派遣社員の意識・就労実態調査(2022年版)
- 今後も派遣社員として働きたいと考える人は45.1%で前年より減少
- 安定を求め、派遣社員の正社員就業意向が高まる
- 派遣社員を選ぶ理由は、自分の希望条件・保有スキルに合う正社員求人がないから等が前年比増
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、派遣社員として勤務する20〜59歳の男女を対象とした「派遣社員の意識・就労実態調査(2022年版)」を発表しました。なお、本調査は2019年から実施し、今回で4回目となります。
トピックス
- 今後も派遣社員として働きたいと考える人が前年より減少。賞与や雇用の安定を求め、正社員就業意向が高まる結果に。【図1、2】
- 派遣社員を選んだ理由は「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」が前年比+10.3ptで最も増加。【図3】
- 派遣3年ルール該当者の37.7%が無期雇用派遣社員に。一方で働き慣れた職場での雇用契約を満了する人も3割に迫る。【図4、5】
調査詳細
今後の派遣社員の就業意向
今後も派遣社員として働きたいと考える人が前年より減少。賞与や雇用の安定を求め、正社員就業意向が高まる結果に
今後の就業意向について、「派遣社員として働きたい」人の割合は45.1%(前年比-5.0pt)で前年より減少した。特に減少したのは「登録型の派遣社員(有期雇用契約)として働きたい」(15.4%)で前年比-5.7ptだった。
一方で、前年比で最も増加したのは、「正社員として働きたい」(29.9%)で前年比+5.8ptとなり、派遣社員の正社員就業意向の高まりがうかがえる。【図1】
【図1】今後の派遣社員の就業意向(単一回答)
今後は正社員として働きたい理由
今後正社員として働きたい理由では、「賞与(ボーナス)が欲しいから」が65.6%で最も高く、次いで「雇用が安定しているから」が58.2%、「賃金が高いから」が45.6%となった。【図2】
【図2】今後は正社員として働きたい理由TOP5
長引くコロナ禍と物価上昇により、賃金待遇の向上と雇用の安定を求め、派遣社員の正社員就業意向が高まっていると考えられる。
派遣社員を選んだ理由
派遣社員を選んだ理由は「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」が前年比+10.3ptで最も増加
派遣社員を選んだ理由は「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」が29.1%で最も高く、前年比も+10.3pで最も増加した。
次いで前年比で増加したのは、「家事・育児・介護など、正社員よりワークライフバランスを保てると思ったから」(10.6%)で前年比+4.9pt、「正社員を希望していたが、自分のスキル・経験で出来る正社員の仕事がなかったから」(16.9%)で前年比+3.7ptとなった。
一方で、前年比で最も減少したのは「働く日数・時間を自分で選べるから」(15.4%)で前年比-8.3pt、次いで「勤務地を選べるから」(16.9%)で前年比-8.2ptとなった。【図3】
【図3】派遣社員を選んだ理由(複数回答)
2021年は働く日数・時間、勤務地など働き方の自由度の高さから派遣社員が選ばれていたが、2022年は正社員就業を希望するも、自分の希望条件や保有スキルと、正社員募集要項とのギャップを埋める妥協点として派遣社員が選ばれている様子がうかがえる。
派遣3年ルール該当時の対応
派遣3年ルール該当者の37.7%が無期雇用派遣社員に。一方で働き慣れた職場での雇用契約を満了する人も3割に迫る
派遣3年ルール※該当時の対応について聞くと、「無期雇用派遣となり、同一の企業で派遣就業した」が37.7%で最も高く、次いで「雇用契約を満了し、別の仕事を探した」が28.7%となった。また「派遣先の正社員となり、同一の企業で就業した」は4.7%だった。
職種別にみると、無期雇用派遣が多いのは[機械・電気・IT・エンジニア][テレオペ・テレマーケティング]が4割超となった。一方で、契約を満了し別の仕事を探した人が多い職種は[販売][製造]でそれぞれ3割を超えた。【図4】
【図4】派遣3年ルール該当時の対応(単一回答)
派遣3年ルール該当時の対応-希望との相違
次に、該当時の対応は自分の希望通りであったかを聞くと、無期雇用派遣となった人の6割弱が「希望したものだった」と回答し、自ら望んで無期雇用派遣社員になる人が多かった。
一方で、契約を満了し別の仕事を探した人では、「希望したものだった」が35.6%、「希望したものではなかった」が36.6%と半々となった。派遣3年ルールをきっかけに、有期雇用契約から無期雇用契約になるなど、派遣社員の働き方やキャリアの選択肢は増えたが、正社員になったケースはごく僅かとなっている。【図5】
【図5】派遣3年ルール該当時の対応-希望との相違(単一回答)
派遣社員の正社員就業意向の高まりからも、今後は企業が長期就労した派遣社員を直接雇用することで、将来的な雇用の安定やキャリアの選択肢の拡大にも繋がっていくと考えられる。
調査概要
内容 | 派遣社員の意識・就労実態調査(2022年版) |
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調査期間 | 2022年7月8日(金)~2022年7月13日(水) |
調査対象 | ・現在派遣社員として対象職種※のいずれかで働く、男女20~59歳 ※対象職種:オフィスワーク・事務/販売/サービス/テレオペ・テレマーケティング/機械・電気・IT・エンジニア技術・開発・通信系/クリエイティブ系/医療・介護・福祉関連業務/製造/配送・輸送・物流 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,400件 |
レポート内目次
- 回答者のプロフィール
- 就労意識・実態
- 派遣元/派遣先選びの実態
- 派遣元/派遣先の定着につながるポイント
- 今後の就労意向
- 派遣社員以外の雇用形態との比較
- 派遣3年ルール/同一労働同一賃金について
詳しくは下のPDFデータをご覧ください