【2025年最新】年代別の「転職率」と「転職理由」とは? 20代・30代・40代・50代それぞれ解説

朝比奈あかり
著者
キャリアリサーチLab研究員
AKARI ASAHINA

総務省の労働力調査では、2024年平均の転職者数は331万人と、前年に比べ3万人の増加(3年連続の増加)となっている。この結果から、転職はますます身近な存在となっていることがわかる。本コラムでは、マイナビキャリアリサーチラボが実施した調査をもとに、どのくらいの正社員が転職を行っているのか、年代別に年間推移をまとめていく。

「転職率」とは

公的機関の調査では

厚生労働省の「雇用動向調査」では、「転職入職率」が発表されており、転職入職率は、常用労働者数(※1)に対する転職入職者数(※2)の割合のことを指している。

また総務省の「労働力調査」では、転職者の人数が発表されており、転職者は「就業者のうち前職のあるもので、過去1年間に離職を経験した者」と定義されている。

※1 常用労働者:期間を定めずに雇われている者、1か月以上の期間を定めて雇われている者のいずれかに該当する労働者
※2 転職入職者:事業所が新たに採用した者のうち、入職前1年間に就業経験のある者

マイナビ調査での「転職率」算出方法

マイナビが実施した転職動向調査では、正社員に絞って「転職率」を算出している。具体的には、2020年度国勢調査の正規雇用者の性年代構成比に合わせたスクリーニング調査回収数での、直近1年間における正社員転職者の出現率から、正社員の転職者の構成比を算出している。

本コラムでは、転職動向調査で算出した「転職率」と、「転職理由」をまとめた。

正社員全体の傾向

転職率の推移

2024年の1年間における転職率は7.2%。過去最高数値の2022年から2年連続で減少している。

2020年は新型コロナウイルスの影響で転職が鈍化したが、「コロナで転職活動に積極的になった」人も存在し(※3)、翌年の2021年には新型コロナウイルス影響前と同水準の転職率に戻っている。
2022年はさらに転職率が高まっており、直近2年は減少しているものの新型コロナウイルスの影響前よりも高い水準で推移している。【図1】

【図1】正社員全体の転職率推移/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図1】正社員全体の転職率推移/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

転職者の年代比率を見ると、20代(33.5%)がもっとも多い。2021年以降、20代は減少傾向にあり、30~50代のミドル世代が転職した比率が高まっている。2024年は特に40代の比率が高まる結果となった。【図2】

【図2】転職者の年代比率推移/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図2】転職者の年代比率推移/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

(※3)

転職理由の推移

転職理由について、2020年・2021年では「仕事内容に不満があった」がもっとも多かった。2022年以降は「給与が低かった」がトップとなり、転職理由が変化していることがうかがえる。

2022年以降は物価高騰の影響が強くなり、給与待遇の良い企業を探している求職者が増加したと考えられる。2024年の転職理由もトップは「給与が低かった」となったが、企業で積極的に賃上げが実施されている影響もあってか「給与が低かった」は2年連続減少となった。

【図3】正社員全体の転職理由推移(複数回答・上位抜粋)/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図3】正社員全体の転職理由推移(複数回答・上位抜粋)/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

20代の転職率と転職理由

20代の転職率推移

2024年における20代の転職率は12.4%(前年-0.8pt)だった。全年代の中で転職者の出現率がもっとも多い。

2020年から2021年にかけて転職率の増加が顕著であることが特徴として挙げられ、新型コロナウイルスの影響下で転職活動をしている人が多かったのではないかと推察される。2021年以降は高水準を保っていたが、直近2年は減少する結果となった。【図4】

【図4】20代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図4】20代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
※2024年20代回答数:3900件

20代の転職理由(ランキング)

2024年に転職した20代の転職理由でもっとも多かったのは「給与が低かった」だった。次いで「職場の人間関係が悪かった」「仕事内容に不満があった」が続く。【図5】

【図5】20代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図5】20代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

