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アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)

人材不足を感じた企業は63.6%、人材確保のための施策は「給与増額」「スポットワーカーの受入」が増加
スポットワーカーを採用した割合は約4割で、業種別では[接客(ホテル・旅館)]が約5割を超える

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった会社役員・自営業含む20~69歳の会社員(有効回答数:1,741名)を対象に実施した「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」の結果を発表しました。本調査は直近1年間の採用実績や担当者の意識・ニーズ、具体的な施策を聴取し、業種別の特徴・傾向の違いを把握することを目的とし、今回で6回目の実施となります。

◆ 調査概要

内容 アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)
調査期間 2023年11月24日~12月1日
調査対象 直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業含む)
調査方法 インターネット調査
有効回答数 1,741名

◆ TOPICS

アルバイトの人材不足を感じた企業は63.6%(前年より1.7pt増)、業種別では[警備・交通誘導(セキュリティ等)][介護]で高く、コロナ禍前の不足感を上回る

アルバイトの人材不足を感じた企業は63.6%と前年より1.7pt増加した。業種別では[警備・交通誘導(セキュリティ等)]が83.3%(前年比:横ばい)で最も高く、次いで[介護]が75.6%(前年比:+6.7pt)となり、コロナ禍前である2019年の不足感を上回った。[警備・交通誘導(セキュリティ等)]は2020年から4年連続で最多となり、人材不足感が慢性的に高いことがうかがえる。
前年と比べると[販売・接客(その他小売・サービス)]が+10.9ptと最も増加し、次いで[建築・土木作業員(建設・土木・設備工事)]で+9.0ptとなった。販売・接客業は、インバウンド需要の増加によって、百貨店などの小売業で人材不足感が高まったとみられる。また、時間外規制が適用される2024年問題が迫る建設業では、慢性的な人材不足に加えて、2025年に開催される国際的な大規模イベントやリニア新幹線・高速道路といったインフラ整備工事などの需要が増加したことが影響していると考えられる。【図1】

【図1】アルバイト人材の不足感 ※上位抜粋

アルバイト人材の不足感/マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」

アルバイトの採用数が増えた企業は28.2%で過去最高。最も増えた業種は[接客(ホテル・旅館)]となり、観光・インバウンド需要への対応がうかがえる結果に

アルバイト採用数が前年より「増えた」企業は28.2%(前年比:+6.0pt)で、2020年の調査開始から過去最高となった。業種別では[接客(ホテル・旅館)]で40.0%(前年比:+7.3pt)と最も高く、次いで[販売・接客(パチンコ・カラオケ・ネットカフェ) ]で35.9%(前年比:+9.9pt)、[ホールキッチン・調理補助(飲食・フード)]で34.5%(前年比:+12.1pt)となった。宿泊業はコロナ禍で採用を縮小していたが、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症の位置づけが5類に移行されたことを受けて、観光やインバウンド需要が回復する中で採用数が増加したと考えられる。【図2】

【図2】2022年と比べた2023年のアルバイト採用数(単一回答)

2022年と比べた2023年のアルバイト採用数/マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」

人材確保のために実施した施策は「給与の増額」がトップ、前年より増加した施策は「給与の増額」「スポットワーカーの受入」。給与の増額や柔軟な働き方を実施する企業が増加

人材確保のために実施した施策は、「給与の増額(33.5%)」が2020年から連続で最も多く、次いで「主婦(主夫)層の積極採用(25.3%)」 、「シニア層(65歳以上)の積極採用(24.0%)」、「正社員(限定正社員含む)登用制度の導入(23.0%)」となった。前年と比べると、「給与の増額」で+4.8ptと最も増加し、次いで「スポットワーカーの受入」で+3.1ptとなった。【図3】主婦(主夫)やシニアに採用ターゲットを広げるとともに、多様なニーズに合わせて柔軟に働けるように正社員・限定正社員制度の導入やスポットワーカーの受入を実施する企業が増えたことがわかる。
※直接雇用で、空いている隙間時間、可能な仕事を単発等で担う労働者とする

【図3】人材確保のために実施した施策(複数回答)※上位抜粋

人材確保のために実施した施策(複数回答)※上位抜粋/マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」

スポットワーカーの採用割合は29.4%、採用数は前年から約4割増

スポットワーカーを採用した割合は37.3%で前年より7.9pt増加した。業種別では[接客(ホテル・旅館)]が56.5%と最も高く、前年と比較して+18.4ptと大きく増加した。次いで[軽作業(倉庫・物流)]で43.8%(前年比:+7.1pt)、[製造ライン・加工(メーカー)]で43.7%(前年比:+9.2pt)、[介護]で42.3%(前年比:+14.4pt)となった。【図4】早朝・夜間のシフトがある宿泊業や工場勤務、介護職などの仕事では、時間により人員に偏りがでてしまうため、数時間単位での勤務が可能であるスポットワーカーの採用を行う企業が多かったと考えられる。また、前年と比べ最も増加した「接客(ホテル・旅館)」では、コロナ禍で人員が減少したままで戻らず、労働力をコロナ禍前の水準に回復させることが難しくなっていることから、スポットワーカーの採用が進んでいるとみられる。

【図4】スポットワーカーの採用状況(単一回答)

スポットワーカーの採用状況/マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」

◆ INDEX

1,アルバイト採用活動実態
2,新しい採用手法の実施状況と雇用形態の変更
3,実施策と効果
4,今後のアルバイト採用意向
5,その他

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