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Z世代・働き方と仕事の価値観とは?【2022年最新調査で考察】

昨今、注目を集めている「Z世代」。この世代は従来とは違う価値観を持っていると言われているが、仕事や働き方についてはどのような価値観なのだろうか。今回は、マイナビの学生調査からZ世代に当たる学年のデータに注目し、(既に社会人になっている年代も含めて)この世代が就職活動生の時点で抱いていた働き方の理想や仕事の価値観について考察していく。
※Z世代は一般的に1996年から2010年ごろに誕生した若者を指すため、今回は19年卒以降の大学生調査を参照する

仕事の価値観:人生の中での位置づけは?

まずは働き方の前に、Z世代は就職活動生の時点で、将来どのような生活を送ることを理想としているのか、そしてその将来像の中で「仕事」はどのように位置づけられているのかを見ていく。

仕事の価値観:仕事の優先順位は比較的低い

『マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査』で聞いた、理想とする将来の自分像を見ると「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」「一生食べていける安定した仕事を持つ」「自分の好きな仕事を一生続ける」が上位3位までを占める結果が続いている。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代の理想とする「将来の自分像」
マイナビ『2023年卒大学生のライフスタイル調査
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会社内での出世や起業など社会的な地位や名声を得ることよりも、家庭を持つことや安定した暮らしを求めていることが分かる。

また、人生において優先度の高い要素を見てみると、調査当初は「家族」>「仕事」>「趣味」や「自分」の順番だった優先度が、23年卒にかけて変動している。全体傾向だと家族が最多なのは変わらないが、「仕事」が19卒以降減少しており、「自分」「趣味」が増加していることから、自分や自分の時間を大切にするという価値観をもっている様子がうかがえる。男女別の結果を見てみると、特に男子の「仕事」の減少幅が大きいことが分かる。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代の人生において優先度の高いもの
マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 【男女別】Z世代の人生において優先度の高いもの
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仕事の価値観:まとめ

Z世代にあたる学生の「理想の自分像」、「人生において優先度の高いもの」の調査結果を見ると、人生の中で優先したいのは「家族」であること、「安定した暮らしとそのための仕事を持つこと」を理想とする学生が多いことは変わらないが、人生を構成する様々な要素に順位付けした場合には、「仕事」よりも「趣味」や「友情」に重きを置く学生が増えてきている傾向にあることがわかった。

経済的に安定することの重要性をしっかり理解しており、「好きな仕事を一生続ける」ことを理想とする学生も多いが、優先度はあくまで「家族」や「自分」であり、仕事はその安定性を維持するための手段だと捉えているために、「仕事そのもの」の優先度は「自分」などに対して相対的に低くなっているのではないかと考えられる。

働き方(1):結婚後、どう働くか?

「家庭や自分を優先しつつ、安定した収入を得る暮らし」を理想としている学生が多いことが分かったが、次は、具体的にどのような家庭の在り方・働き方を考えている学生が多いのかについて見ていく。

共働きを希望する割合が男女ともに年々増加

結婚後の仕事に関して、「夫婦共働きが望ましい」と回答した学生の割合は、23年卒では男子が 59.9%で、調査開始以来最多となった。また、『2022年卒学生就職モニター調査8月の活動状況』で聞いた「結婚相手の結婚後の働き方の希望」を見ても、「結婚後、結婚相手に家庭に入ってほしい」という男子学生は最新調査で5.8%、「結婚後は自分が仕事を辞めて家庭に入りたい」という女子学生は4.5%で、男女ともに、結婚を機に女性が家庭に入ることを希望する学生は20~22年卒のどの調査でも非常に少数派となっている。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代の共働き希望者の推移
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マイナビ2022年卒 学生就職モニター調査 8月の活動状況 Z世代の結婚相手の結婚後の働き方の希望/自分の結婚後の働き方の希望
マイナビ『2022年卒 学生就職モニター調査 8月の活動状況
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共働きを希望する理由、「仕事が生きがいになると思う」は減少

「結婚後、夫婦共働きが望ましい」とした学生にその理由を聞いた結果を見ると、女子学生は「仕事を続けることが生きがいになると思うから」が最多であるものの、その割合はやや減少傾向にあり、23年卒調査では全体で見ると「それぞれ自分の仕事を持っていることが自然だと思うから」が最多となった。“生きがい”という仕事を続けること自体を重視するよりも、「それが自然だと思う」や何らかの理由で収入源を確保しておきたいと考えている場合が多いことが分かる。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代が共働きを希望する理由
マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 【男女別】Z世代が共働きを希望する理由
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結婚後の働き方:まとめ

Z世代の学生は男女ともに、結婚を機に女性が家庭に入ることを希望する学生は少なく、多くは共働きの家庭を想定していることが分かる。また、女子学生は「仕事が生きがいになると思う」という理由で共働きを希望している場合が多かったが、その割合は徐々に減ってきており、仕事を続けるために共働きするというよりは様々な理由で収入源を夫婦で確保しておきたいという考えの方が強いようである。

働き方(2):育児しながらどう働くか?

