マイナビ キャリアリサーチLab

公務員を就職先として「考えている」と回答した学生は4人に1人
25%を超えるのは2020年卒ぶり

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2025年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(1,386名)を対象に実施した、「2025年卒公務員イメージ調査」の結果を発表しました。

調査概要

内容

マイナビ 2025年卒大学生公務員イメージ調査

調査期間 2024年1月10日(水)~1月24日(水)
調査対象 マイナビ2025員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2025会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 1,386件

トピックス

  • 公務員を就職先として考えている学生はやや増加し、4人に1人に
  • 公務員を志望しなくなった理由として、公務員試験に関するものが減少
  • どようにすれば公務員になりたい気持ちが高まると思うか
    「堅苦しいイメージが払拭されれば」5.7pt減少
  • 民間との併願割合は78.7%、男女とも理系学生で併願割合が高い傾向
  • 公務員試験に関する新しい取り組みや制度によって、公務員を考えたがやめた学生の約4割、公務員をもともと考えていない学生の約2割の志望度が上がった

調査詳細

「公務員」を就職先の選択肢として考えたことがあるか

公務員を就職先として考えている学生はやや増加し、4人に1人に

公務員を「考えている」学生は対前年で微増し、25.2%となった。20年卒ぶりに25%を超え、約4人に1人が公務員を就職先として「考えている」状況である。「もともと考えていない」学生も微増となり、近年増加傾向であった「考えたがやめた」学生は減少した。【図1】

【図1】「公務員」を就職先の選択肢として考えたことがあるか/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

公務員を就職先として「考えている人」と「考えたがやめた人」ともに、「公務員になりたい理由」の1位は「安定している」、2位は「休日がしっかりとれる」となった。「考えている人」と「考えたがやめた人」で最も差が大きかった項目は「社会・市民のために働ける」で、「考えている人」では41.2%、「考えていない人」では18.7%と、その差は22.5ptだった。

両者の差が次に大きかったのは「社会的貢献度が高い」(差20.6pt)だった。公務員への志望を継続して「考えている人」と「考えたがやめた人」を分けたのは、社会や市民への貢献意欲であると推察される。【図2】

【図2】<公務員になりたい理由>「考えている人」と「考えたがやめた人」の比較 ※上位10項目のみ
/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

公務員を志望しなくなった理由

公務員を志望しなくなった理由として、公務員試験に関するものが減少

公務員になりたいと思ったがその後志望しなくなったのはなぜか聞くと、24年卒の理由2位であった「他の業界や仕事などに興味を持ったから 」が31.5% で1位となった。ただし回答率は昨年よりも8.1pt減少している。

昨年の理由1位だった「十分な試験対策ができないと思ったから」も24年卒の40.2%から25年卒では23.7%と、16.5pt減少した。その他にも「試験の難易度や倍率が高く、受からないと思ったから」が15.6pt減、「スケジュール上、民間企業への就活と両立できないと思ったから」が7.6pt減となっている。

特に公務員試験を理由としたもので回答率の減少幅が大きかった。 反対に回答率が大きく増加したのは「自分の理想としている仕事内容と違うことが分かったから」で、24年卒の10.9%から25年卒では19.0%と、8.1pt増加した。【図3】

【図3】公務員になりたいと思ったが、その後志望しなくなったのはなぜか(複数選択) ※上位10項目のみ/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

このような変化があった背景のひとつとして、学生の自己分析や業界・企業研究への取り組みがより活発になったことが挙げられるだろう。早期から理解が進んだことにより、他業界・仕事への興味や公務員試験のハードルなどの<早い段階で判断できる要因>が減少し、<判断に時間のかかる要因>が増加していると推測される。

どのようにすれば公務員になりたい気持ちが高まると思うか

「堅苦しいイメージが払拭されれば」5.7pt減少

就職先として公務員を「考えたがやめた」「もともと考えていない」学生に限定して、どのようにすれば公務員になりたい気持ちが高まると思うか聞いたところ、これまで最も回答の多かった「堅苦しいイメージが払拭されれば」が24年卒の38.1%から5.7pt減少し、25年卒は32.4%で3位となった。

上位回答は1位が「仕事内容について知る機会があれば」(36.0%)、2位が「公務員の待遇が改善されれば」(33.3%)という結果となった。「公務員の待遇が改善されれば」は22年卒では18.2%であったが、年々回答率が増加している。公務員に対する堅苦しいイメージが払拭されてきたというポジティブな面もある一方で、待遇についてのネガティブなイメージが強くなっているようだ。【図4】

【図4】どのようにすれば公務員になりたい気持ちが高まると思うか(複数選択)/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

民間との併願

民間との併願割合は78.7%、男女とも理系学生で併願割合が高い傾向

公務員を「考えている」学生に民間企業と併願するか聞いたところ、全体では78.7%が併願すると回答した。24年卒の86.4%から7.7pt減少し、単願の割合が増加していることになる。文理で比較すると、文系学生より理系学生の方が併願の割合が高い結果となった。【図5】

【図5】民間と併願するか/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

民間企業と併願する理由を聞いたところ、「公務員試験に落ちた場合の保険として」が最多で67.6%であった。文系学生と理系学生で差があったのは、「公務員は選択肢の1つでしかないから」「公務員より志望度の高い民間企業があるから」などで、いずれも男女ともに理系学生の回答が多い。【図6】

【図6】民間と併願する理由/2025年卒大学生公務員のイメージ調査

理系学生の方が民間との併願も多く、公務員以外の選択肢も幅広く検討する傾向があると言えるだろう。

公務員試験に関する自治体の新しい取り組みや制度

公務員試験に関する新しい取り組みや制度によって、公務員を考えたがやめた学生の約4割、公務員をもともと考えていない学生の約2割の志望度が上がった

公務員試験について、近年では新しい取り組みや制度を取り入れる自治体が増えている。時期や試験問題などの5つの項目について、知ったことで(知っていれば)志望度が上がったかどうかを聞いた。「考えたがやめた」学生では約4割、「もともと考えていない」学生では約2割が、志望度が上がったと回答した。【図7】

【図7】公務員試験に関する新しい取り組みや制度によって志望度が変わるか/2025年卒大学生公務員のイメージ調査


公務員志望者の裾野を広げるには、このような取り組みや制度を新しく導入したり、それを広く周知したりすることが選択肢として考えられるだろう。

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