える平均金額
- 国内旅行回数・海外旅行経験・一人旅経験
- 社会人の働き方
- 結婚後の仕事の考え方
- 共働きが望ましい理由
- 専業主婦志向
- 何歳までに結婚をしたいか
- 理想の夫婦像
- 子育ての考え方
- 子供は何人欲しいか
- 就職活動における最大の武器
- 就職活動を恋愛に例えると
- 欠けていると思うもの
- 調査概要
調査詳細
実際に使っているアプリの種類
2020年卒学生のスマートフォン保有率は99.4%(前年比0.6pt増)、1日平均の利用時間は190.7分(前年比16.3pt増)だった。スマートフォンを保有している学生に、アプリの種類を27挙げ、実際に使っているものをすべて選んでもらったところ、最も使っている割合が高かったのは、男子は「地図アプリ」、女子は「カメラアプリ」だった。「就職サイトのアプリ」は男子で2位、女子で3位にランクインした。
男女で比較すると、実際に使っている種類の数の平均は、男子10.3種類に対し、女子11.4種類で、女子の方が多くの種類のアプリを使っている。また、27種類のうち18種類で女子の割合が男子より高い。
男子の割合が5%以上高いのは、「ゲームアプリ」(男子 7位 68.9%、女子 9位 52.9%)と「ニュースアプリ」(男子 9位 48.0%、女子 14位 35.7%)だけだ。女子の割合が男子を最も大きく上回っているのは「写真加工・アルバム作成アプリ」(男子 15位 32.7%、女子 7位 63.7%)で、女子がスマートフォンで写真を撮るだけでなく、その写真を活用して楽しんでいる様子がうかがえる。
最もよく利用する・利用したい支払方法
- スマホ決済アプリを「最も利用したい」学生は9.9%
- 女子より男子のほうがやや希望者が多い
スマホ決済アプリの活用状況や利用希望を知るため、「現金」「カード(クレジット、プリペイドなど)」「スマホ決済アプリ」の中から、「最もよく利用する」支払方法と「最も利用したい」支払方法を選択してもらった。「最もよく利用する」割合は、「現金」約8割(78.9%)、「カード」約2割(19.5%)、「スマホ決済アプリ」は1.6%に過ぎなかった。
「最も利用したい」割合も「スマホ決済アプリ」は1割程度(9.9%)で、増える余地はありそうだが、まだまだ希望者は少ない。「アプリ」希望は男子の方が女子よりやや多い。また「カード」を最もよく利用する学生は「現金」を最もよく利用する学生よりも「アプリ」利用希望割合が高いが、それでも13.7%で、多くは「カード」の利用を続けたいと考えている。
よく利用するSNS
- Instagramの利用割合がさらに増加
- SNSでつながっている人数の平均は300人弱
「よく利用するSNS」について聞いたところ、「Instagram」をよく利用する学生の割合は前年よりさらに増加し、男子の半数弱、女子の7割強だった(男子 48.9%、前年比12.5pt増:女子 72.3%、前年比10.6pt増)。「Facebook」をよく利用する学生はさらに減り、男女とも2割を切った(男子 19.0%、前年比11.2pt減:女子 18.9%、前年比8.7pt減)。「Twitter」や「LINE」は前年と大きく変わらなかった。
流行語にもなった「TikTok」は、男子 5.2%、女子 3.9%で、男子の方が利用割合が高い。また、「Slack」は理系男子で7.6%(前年比3.0pt増)と他の分類より利用割合がかなり高い。これは、主に情報系の研究室で「Slack」をチームコミュニケーションツールとして活用しているケースがあるためだと考えられる。
SNSでつながっている友人・知人の平均数
SNSでつながっている友人/知人の数を聞いたところ、全体の平均は294.7人(前年比18.6pt増 / 増加率+6.3%)と、2年連続で増加した。文理男女別でみると、最も多いのは文系女子の316.0人(前年比24.5pt / 増加率+7.8%)で、前年比で最も増えたのは理系女子(280.6人、前年比39.8pt / 増加率+14.2%)だった。