就職活動生に対して、希望するライフイベントを聞いた調査結果を見てみると、育児を希望する学生の割合は減少傾向にあるものの、依然として約半数の学生は育児を希望していることが分かる。次は、前述のように、共働き家庭を想定している学生が多いZ世代が、育児をしながらどのように働くことをイメージしているのかを見ていく。

女子は約7割・男子は約6割が育児休業取得を希望。男子は増加傾向

子育てに関する考え方を聞いてみると、「育児休業をとって積極的に子育てしたい」女子学生は、調査年によってばらつきはあるものの、7割程度で推移していることが多い。男子学生の割合は増加傾向にあり、23年卒調査では59.9%となった。男子学生の子育ての考え方を見ると、「育児休業は取らないが夫婦で子育てはしたい」という割合は減ってきていることから、男子学生が将来子育てに関わりたいと考えたときに、「育児休業を取って子供を育てる」という考えが一般的になりつつあると見られる。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 【男子学生限定】Z世代の子育てについての考え方
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育児休業を取りたい理由:「育児に専念したい」「当然の権利だと思う」が増加

「育児休業を取って子育てしたい」と回答した学生にその理由を聞いてみると、「育児期間中は育児に専念したい」「育児休業を取るのは当然の権利だと思う」という回答が増加傾向にあり、23年卒の調査結果では「子供が小さいうちはできるだけそばにいてあげたい」という回答も含めて概ね3割ずつという結果となっている。男子学生の回答を見ると「配偶者だけに子育てをまかせるのはよくないと思うから」よりも「育児に専念したい」「できるだけそばにいてあげたい」という回答の割合が上回っており、配偶者に育児をまかせることを前提としてそれを避けるというよりは自身が積極的に育児に関わりたい意識があるようにも見てとれる。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代が育児休業を取りたい理由
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育児休業を取らない理由:会社・同僚への気後れや職場復帰への不安

一方、「育児休業は取らないが夫婦で子育てはしたい」と回答した学生の理由を見てみると、「育児休業を取らなくても十分子育てに参加できると思う」が最多だが、「育児休業後の職場への復帰に不安がある(21.7%)」「育児休業の取得が出世に影響するのではないかと思う(14.2%)」「会社や同僚に迷惑がかかると思う(10.1%)」「会社や同僚の印象がよくないと思う(2.5%)」という、育児休業を取得する上での懸念事項を理由としている学生の割合を合計すると、48.5%となっている。

育児休業取得の必要がないと考えている学生が3割程度いるものの、それ以上に取得することに対して何らかの懸念があると感じている学生が多いことから、育児休業を取らないと回答している学生も、そのような懸念が必要ない環境であれば取得したいと考えている可能性もあるといえそうだ。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代が育児休業を取らない理由
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「育休を取る男性」に良い印象を持つ学生は増加傾向

育児休業を取る人に対する印象を聞いたところ、「子育てに専念するため育児休業を取得する男性」のことを「すごくかっこいい」と思う割合は男女ともに増加傾向にあり、特に男子学生は23年卒調査で半数を超える結果となった。

マイナビ2023年卒大学生のライフスタイル調査 Z世代の育児休業を取得する人に対する印象
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育児しながらの働き方:まとめ

育児を希望するZ世代の学生は、男女ともに育児休業に対して希望する割合多く、特に育児休業を取得したいと考えている男子学生は増加している。また、自身が育児休業の取得を希望しているかどうかに関わらず、育児休業を取得する男性に対して「かっこいい」と思う学生の割合は男女ともに半数以上となっており、育児休業について関心が高いことが分かる。

おわりに:Z世代の働き方・仕事観

今回は、19年卒以降のマイナビの学生調査を中心に、Z世代が就職活動生の時点でどのような働き方の理想や仕事観を持っているかを見てきた。
Z世代は「仕事に打ち込み、地位や名声を得るなど成功を収める」ということよりも、「自分の趣味なども大事にしながら、家族と安定して暮らしていく」ことを理想としている人が多いとみられる。また、家庭を持ったあとの働き方については、結婚後は「共働き」、子供を持った場合は「育休も活用しながら男女ともに協力して育児する」ことを希望しており、現在推進されている「男性の育休取得」に対しても前向きで良い印象を持っているようである。

「ワークライフバランス」という言葉が一般的になって久しいが、Z世代はこのバランスを考えるというより、最初からそのバランス感覚を持って社会にでる世代と言えるかもしれない。
あくまで就職活動中のアンケートでの調査結果であり、仕事を始める中で考えが変わることも大いに考えられるが、Z世代の若者たちはこのようなバランス感覚を持って就職活動を行い、入社してくる(既に入社している)ことを念頭に置いたコミュニケーションが必要になるといえそうだ。

研究員 沖本 麻佑

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