今後も派遣社員として働きたいと考えている人が、前年より増加。自由度の高い働き方が魅力

株式会社マイナビ（本社：東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員：中川信行）は、全国の現在派遣社員として対象職種^※のいずれかで働く、男女20～59歳（有効回答数：1,376名）を対象とした「派遣社員の意識・就労実態調査（2021年）」の結果を発表しました。
※オフィスワーク・事務／販売／サービス／テレオペ・テレマーケティング／機械・電気・IT技術・通信系／クリエイティブ系／医療・介護・福祉関連業務／製造／配送・輸送・物流

調査詳細

職種別の派遣契約形態の変化

2021年の常用雇用型派遣（無期雇用契約）は32.5%（前年比：+4.0pt）、紹介予定派遣契約は11.4%（前年比：+8.9pt）となった。現在の職種別でみると［機械・電気・IT技術・通信系］の常用雇用型派遣（無期雇用契約）が44.4%と最も高く、紹介予定派遣契約では、［販売］が20.7%で最も高かった。

同一労働同一賃金^※1の施行、無期転換ルール^※2の開始から8年経過したことにより、派遣契約の多様な選択肢が拡がっている。【図1】

【図1】「職種別」派遣契約形態の変化

※1：同一企業・団体における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの
※2：有期労働契約が更新されて通算5年を超えたとき、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できる

正社員と派遣社員での勤務・働き方の比較

派遣社員としての勤務・働き方と、正社員との違いを比較したところ、「飲み会の誘いなど断りやすく、人間関係で悩まない（正社員との差：49.5pt）」「急な休みや、残業なしなど、勤務時間の融通が利く（正社員との差：35.3pt）」「未経験の業種・職種に就きやすい（正社員との差：34.6pt）」が多く、違いとしてあがった。

派遣社員は雇用が安定しないなど、これまでデメリットが目立ってきたが、働き方の融通が利くことや人間関係のストレスが正社員と比べて緩和するなどのメリットも多くなってきた。また、コロナ禍以降の中途採用における経験者募集の増加、パート・アルバイトの求人数の減少などで未経験の仕事に就きやすいことも、派遣社員という雇用形態の魅力ともいえる。【図2】

【図2】正社員と派遣社員での勤務・働き方の比較

派遣社員の正社員化の機会とその判断

派遣社員として働く中で、派遣先や派遣元から正社員化の誘いを受けたことがあるのは28.9%。職種別では［医療・介護・福祉］で46.9%が最も高く、次いで［サービス］34.4%、［販売］31.4%となった。一方、断った割合は全体で76.5%、職種別でみると、［サービス］87.5%が最も高く、次いで［販売］84.1%、［医療・介護・福祉］81.7%となった。【図3】

【図3】正社員化の機会と、その判断

正社員化を断った理由

正社員化を断った理由は、「残業など、勤務時間や勤務日数の負荷が増えるから」が［販売］、［医療・介護・福祉］で4割を超えており、勤務日数や勤務時間の自由度を求め、自ら望んで派遣社員を選択している。【図4】

【図4】正社員化を断った理由

希望する雇用形態

今後も、派遣社員として働きたいとしたのは50.1%（前年比：+6.1pt）となり、半数以上が今後も継続して派遣社員の就業を希望している。

派遣契約形態別に、今後も派遣社員で働きたい理由をみると、登録型派遣（有期雇用契約）では、「勤務地を選べるから（33.8％）」「職場を変えやすいから（31.7％）」が高く、常用雇用型派遣（無期雇用契約）では、「雇用保険や社会保険に加入できるから（24.4％）」「責任が重くないから（21.3％）」などが高い結果となった。【図5】

【図5】今後、希望する雇用形態

派遣契約形態別の今後も派遣社員を希望する理由

有期雇用契約の派遣では、働く場所や、職場の変更や選択の自由度、無期雇用契約の派遣では、社会保険加入などの安定性を得ながら、責任は重くないという、社会保障と職責のバランスを重視した働き方ができることが、今後の継続意向に繋がっていると思われる。【図6】

【図6】「派遣契約形態別」今後も派遣社員を希望する理由（今後も派遣社員として働きたいとした人　n=691）

調査概要

レポート内目次

1. 回答者プロフィール
2. 就労実態
3. 派遣会社選びの実態
4. 就労意識
5. 派遣会社定着に繋がるポイント
6. 今後の就労意向
7. 派遣社員以外の雇用形態との比較
8. 無期転換ルールについて

詳しくはPDFデータをご覧ください