インターネットで売ったことがあるか
- 男子の33.0%、女子の38.5%がインターネットでものを売ったことがあると回答
フリマアプリなどを使ってインターネットでものを売ったことがあるか聞いたところ、売ったことがあるのは男子学生の33.0%、女子学生の38.5%で、女子の方が割合が高かった。
インターネットで売ったことがあるもの
売ったことがある学生に売ったことがあるものを聞いたところ、男女とも1位は「衣類(男子 40.5%、女子 57.1%)」で、2位は「本・漫画等の読み物(男子 39.9%、女子 45.6%)」だった。それぞれを売ったことがある割合はいずれも女子の方が高い。女子がこれらを売ったことがある割合は他を引き離して高いため、女子にとってはこの2種類のものを売ることがフリマアプリ利用の主な目的だと考えられる。
その他上位に挙がっていたものでは、男子は「ゲーム関連(3位、35.2%)」「スポーツ用品(5位、14.5%)」の割合が高く、女子は「化粧品(4位、23.7%)」「アクセサリー(5位、19.8%)」の割合が高かった。
情報源として最も信頼度が高いメディア
- 「新聞」が7年連続で「最も信頼度が高いメディア」となるも、割合は過去最低
情報源として「最も利用しているメディア」について聞いたところ、圧倒的に割合が高いのは「インターネット(85.3%、前年比3.1pt増)」で、その割合は14年卒の調査開始以来最高だった。情報源として「最も信頼度が高いメディア」について聞いたところ、最も割合が高いのは7年連続で「新聞(33.6%、前年比3.2pt減)」だった。しかし、その割合は年々減少し、14年卒の調査開始以来最低だった。
一方、「インターネット(21.4%、前年比3.0pt増)」「テレビ(19.6%、前年比5.8pt増)」という回答はそれぞれ前年よりやや割合が増加し、「本(雑誌、書籍など)(23.9%、前年比5.5pt減)」の割合が減少した。「インターネット」の割合は調査開始の14年卒以降いったんは減少したが、ここ2年は増加に転じており、「インターネット」上の情報をそのまま信じてしまう傾向はやや高くなっていると言えそうだ。
興味のある社会問題
- 女子は「少子化・働く女性支援」に最も興味あり
- 「いじめ・教育問題」にも高い関心
18の社会問題の中から興味のあるものをすべて選択してもらったところ、選択した数は全体の平均で4.4だった。多くの学生が4つ~5つ程度の社会問題に興味を持っていることが分かる。これらの社会問題にまったく興味がないという回答は全体の4.6%と非常に少なかった。
文系男子で最も割合が高いのは「非正規社員・労働問題(35.9%、前年比3.4pt増)」で前年の7位から大きくランクアップした。この問題は他の分類の学生でも割合が増加し、それぞれトップ5にランクインしている(理系男子4位、文系女子・理系女子はともに5位)。2位は前年1位の「高齢化社会・介護問題(33.6%、前年比4.7pt減)」で、割合は下がったものの、他の分類でも依然トップ5に入っている(理系男子・理系女子2位、文系女子4位)。
理系男子の1位は4年連続で「地球温暖化(40.6%、前年比2.2pt増)」だった。理系女子でも3位に入っており(37.4%、前年比1.3pt増)、理系学生の割合が文系に比べてかなり高い。文系女子・理系女子の1位はともに4年連続で「少子化・働く女性支援(文系女子 59.0%、前年比5.7pt減:理系女子 59.0%、前年比2.2pt減)」だった。
今年初めて加えた選択肢の中では、「いじめ・教育問題(文系女子 36.6%:理系女子 29.4%)」が多く選択され、文系女子で2位、理系女子で4位にランクインした。
観戦に行ったことがあるスポーツ
- 野球観戦に行ったことがある学生は6割強で男女ともに最多。サッカー、バスケットボールが続く
