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公務員を就職先として考えたことのある学生は前年に引き続き増加傾向だが、考えたがやめたとの回答も併せて増加

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(1,790名)を対象に実施した、「2024年卒公務員イメージ調査」の結果を発表しました

調査概要

内容 マイナビ 2024年卒大学生公務員イメージ調査
調査期間 2023年1月10日(火)~1月26日(木)
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 1,790件

公務員を就職先として考えたことのある学生は前年に続き増加傾向

「考えたがやめた」を合わせると、就職先として一度は公務員を考える割合は21年卒を境に徐々に増加傾向にある。しかし、同時に「考えたがやめた」割合も増加しており、特に直近3年はその傾向が続いている。【図1】

【図1】公務員を就職先の選択肢として考えたことがあるか/マイナビ「2024年卒公務員のイメージ調査」
【図1】「公務員」を就職先の選択肢として考えたことがあるか/2024年卒大学生公務員のイメージ調査

「公務員になりたい理由」で最多なのは「安定している」で、公務員を就職先として「考えている人」と「考えたがやめた人」ともに8割以上だった。一方、両者を比較し、最も差が大きかった項目は「社会的貢献度が高い」で、「考えている人」では51.0%、「考えていない人」では23.2%とその差は27.8ptだった。次いで、両者の差が大きかったのは「様々な業務経験がつめる」で、その差は14.7ptだった。これらの結果より、公務員を志望する人のうち、安定性や福利厚生だけでなく、社会貢献性や仕事内容への理解が進んでいると、公務員を就職先として具体的に考えることができると推察される結果となった。【図2】

【図2】公務員になりたい理由(公務員を考えている人と考えたがやめた人の比較)/マイナビ「2024年卒公務員のイメージ調査」
【図2】公務員になりたい理由(公務員を考えている人と考えたがやめた人の比較)/2024年卒大学生公務員のイメージ調査

「地方公務員」の志望割合が増加傾向

就職先として公務員を「考えている」学生に限定して志望している公務員の種類を複数選択で聞いたところ、「地方公務員(市区町村)」が最多で70.8%、次いで「地方公務員(都道府県庁)」が59.4%となっており、全体的に地方公務員の志望割合が増加する傾向が続いている。【図3】

SNSなどで「配属ガチャ」という言葉が聞かれるようになったが、仕事内容や勤務地など配属先に関して学生が自分の意思を反映させたいというニーズが高まっており、「応募時に『最初の勤務地』が限定されていると、応募意欲が高まると思うか」聞いたところ、「応募意欲がとても高まると思う(28.3%)」と「他の条件によるが、多少は応募意欲が高まると思う(51.4%)」を合わせると、79.7%の学生が「応募意欲が高まる」と回答していた。【図4】 こうした背景もあり、市区町村内や都道府県内などある程度、勤務地の範囲が限られている地方公務員へのニーズが高まっていると推測される。

【図4】引用元:マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)

【図3】志望している公務員(複数選択)/マイナビ「2024年卒公務員のイメージ調査」
【図3】志望している公務員(複数選択)/2024年卒大学生公務員のイメージ調査
【図4】応募時に「最初の勤務地」が限定されていると、応募意欲が高まると思うか/マイナビ「2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)」
【図4】応募時に「最初の勤務地」が限定されていると、応募意欲が高まると思うか/2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)

公務員の「仕事についての情報」が民間と比べて「少ない」と感じる学生が74.4%、公開の時期が「遅い」と感じる学生は58.7%

公務員の仕事についての情報について、「情報量」と「公開の時期」について民間企業と比べてどう感じるか聞いたところ、「情報量が少ない」との回答が74.4%【図5】、「公開の時期が遅い」との回答が58.7%となった【図6】。

先述したように公務員試験は合否がつくものであるため、学生の多くは不合格になった場合を想定して準備を行っている。そのなかで、公務員という仕事を民間企業と比較しながら検討していると考えられるため、情報の量や提供される時期に関して、やや不利になっていると考えられる結果となった。

公務員の仕事についての情報 民間との比較 【図5】情報量、【図6】公開の時期/マイナビ「2024年卒公務員のイメージ調査」
公務員の仕事についての情報 民間との比較 【図5】情報量、【図6】公開の時期/2024年卒大学生公務員のイメージ調査

公務員を志望するとしたら重視する項目は国家公務員・地方公務員では「安定性」が最多で6割超え。一方、教員、警察官、消防官、自衛官では「職場環境(勤務時間)」への注目度が高い

志望状況に関わらず、各公務員を希望するとしたら重視することを聞いたところ、国家公務員、地方公務員では「安定性」が最多となり、それぞれ6割を超えていた。また、「教員」「警察官」「消防官」「自衛官」では「職場環境(勤務時間)」が最多となっている。【表1】

項目別のイメージを聞くと、「安定性」については概ねどの公務員も「安定している」というイメージが高く、特に国家公務員、地方公務員でその割合が高い。【図7】 一方、「勤務時間」については、【表1】で重視するという割合の高かった教員、警察官、消防官、自衛官において「勤務時間が長そう」というイメージが強いことがわかる。【図8】

「重視する項目」という表現からポジティブな意味合いが強そうに感じられるが、必ずしもそうではなく、その職種において特徴的な項目となるため、重視していると解釈したほうがよさそうだ。

【表1】公務員をきぼうするとしたら、次の項目のうちどれを重視するか(複数回答)/マイナビ「2024年卒大学生公務員イメージ調査」
【表1】公務員をきぼうするとしたら、次の項目のうちどれを重視するか(複数回答)/2024年卒大学生公務員イメージ調査
【図7】「安定性(安定している~不安定)」のイメージ/マイナビ「2024年卒大学生公務員イメージ調査」
【図7】「安定性(安定している~不安定)」のイメージ/2024年卒大学生公務員イメージ調査
【図8】「勤務時間」のイメージ/マイナビ「2024年卒大学生公務員イメージ調査」
【図8】「勤務時間(勤務時間が長そう~短そう)」のイメージ/2024年卒大学生公務員のイメージ調査

学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数2907403384221,790

 

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