全体と比べると「給与が低かった」がやや高い。初任給引き上げなど若年層の待遇改善を実施する企業は増加しているものの、物価高騰などを背景に賃金への意識が高い可能性がある。

30代の転職率と転職理由

30代の転職率推移

2024年における30代の転職率は8.4%だった。過去最高値となった2023年から1.4pt減少した。【図6】

【図6】30代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図6】30代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
※2024年30代回答数:4940件

30代の転職理由(ランキング)

2024年に転職した30代の転職理由でもっとも多かったのは「給与が低かった」だった。次いで「仕事内容に不満があった」「会社の将来性、安定性に不安があった」が続く。【図7】

【図7】30代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図7】30代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

30代は20代と同様に給与を理由に転職している割合が高かった。また全体と比べると30代は「会社の事業内容に不満があった」が高い傾向にあることから、会社の事業内容に将来性・安定性があるかどうかなど長期的な視点で転職を考えている可能性がある。

40代の転職率と転職理由

40代の転職率推移

2024年における40代の転職率は6.1%だった。転職率は2020年から緩やかに増加しており、2024年は過去最高値となった。【図8】

【図8】40代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図8】40代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
※2024年40代回答数:6060件

40代の転職理由(ランキング)

2024年に転職した40代の転職理由でもっとも多かったのは「仕事内容に不満があった」。次いで「給与が低かった」「会社の将来性、安定性に不安があった」が続く。【図9】

【図9】40代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図9】40代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

40代は「仕事内容に不満があった」が転職理由のトップとなった。「給与が低かった」も上位ではあったが、30代とは異なる傾向が見られた。全体と比べると「会社の将来性、安定性に不安があった」が高い傾向にあり、長期的な視点で仕事を変えたいと考えて転職した人が多かったのではないかと推察する。

50代の転職率と転職理由

50代の転職率推移

2024年における50代の転職率は3.5%だった。転職率は2020年から2021年にかけて増加しているが、新型コロナウイルス影響前の2019年の水準には達していない。2021年以降ほぼ同数値で推移している。【図10】

【図10】50代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図10】50代の転職率/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
※2024年50代回答数:5100件

50代の転職理由(ランキング)

2023年に転職した50代の転職理由でもっとも多かったのは「職場の人間関係が悪かった」だった。次いで「仕事内容に不満があった」「給与が低かった」が続く。【図9】

【図11】50代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成
【図11】50代の転職理由/転職動向調査2025年版(2024年実績)より作成

50代の転職理由トップの「職場の人間関係が悪かった」は全体と比べてやや高く、全体の転職理由トップだった「給与が低かった」の回答はやや低いことから、他の年代とは異なる理由で転職をしている人が多い可能性がある。

50代では、昇進昇格がある程度結果として見えており、待遇面よりも人間関係など職場の居心地に重きを置く人が多い可能性がある。また終身雇用制度を前提として働いてきた人が多い世代であるため、転職することへの意識の違いが出ているのではないかと推察する。

まとめ

転職率は新型コロナウイルスの影響前よりも高水準で推移しており、人材の流動化が進んでいると考えられる。特に30代・40代では新型コロナウイルスの影響前よりも転職率が高まっていることがわかった。転職がすべての問題を解決するわけではないが、労働者が自らの働く環境を選択できる時代になったことは、個々のキャリアにとって重要な意味を持つだろう。

転職理由として「給与の低さ」がもっとも多く挙げられる中で、20代においてこの傾向が特に強いことに注視する必要がある。賃上げをはじめとした物価高騰への対応は今後も重要視されるだろう。

また各年代によって転職理由には違いがあった。年齢に関わらず、自分の立ち位置を見直し、キャリアの再構築を考えることは、今後の働き方において重要なステップとなるだろう。この流れは、個人の成長だけでなく、社会全体の労働環境の改善にも寄与すると考えられる。

キャリアリサーチラボ研究員 朝比奈 あかり

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