36の選択肢から観戦に行ったことがあるスポーツをすべて選択してもらったところ、最も割合が高いのは「野球(60.3%)」だった。男女とも最も割合が高く(男子 65.7%:女子 53.4%)、2位の「サッカー(37.6%)」、3位の「バスケットボール(15.4%)」に大きな差をつけている。
上位に入ったスポーツで、男女差が大きいものを見ると、男子の割合が高いのは「陸上競技(男子4位 12.1%)」「ラグビー(男子6位 9.5%)」「卓球(男子10位 5.6%)」、女子の割合が高いのは「バレーボール(女子4位 13.6%)」「ダンス(女子6位 10.3%)」「バドミントン(女子11位 5.7%)」だった。
人生において優先度の高いもの
- 人生における優先度は男女とも「お金」の割合が年々増加。一方「仕事」の割合は減少傾向
人生において優先度の高いものを10の選択肢の中から2つ選んでもらったところ、男女とも「家族」の割合が最も高かった(男子 38.5%、前年比2.1pt減:女子 52.3%、前年比1.3pt増)。「お金」は男子で2位、女子で4位に入り、男女とも3年連続で割合が増加した(男子 26.6%、前年比3.6pt増:女子 22.5%、前年比1.8pt増)。
一方、「仕事」は男子で前年の2位から5位に下がり、女子は前年同様6位だったが、割合は男女とも前年より減少した(男子 22.6%、前年比6.5pt減:女子 16.2%、前年比2.2pt減)。就職活動前とは言え、「仕事」の優先度が低い学生が増えているのは、採用する企業の側から見れば懸念すべき問題だと言える。
何に楽しさを感じるか
- 「楽しさ」を感じるものは文理男女とも「会って話す」
今何に「楽しさ」を感じるかについて、34の選択肢からすべて選んでもらったところ、文理男女とも「会って話す」が最も多く選ばれた。男子より女子の方が割合が高く、文理とも6割弱の学生が選択している(文系女子 58.0%、理系女子 57.1%)。
各分類のトップ5を見たところ、共通してランクインしたのは「音楽鑑賞(理系男子3位、文系男子・文系女子・理系女子4位)」だった。男子の割合が高いのは「ゲーム」で、文理とも2位となったが(文系男子 30.7%、理系男子 37.3%)、女子では文理とも10位以下だった。
女子の割合が高いのは「SNS(Instagram、Twitterなど)を見る」や「食事」などだった。また、理系女子では3位に「睡眠(38.6%)」が入った。研究などで忙しく、寝るのだけが楽しみといった学生がかなりの数いるのだろうか。
誰といるときに最も楽しさを感じるか
誰と一緒にいるときに最も「楽しさ」を感じるかは、男女とも「友達と2・3人でいるとき」が最多で、ともに4割を超えた。2位も男女とも「彼氏彼女と一緒にいるとき」だった。「大勢の友達と一緒にいるとき」は男子の割合が高く、「家族と一緒にいるとき」は女子の割合が高かった。
何にストレスを感じるか
- 「ストレス」に感じるものは「就職活動」
今何に「ストレス」を感じるかについて、18の選択肢からすべて選んでもらったところ、文理男女とも「就職活動」が1位となり、本格的な活動開始を前に、すでに多くの学生の「ストレス」源となっていることが分かった。
「就職活動」にストレスを感じている割合は男子の5割弱、女子の6割前後となっている。各分類のトップ5を見ると、「勉強」「金銭問題」「ゼミ・研究活動」が共通した「ストレス」源であることが分かる。選択した「ストレス」の数の平均は、男子の2.6に対し、女子は3.2で、女子の方が比較的多くの「ストレス」源を抱えているようだ。
定期的なアルバイトをしている割合
- 1ヶ月のアルバイト収入平均は約4万円
- 定期的なアルバイトをしている割合は過去最高
定期的なアルバイトをしている割合は全体で78.4%(前年比2.8pt増)で、3年連続増加し14年卒の調査開始以来過去最高だった。
