大学生のキャリア成長を促すアルバイトと企業のメリット
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:中川信行)は、4年生大学卒者もしくは大学院卒者のうち、社会人3年以内の正社員を対象に調査・分析した、『アルバイトを通じた大学生のキャリア成長と企業メリットに関する研究』を発表した。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、就職活動や新卒採用活動にさまざまな影響を及ぼしている。2022年卒のインターンシップについても、中止や延期、内容の変更やWEB対応などにより、インターンシップで期待される「社会人基礎力の向上」や「キャリア観の醸成」といった成長機会の損失が危惧されている。
一方、大学生にとって社会との貴重な接点であるアルバイトにおいて、就業率は8割を超え(※1)、就職活動時には自己PRとして最も話されるエピソードであることもわかった(※2)。大学生はアルバイトをする目的として、収入面以外に「社会経験を積む」ことを望んでいる(※3)。
※1:参照/独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」集計表4-1・4-2参照
※2:参照/マイナビ「学生就職モニター調査 8月の活動状況」
※3:参照/マイナビ「2020年大学生のアルバイト実態調査」
本研究レポートでは、インターンシップで期待される成長(「社会人基礎力の向上」「キャリア観醸成」)に寄与するアルバイト先の対応要素および、これによりもたらされるアルバイト企業のメリットとの相関性を明らかにする。
目次
大学生のアルバイト意識
大学生のアルバイト就業率は8割を超えている。大学生がアルバイトをする目的は、収入面以外では「社会経験を積むため」の回答が多い。
また、就職活動の自己PRでメインで使ったエピソードとして「アルバイト経験」とする割合は24.5%と最も高く、学生にとってアルバイトは社会との貴重な接点であることが窺える。
さらに、大学3年生のアルバイト就業者のうち、4人に1人以上が「アルバイト探しの際に就職活動を意識した」「就職活動を意識してアルバイトをしている」と回答。学生自身もアルバイトと就職活動のつながりを認識していることがわかる。
大学生の成長につながるアルバイトとは
本研究では、インターンシップで期待される「社会人基礎力の向上」と「キャリア観の醸成」という2つの観点から、それぞれの成長につながるアルバイトの特徴を考えた。
社会人基礎力の向上につながる要素
「社会人基礎力の向上」には「普段より少し背伸びした挑戦をする機会があったこと」「話を聞いてもらったり、相談にのってもらったりしたこと」「自分の長所・短所や適性、能力について振り返る機会があったこと」「仕事の重要度を理解していたこと」が有意に影響。
キャリア観の醸成につながる要素
「キャリア観醸成」には「普段より少し背伸びした挑戦をする機会があったこと」「話を聞いてもらったり、相談にのってもらったりしたこと」「仕事の重要度を理解していたこと」が有意に影響。
ポイントは「仕事重要度理解」「挑戦機会」「サポート」「振り返り機会」
インターンシップで期待される成長(社会人基礎力の向上・キャリア観の醸成)は、「仕事重要度理解」「挑戦機会」「サポート」「振り返り機会」の4つのポイントを押さえたアルバイト先で養うことが可能といえる。
学生の成長とアルバイト企業のメリットとの相関
大学生の成長(社会人基礎力の向上・キャリア観の醸成)と、アルバイト企業におけるメリットには正の相関が見られた。大学生にインターンシップで期待される成長をアルバイト先の企業が促すことで、その大学生がアルバイト先で能動的に働く効果(主体性)や、友人・知人にアルバイト先を紹介する(他者推奨意向)といったリファラル効果などが期待できる。
インターンシップで期待される成長(社会人基礎力の向上・キャリア観の醸成)は、「仕事重要度理解」「挑戦機会」「サポート」「振り返り機会」の4つのポイントを押さえたアルバイト先で養うことが可能といえる。また学生の成長(社会人基礎力の向上・キャリア観の醸成)はアルバイト先での主体性や他社推奨意向にもプラスの影響を与えることがわかった。
調査概要
内容 | アルバイトを通じた大学生のキャリア成長と企業メリットに関する研究 |
---|---|
調査期間 | 2020年3月12日~3月26日 |
調査対象 | 4年生大学卒もしくは大学院卒者のうち、社会人歴が3年以内の正社員 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,557名 |