文理男女別でもすべて前年より増加し過去最高を更新したが、特に理系女子(77.2%、前年比5.6pt増)で前年からの増加割合が高い。アルバイト求人市場における人手不足の深刻化も、アルバイトをしている割合の増加の一因かもしれない。
アルバイトによる平均収入
アルバイトによる収入の1カ月平均(定期的なもの以外のアルバイトも含む)は約4万円(3万9,562円)だった。文理男女別で最も収入が多かったのは文系男子の4万5,061円で、文系の方が理系より収入が多い傾向があった。1週間に定期的なアルバイトをしている日数やアルバイトをしている時間でも文系が理系を上回っており、それが収入差につながっていると考えられる。
また、1ヶ月に5万円以上の収入がある学生が43.9%存在する一方、アルバイトによる収入がない(0円)という学生も15.1%いて、かなり差が開いている印象だ。なお、定期的なアルバイトをしている学生に絞ると、1カ月平均のアルバイト収入は4万7,593円だった。
アルバイトで稼いだお金を何に使っているか
- 1ヶ月に自由に使えるお金の平均は約3万5千円
- 約3人に1人は「5万円以上使える」
アルバイトで稼いだお金を何に使っているかを複数回答で聞いたところ、男子では「ふだんの食事(63.0%)」、女子では「ショッピング(67.2%)」が1位だった。「ふだんの食事」は男女で差がないが、「ショッピング」は男子より女子の割合がかなり高い。
男女差が大きいもので、男子の方が割合が高いのは「ゲーム(男子 19.3%、女子 6.6%)」くらいで、他の多くは女子の方が割合が高い。特に「旅行(男子 26.4%、女子 42.6%)」、「美容(エステ、ネイル、散髪等)(男子 11.9%、女子 40.3%)」では大きな差がついた。
1ヶ月に自由に使える平均金額
1ヶ月に自由に使えるお金の金額を聞いたところ、全体の平均は3万4,847円で前年よりやや減少した(前年比524円減)。理系より文系の方がやや多くなっているが、アルバイト収入ほどの差はついていない。自由に使えるお金が5万円以上の学生の割合は33.4%で、アルバイト収入が5万円以上の学生の割合(43.9%)より10pt以上低くなっている。
また、定期的なアルバイトをしている学生の自由に使えるお金の平均は3万7,235円で、定期的なアルバイトしていない学生の平均(2万5,728円)より1万円以上多かった。
国内旅行回数・海外旅行経験・一人旅経験
- 海外旅行に行ったことのある割合は37.3%
- もう一度行きたい温泉地の1位は箱根温泉
旅行経験について聞いたところ、大学1年生から現在までの国内旅行の回数は平均で6.0回で、前年より0.5pt減少した。女子(平均6.3回)の方が男子(平均5.5回)より回数が多く、理系(平均7.0回)の方が文系(平均5.4回)より多い。海外旅行の経験がある割合は全体で37.3%と前年より0.6pt減った。
女子(46.6%)の方が男子(29.9%)より割合がかなり高く、文系(38.6%)の方が理系(35.1%)より割合がやや高かった。一人旅の経験がある割合は全体で32.6%と前年より1.3pt減少し、男子(36.0%)の方が女子(28.2%)より割合が高く、理系(36.0%)の方が文系(30.6%)より割合が高かった。
もう一度行きたい温泉地を聞いたところ、最も選択割合が高かったのは「箱根温泉(神奈川県)」で、以下「草津温泉(群馬県)」「下呂温泉(岐阜県)」「城崎温泉(兵庫県)」「熱海温泉(静岡県)」の順だった。
学生の在住地区別で集計したところ、在住地に近い温泉を選択する傾向が強いことが分かった。関東、東海、関西の学生はそれぞれ1位・2位は地区内の温泉だが(1位・2位 関東=箱根・草津、東海=下呂・熱海、関西=城崎・有馬)、3位は隣の地区の温泉だった(関東=熱海、東海=箱根、関西=下呂)。一方、北海道と九州の学生は1位から3位まですべてそれぞれの地区内の温泉が入った(北海道 1位 登別、2位 定山渓、3位 洞爺湖)(九州 1位 別府、2位 由布院、3位 黒川)。
社会人の働き方
- 「育児休業を取得する」男性を「すごくかっこいい」と感じる女子は3年連続で増加
社会人の働き方における「残業」「育児休業」という側面において、それぞれ学生がどのように感じているのかを、「同性の社会人」「異性の社会人」それぞれについて調査した。
<働き方の例>
◇ 時間内に仕事を終え、積極的に子育てする
◇ 子育てに専念するため育児休業を取得する
◇ 毎晩遅くまで残業し、トップの成績を上げている
◇ 時間内に仕事を終え、一切残業しない
<選択肢>
「すごくかっこいい」「まあまあかっこいい」「どちらとも言えない」
「あまりかっこよくない」「かっこわるい」
※「すごくかっこいい」と回答した割合をグラフ化
残業に関する働き方の印象については、「毎晩遅くまで残業し、トップの成績を上げている」を「すごくかっこいい」と感じる割合はほぼ前年と変わらず、「時間内に仕事を終え、一切残業しない」を「すごくかっこいい」と感じる割合も大きな変化は見られなかったため、残業しない働き方の方がかなり印象が良い状況は変わらなかった。
育児に関する働き方の印象について聞いたところ、「時間内に仕事を終え、積極的に子育てする」男性を女子が「すごくかっこいい」と感じる割合は、3年連続で増加した。また「子育てに専念するため育児休業を取得する」を「すごくかっこいい」と感じる割合は、4通りの組み合わせすべてで3年連続増加した。
特に「子育てに専念するため育児休業を取得する」男性を女子が「すごくかっこいい」と感じる割合(56.8%)は、「子育てに専念するため育児休業を取得する」女性を女子が「すごくかっこいい」と感じる割合(57.0%)とほぼ同じとなり、女子から見た場合、男性女性で差がなくなった。
厚生労働省の調査によると、2017年度の男性の育児休業取得率は5.14%(前年比1.98pt増、平成29年度雇用均等基本調査)とわずかに増加している。
結婚後の仕事の考え方
- 女子が結婚後「共働きを望む」割合は初の7割超、専業主婦志向は男子でやや増加
結婚後の仕事に関しての考えを聞いたところ、「夫婦共働き」を希望する割合は、男子 49.5%(前年比0.8pt増)、女子 70.8%(前年比1.3pt増)で男女ともわずかに増加した。16年卒の調査開始以来、女子の共働き希望割合が7割を超えたのは初めてとなる。
共働きが望ましい理由
「共働きが望ましい」と考える理由では、男子の最多の「結婚相手が仕事を続けたいならその意思を尊重したいので」は2年連続で減少し(25.0%、前年比2.6pt減)、女子の最多の「仕事を続けることが生きがいになると思うから」もわずかに減少した(17.8%、前年比1.6pt減)。
その一方、男女とも「親が共働きだったので自分もそうしたいと思うから」の割合が増加しており、2世代にわたって共働きという家庭が増えているようだ。
専業主婦志向
男子の「主に自分の収入のみで生活するのが望ましい」と女子の「主に相手の収入のみで生活するのが望ましい」を専業主婦志向として定義すると、男子はわずかに増加し、女子はほぼ前年並みだった。男女差の経年変化を見ると、男子の「配偶者が専業主婦になることを希望する」割合が女子の「自らが専業主婦になることを希望する」割合より2割程度高い状態が5年間継続している。
また、男子が「主に自分の収入のみで生活するのが望ましい」を選んだ理由で最も高いのは、前年同様「結婚相手には苦労をかけたくない(楽をしてほしい)から」(35.6%、前年比3.0pt増)だった。女子の「主に相手の収入のみで生活するのが望ましい」を選んだ理由で最も高いのは前年同様「家事や子育てに専念したい」(47.8%、前年比3.4pt増)だった。
何歳までに結婚をしたいか
- 結婚したい年齢の平均は男子28.2歳、女子27.3歳
- 平均初婚年齢よりも早い結婚を希望
結婚を希望する人に、結婚をするなら何歳頃にしたいか聞いたところ、男子の平均は28.2歳、女子の平均は27.3歳だった。3年前からの推移は男子28.3歳→28.2歳→28.3歳→28.2歳、女子27.2歳→27.3歳→27.3歳→27.3歳でほとんど変わっていない。
厚生労働省の調査(2017年人口動態統計)によると、平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.4歳で、実情よりも平均で2、3年早く結婚したいと考えているようだ。年齢別での回答割合では、男子では「25歳」(17.7%、3.5pt増)、女子では「30歳」(17.5%、2.2pt増)の割合が増加した。
理想の夫婦像
- 理想の夫婦像は約4割が「親友みたいな関係」
- 約4人に1人が「いつまでも恋人同士」
理想の夫婦像に近いものを6つの選択肢から選んでもらったところ、男女とも「親友みたいな関係」という回答が最も多かった(男子 38.3%、女子 43.9%)。女子の方が男子よりやや割合が高い。次が「いつまでも恋人同士」で、こちらは男女とも約4人に1人とほぼ同じ割合だった(男子 26.5%、女子 26.4%)。
3番目に多かったのは男子は「子供たちの父親・母親としての関係(17.7%)」、女子は「お互いに仕事を持つ自立した関係(14.4%)」だった。また、「相手に尽くす」は男子の方が多かった(男子 4.2%、女子 1.0%)。
理想の夫婦像の違いが結婚後の働き方の希望に影響するか調べてみたところ、「お互いに仕事を持つ自立した関係」を理想とする人は男女とも「共働き」希望割合が非常に高かった。また女子の「親友みたいな関係」を理想とする人も比較的「共働き」希望の割合が高い。
理想の夫婦像の違いは結婚希望年齢にも影響している。「お互いに仕事を持つ自立した関係」を理想とする人は男女とも結婚希望年齢が平均より約1歳ほど高かった。逆に「いつまでも恋人同士」を理想とする人は、男女とも平均より約0.5歳ほど結婚希望年齢が低かった。
子育ての考え方
- 「育児休業をとって積極的に子育てしたい」男子の割合は4年連続増加で43.6%
子育てについての考えを聞いたところ、「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答した割合は、男子は43.6%(前年比4.9pt増)、女子は66.0%(前年比0.9pt増)で、特に男子で増加割合が高かった。経年の推移を見ると、男子の割合は16年卒以降4年連続で増加している。
「子育てに専念するため育児休業を取得する」男性の働き方に対する女子の評価が上がるにつれ、育児休業の取得を希望する男子が増えてきているようだ。男女差は22.4%で14年卒の調査開始以来最小値だった。
「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答した学生に対して理由を質問したところ、男女とも前年同様「子供が小さいうちはできるだけそばにいてあげたいから」という回答が最も多かった(男子 30.6%、前年比0.6pt増:女子 42.2%、前年比3.7pt減)。また特に男子で「育児期間中は育児に専念したいから」を選ぶ割合が増加している(25.6%、前年比5.2pt増)。
子供は何人欲しいか
子どもを持つことを考えていない人以外に、子供は何人欲しいか聞いたところ、2人という回答が男女とも非常に高い割合となった(男子 65.6%、女子 69.7%)。平均では男子2.30人、女子2.13人で、男子の方がやや多い。過去4年間の推移を見ると、男子は最小2.23人~最大2.30人、女子は最小2.10人~最大2.17人で、大きな変化はなかった。
厚生労働省の統計(人口動態統計)によると、2017年の調査で「一人の女性が一生の間に生む子どもの数(合計特殊出生率)」は1.43で、子供が欲しい人は統計上の数字より多くの数の子供を持つことを希望していることが分かる。
就職活動における最大の武器
- 文系女子の「就職活動における最大の武器」の1位は「コミュニケーション能力」、3位は「笑顔」
「就職活動におけるあなたの最大の武器だと思うもの」では、文系男子は「サークル活動・部活動の経験」(19.2%、前年比2.2pt減)の割合が5年連続で最も高く、文系女子は「コミュニケーション能力」(15.1%、前年比0.8pt増)の割合が最も高かった(前年は3位)。理系は男女とも「学校で学んだ専門知識」(理系男子 23.7%、前年比1.0pt増:理系女子 16.5%、前年比2.1pt減)の割合が最も高かった(理系男子では5年連続トップ、理系女子では3年連続トップ)。
文理男女のトップ5を見ると、共通してランクインしているのは「サークル活動・部活動の経験」「コミュニケーション能力」「忍耐力・粘り強さ」の3つだった。「コミュニケーション能力」が最大の武器だという学生の割合はすべての分類で増加した。一方、「忍耐力・粘り強さ」の割合は、理系男子を除いて減少した。女子では「笑顔」が文系で3位、理系で5位に入った(文系女子 12.4%、理系女子 10.3%)。
新たに選択肢に加えた「留学経験・海外経験」は最も割合が高い文系女子で2.3%だった。
就職活動を恋愛に例えると
- 就職活動を恋愛にたとえると「自分の理想に最も近いのは誰なのか冷静に分析する」
「あなたの就職活動を恋愛に例えるとどれに最も近いか」では、男女とも「自分の理想に最も近いのは誰なのか冷静に分析する」の割合が5年連続で最も高かった(男子 34.1%、前年比0.5pt減:女子 38.0%、前年比2.3pt増)。
2位は男女とも「最愛の人を振り向かせるため自分を磨く」だった(男子 22.1%、前年比0.4pt減:女子 18.7%、前年比1.0pt減)。男子の3位は「相手の気を引くため様々な作戦を試みる」(12.3%、前年比1.0pt増)、女子3位は「誰にも愛されないのではという恐怖感にさいなまれる」(10.1%、前年比2.0pt減)だった。
欠けていると思うもの
- 「あなたに欠けていると思うもの」、男子は「コミュニケーション能力」が最多
「あなたに欠けていると思うもの」では、女子は5年連続で「自分の長所をアピールする力」(45.0%、前年比1.4pt減)の割合が最も高かったのに対し、男子は前年2位の「コミュニケーション能力」(37.8%、前年比0.2pt減)が最も高い割合となった。
「コミュニケーション能力」が欠けている割合は女子でも2位と高い割合だった(37.0%、前年比0.8pt減)。最大の武器が「コミュニケーション能力」という学生も多いため、就職活動において差がつきやすい属性だと言えそうだ。
前年との比較では「社会人になるための心の準備」の割合が男女とも低くなり(男子 20.9%、前年比3.7pt減:女子 26.1%、前年比4.6pt減)、心の準備ができている学生がやや増えたようだ。一方、男子で「就活に対するやる気」が欠けている学生が増えた(23.3%、前年比3.0pt増)。
男女差が大きいのは、「自分の長所をアピールする力」(女子+7.8pt)、「ストレス体制」(女子 +6.4pt)、「社会人になるための心の準備」(女子 +5.2pt)で、いずれも女子の方が欠けている割合が高くなっている。欠けているものの数の平均は男子が2.5、女子が2.8で、女子の方がやや多かった。
あなたに欠けていると思うもの(複数回答)
調査概要
内容 | マイナビ 2020年卒大学生のライフスタイル調査 |
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調査期間 | 2018年11月26日~2018年12月24日まで |
調査対象 | 2020年卒業予定の全国大学3年生及び院1年生 |
調査方法 | Web上のアンケートフォームより入力 |
有効回答数 | 4,656名 |
詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください