マイナビ キャリアリサーチLab

選択過剰な時代のキャリア形成「つむぐキャリア」を実現するために必要なことは?

東郷 こずえ
著者
キャリアリサーチLab主任研究員
KOZUE TOGO

はじめに

マイナビキャリアリサーチLabは、マイナビが掲げる「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスを実現するために、変化が激しく、未来が見えづらい社会において、働く人々がどのように自分自身のキャリアを築いていけばよいのか、そのヒントにしていただけるよう「2040 近未来への提言 つむぐ、キャリア 転機をどのように捉え、選択過剰の時代をどう生きるか 」を発表した。

テクノロジーの進化による産業構造の変化や働き方の多様化、また、少子高齢者社会の進行による労働人口の減少による人材不足など、現代の労働市場は急速に変化している。先述した「つむぐキャリア」のレポートが、現代のキャリア形成における課題や意識を変えることの重要性について考えるきっかけになることを願っているが、まだ概観だけしか伝えられていないという反省も残っていた。

その後、「つむぐキャリア」についての解像度をよりクリアにするために、経済学を始めとしたさまざまな学問領域の専門家対談 や、「つむぐキャリア」を実践している方々のインタビュー といった記事を追加してきた。

本コラムでは、前者の「専門家対談」で語られた内容からキーワードを抽出し、「つむぐキャリア」とは何なのかについて、さらに深堀を行い、見取り図を描いた内容について解説していく。

「つむぐキャリア」とは

これまでのキャリア観との違い

「つむぐキャリア」については、これまでのキャリア観の変遷から説明する。
(詳細については本レポート も参照いただきたい。)

かつての王道であった「組織内キャリア」では、「新卒で入社した会社で、昇進・昇格を目指し、定年まで働き続ける。」ことを良しとしてきた。しかし、高度経済成長期後の日本では、バブル崩壊による不況などもあり、右肩上がりの経済成長は望めない状況になっている。そのため、これまである一定の年齢になれば確保されてきた昇進・昇格の機会やポストを従業員全てに用意することが難しくなり、多くの企業で立ち行かなくなった。

そうなると、従業員はキャリア形成を会社任せにしておけなくなってくる。こうした危機感を背景に、提唱されたのが「キャリアは個人で切り開くものだ」という考え方をベースにした「キャリア自律」である。キャリア自律とは「めまぐるしく変化する環境の中で自らのキャリア構築と継続的学習に積極的に取り組む視点を重視した概念」であり、1990年代前半よりアメリカで提唱され、日本では1999年に花田が率いるキャリア・リソース・ラボラトリー(CRL)*が始めて導入した(岡田,2013 )。

考え方自体は以前からあったものだが、最近、終身雇用や年功序列に代表される日本型雇用の継続が困難になりつつあるなか、労働者が主体的にキャリア形成を行うことの重要性が改めて注目されている。
*慶應義塾大学SFC研究所が2001年に開設。現在は更新が終了している。

先述したレポートでは、この考え方自体を否定はしないものの、あまりにも「個人による決定」が強調されすぎており、自律的な決定に過度に依存している点について疑問を投げかけた。外部環境の変化が激しく、また、多様な価値観が尊重される社会では、個人が処理しきれないほどの選択肢が用意され、「選択すること自体に悩む人」が増えているのではないか、と考えている。そこで、提案したのが「つむぐキャリア」という考え方である。

どちらかではなく、どちらも選び「調和する」

キーワードとなる「つむぐ」は「調和する」と言い換えることができる。しかし、これまでのキャリア形成の考え方には、この「調和する」という考えがあまり見られなかった。

例えば、まず「仕事がある」ということを起点にして、職場への通いやすさを前提に住む場所を考えたり、仕事のしやすさを前提に働き方を考える傾向にあった。「仕事か家庭か」について、「何かを選び取る場合は、何かを捨てる」というスタンスで考えるために、「仕事と家庭はコンフリクト(葛藤)する」として人々の悩みの種とされてきた。

つまり、「どうしたいか」という目的がまずあり、その目的を達成するために合理的に「選択する」ことが求められてきたといえる。先述した「組織内キャリア」が一般的であった時代は、この目的が「勤めている会社で昇進する」

しかし、現在の社会では、働き方、住む場所、家族の在り方等、さまざまな選択肢が目の前に用意され、しかも、多様な価値観が尊重されるために「かくあるべき」といういわゆる“王道の成功例”はない。そうなると、これまでのような「目的」ありきで合理的に選択するという方略だけでは、キャリア形成が難しくなっていると言える。

そこで「何かを選び、何かを捨てる」ではなく、複数の選択肢を上手く調和させ、あたかも糸を撚り合わせてつむいでいくようなイメージでキャリアを形成する「つむぐキャリア」という考え方を提案した。

これまでに述べてきたことをまとめたのが以下の表である。

【表1】「選択するキャリア」と「つむぐキャリア」の比較/「2040近未来へ つむぐ、キャリア 」より
【表1】「選択するキャリア」と「つむぐキャリア」の比較/「2040近未来へ つむぐ、キャリア 」より

「つむぐキャリア」を構成するもの

「つむぐキャリア」について大まかには説明してきたが、ここからは、もう少し解像度をあげていきたい。

冒頭で述べたように、「つむぐキャリア」を構成するものを探るために、専門家の対談、「つむぐキャリア」を実践している方のインタビューを実施した。今回は、専門家の対談から抽出したキーワードをもとに作成した見取り図を紹介する。

専門家の対談から概念の見取り図を作成したプロセス

まず、経済学、脳神経科学、哲学、心理学、文化人類学など多岐にわたる領域の専門家に「つむぐ、キャリア」について語っていただき、その内容からキーワードを抽出した。なお、グループ作業については、本レポートの監修をしていただいた法政大学の梅崎教授とプロジェクトメンバーで行った。
対談内容の詳細については、こちら

このプロセスを踏むことで明らかになったのは、学問領域の異なる専門家の語りとして、異なる言葉が使われることがあっても、その根底にある概念には共通するイメージが存在している、という点だ。

詳細については後ほど述べるが、複数の学問領域から多角的に見ているようで、実際には多角的な視点で検討した際に最後に残るイメージが「つむぐ、キャリア」の構成要素を一般化する際に非常に重要だと感じた。

具体的なプロセスは以下のとおりである。

①対談内容を文字起こしし、それぞれの語りの中から「つむぐ、キャリア」の概念に関連するキーワードを語られた文章の形で抜き出し、リストにした。(個人作業)
② ①の中からカードとして抜き出す語りを選択した。(グループ作業)
③ ②で選択した語りをカードに書きだし、分類し、さらに名前を付けた。(グループ作業)

カードの分類を行っている様子。右手前が梅崎教授。
カードの分類を行っている様子。右手前が梅崎教授。

④ ③で名前を付けた概念同士の距離や関係を元に並び替えを行い、概念の見取り図を作成した。
(グループ作業)

概念の関係性を検討している様子。
概念の関係性を検討している様子。

「つむぐキャリア」を構成する概念の見取り図

このようにして得られた見取り図が以下の【図1】である。

【図1】「つむぐキャリア」の構成/マイナビプロジェクトメンバーと法政大学梅崎教授で作成
【図1】「つむぐキャリア」の構成/マイナビプロジェクトメンバーと法政大学梅崎教授で作成

【表1】で「つむぐキャリア」におけるキャリアの捉え方は「選択した出来事を前提に、全体性や文脈性を意識して意味づけ直す」と示した。これは言い換えると、「プロセス重視型のスキル形成」をしているといえる。つまり、唯一絶対の最適解がある、という前提に立つのではなく、過去から今に至るプロセスを踏まえて、未来の選択をしていく。そういう意味で、アイデンティティの形成は動態的なものであるといえる。

このプロセスを説明するうえで4つの重要な概念がある。それが「プロセス重視型のスキル形成」と「動態的キャリア・アイデンティティ」、そして、それらに影響を与えるのが「キャリアのアート(技)」である。以降は、それぞれについて説明をしていく。

プロセス重視型のスキル形成と身体感覚化

キャリアを形成する際、ずっと同じ状態(安心できる場、ホーム)に留まり続けるのは現実的には難しい。それは就職、転職、転勤といった仕事上の変化だけでなく、結婚、出産、介護といった私生活での変化も含まれる。しかも、その変化は必ずしもすべて予想できるわけではなく、意図しない転機として訪れることも多いだろう。

こうした転機はときにストレスを与え、人を不安定にさせるかもしれない。しかし、このように新しい場(試行錯誤を重ねる場、アウェイ)に行かなければならないときは必ず訪れるといっても過言ではない。

不安定な状態についてはネガティブな印象があるかもしれないが、脳神経科学の大黒先生は「揺らぎとは不安であり、言い換えると、わくわく感である」と表現した。そのように捉えれば、不安定な場をただ避け続けることが望ましいというわけではないとわかっていただけるのではないだろうか。むしろ、ホームとアウェイの境界線を適切にデザインすることが、キャリア形成においては非常に重要で、それそのものが「キャリアをデザインする」ことに他ならないのではないか、と梅崎先生はいう。

越境学習の研究をされている石山先生の言葉に「いずれホームになるアウェイをつくる」という表現があったが、ホームに留まり続けるだけでもなく、かといってアウェイに出たきりになるのでもない。最初は不安定さが残るアウェイな場であっても、そこがホームになるように行動するのだ。

その行動を【図1】内では「スキルの調和」と表現している。具体的には、

個人内スキル間の相互作用
人的ネットワークの開放性(出会い)と閉鎖性(仲間化)
余った暇から時間的休暇へ

を実践することだ。こうした経験で得られる学び・学習を通じて、自分のホームを広げ、キャリアの幅を広げていくというイメージとなるだろう。

「プロセス重視型のスキル形成」を実現するうえで重要になるのは、自分ひとりの頭のなかだけで考えるのではなく、環境に少し働きかけて反応を見て、次のアクションを決めるといった環境と自分のインタラクティブな関係を楽しむ感覚となる。これを我々は「身体感覚化」と呼んでいるが、文化人類学の比嘉先生の言葉を借りると「(効率性重視の)輸送ではなく散歩のように」周りの景色を楽しみながら前に進んでいく様子と捉えた。

その際、必ずしも完璧でなくてもよいとする「60%(適当)主義」であることも重要だ。完璧でないということの不確実性や適度な遊び感覚のなかにこそ、発見があり、新しい学びがあるのだ。

また、「対話と物語による結合力」も重要である。先ほど述べた「身体感覚化」にも近いが、人が自分の在り方を認識する際に自己内での内省はもちろん必要だが、それだけでなく、周りとの対話のなかで認識していくことも多い。公共哲学の小林先生の言葉を借りると「自分と異なる別の考え方に対峙しないと、自分の在り方を振り返ることは難しい」ということだ。

これらの「身体感覚化」「60%(適当)主義」「対話と物語による結合力」をまとめて「キャリアのアート(技)」と表現した。アートというと「芸術」というイメージが強いが、ここではいわゆるアート(芸術)作品ということではなく、「技芸」という意味で使っている。単なるスキル的な技というだけで生き方そのものを込めた、現実に存在するあり方のなかでそれを最善にするための方法だと捉えている。

動態的アイデンティティとキャリア感覚化

次に、このようにホームとアウェイを行ったり来たりするなかで、あわせて変化していくと考えられるのがアイデンティティである。【図1】内でも示したが、「つむぐキャリア」のなかではスキルの意味付けが変化していくプロセスで、共に変化することを示すために「動態的キャリア・アイデンティティ」と呼んでいる。

アイデンティティとは「自己同一性」と日本語に訳され、他者や社会との関わりのなかで認識していく自分らしさや、個人の内面的な要素(価値観、信念、経験など)を含む概念であり、当然ながら、動態的といっても、一足飛びに全く異なるものになる、ということは普通あり得ない。

小林先生の言葉を借りると「人は生きるうえで“負うもの”が必ずあり、このような自分を構成するものを認識したうえで、変化していく自分を捉えていく」といった「解(ほぐ)しながらつむぐ」というやり方でアイデンティティを構築していくと思われる。つまり、過去、今、そして未来という時間軸を捉えながらアイデンティティを確立していくということだろう。

また、この動態的キャリア・アイデンティティの変化において重要な捉え方がある。梅崎先生と並んで、「つむぐキャリア」をまとめるにあたってご尽力いただいた経済学の飯田先生の言葉 を借りると、「(キャリアは)可変性はあるが、動かすのは簡単ではない。操作性の悪いタンカー のようなもの」ということだ。

「2040 近未来への提言 つむぐキャリア」のなかで「静かなる分岐に気づき、5年前行動を」という表現を使っていたとおり、キャリアの方向性を変えることは可能だが、急には変えられない。この認識をしておくことの重要性が高まっていることは上記のレポート内でも記載しているが、理由としては、変化が激しく、価値観が多様化するなかで【図1】内でも示したとおり、外的要因の「選択過剰/複雑性」が高まったことに他ならない。

なお、便宜上、「プロセス重視型のスキル形成」と「動態的アイデンティティ」の2つに分けて説明したが、これらはいずれも「スキルの意味づけの変容」という意味で補完関係にある。また、「つむぐキャリア」が必要になった外的要因としての「選択過剰/複雑性」と、この過程を上手く機能させるために、ポジティブな影響を与えるのが「キャリアのアート(技)」である点は共通している。

「つむぐ」ことが困難な場合にどのような状態になるのか

ここまで「つむぐキャリア」を構成する概念についての説明と、「プロセス重視型の選択(つむぐキャリア)」を全体で上手く機能させるためには、それぞれの概念だけでなく、その関係性にも注目する必要があることを述べてきた。

かなり概念的な説明なのでイメージしづらい部分もあるかと思うので、ここで、上手く機能しなかった場合にどのようになるかを合わせて示したい。

先ほど述べた「つむぐキャリア」の対比として示すのが【図2】にある「選択するキャリア」である。

【図2】「選択するキャリア」の構成/マイナビプロジェクトメンバーと法政大学梅崎教授で作成
【図2】「選択するキャリア」の構成/マイナビプロジェクトメンバーと法政大学梅崎教授で作成

「プロセス重視型のスキル形成」と「ゴール先行型のスキル形成」

「つむぐキャリア」における「プロセス重視型のスキル形成」について、ホームを抜け出し、アウェイに出た際に、自分と環境のインタラクティブなやり取りで必要なスキルを形成したり、人的ネットワークを広げたり、ワークだけでなくライフも大事にすることで、自分をアウェイな環境と調和させ、ホームにしていく過程として説明した。

その対比として「選択するキャリア」の「ゴール先行型のスキル形成」はどういうことかというと、端的にいうとまず「事前の計算・計画」ありきでゴールを設定し、ひたすらそこに向かっていく、という動き方となる。そこには2つのゴールが想定され、もし、ホームに留まり続ける状態のみを目指す場合は、それは「所属組織への偏ったスキル偏在」につながり、「外に出るべき(アウェイ)」という状態のみを目指す場合は、「コアを失うスキルの拡散」へとつながってしまうだろう。

まずゴールを設定して、その達成に向けてひたすらに動くという考え方は、ビジネスの現場において、一見すると非常に合理的でポジティブに見えるかもしれない。しかし、変化が激しい社会においては、そもそも大前提となる「ゴールの設定」を行うことが困難だといえる。

「ゴール先行型のスキル形成」の過程に影響を与えるものとして、【図2】内で「キャリアの設計(デザイン)」を示した。「つむぐキャリア」における「キャリアのアート(技)」と対比させる形で、「最適計算の合理性」「100%(完璧)主義」「要素分解的な分析力」の3つをあげたが、これらが示すことは、事前にすべてのケースを網羅的に理解し、そのなかで最適解を見つけるような合理的なやり方、完璧主義である。

このように言葉だけで見ると、むしろビジネスの現場で「優秀」とされる人材像に思えるかもしれないが、実際にそのような状態を作り出すことはほぼ不可能である。昨今の技術革新により、AIを使えば、この「全パターン把握」は可能かもしれないが、この「キャリア形成」においては、不可逆な時間の流れが存在するため、未来までをすべて見通して把握することはかなり困難だろう。ましてや、人のスペックでは無理なのである。

このような設計(デザイン)への過度な指向性は、選択過剰/複雑性に対する不安がベースになるともいえよう。本来、絶対に予測不可能なものを予測しなければと思えば思うほど、予期的な不安だけが高まるのである。

「動態的アイデンティティ」と「静態的アイデンティティ」

次に、「アイデンティティ」の側面に注目する。「つむぐキャリア」におけるアイデンティティは、自分と環境の関係性で調整しながら変化していくものなので、「動態的キャリア・アイデンティティ」となる。一方で、「選択するキャリア」におけるアイデンティティは、まず、かくあるべきという姿がゴールに設定されているため、アイデンティティが固定化しやすい(静態的キャリア・アイデンティティ)といえる。

ゴール設定としてホームに執着すると、それは過剰適応につながり、アイデンティティへの固執につながる。たとえば、組織内キャリアとして会社員の事例を考えると、定年などを迎えて肩書きが無くなったときに、上手くその変化に対応することができず、「会社員」である自分に固執し、「会社員」でなくなった自分を必要以上に否定してしまうかもしれない。この状態は「今」「過去」への傾斜が強く、バランスが悪い状態といえる。

対して、ゴール設定としてアウェイに執着すると、今度は「どこかに自分にあう何かがあるかもしれない」と自分探しの旅を永遠に続けることになり、いつまでもアイデンティティが確立されない状態(アイデンティティの喪失)につながるかもしれない。この状態は「未来」への傾斜が強く、それはそれでバランスが悪い。

このように見ると、「ゴール先行型のスキル形成」には状況に応じた調整力が乏しい印象を受ける。「2040 近未来への提言 つむぐキャリア」のなかでも述べたが、かつて「王道のキャリア」があった時代であれば、こうした「ゴール先行型のスキル形成」の方が効率よく、上手く機能したのかもしれないが、変化が激しく、「選択過剰/複雑性」の高い社会においては、この調整力の乏しさはリスクになる可能性がある。キャリアパスの描き方、ワークとライフの関係など、さまざまな場面において、葛藤に直面することになるのではないだろうか。

さいごに

これまで、いくつかのコンテンツで、キャリアデザインの新しいコンセプトである「つむぐキャリア」を紹介してきたが、本コラムは「2040 近未来への提言 つむぐキャリア」のプロジェクトの総括として作成したものである。

マイナビが掲げる「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスに基づき、変化が激しく、未来が見えづらい社会のなかで、働く人々がどのように自分のキャリアを形成していけばよいのか、のヒントにしていただくために、このプロジェクトを開始した。

これまで、レポート「近未来2040 つむぐキャリア 」で「つむぐキャリア」というコンセプトが生まれた背景や概念の説明を行い、さらに、「つむぐキャリア」を実践している方々のインタビュー を通して、物語として感じていただいたり、専門家の対談を通して、概念的な理解を深めていただいたりしてきた。本コラムでは、「つむぐキャリア」の解像度をさらにあげるために見取り図を示してきたが、少しでもなんらかのヒントになっていれば幸いである。

しかしながら、読者の方が「よし、明日から実践しよう」と思うに至る状態にできるほど、しっかりお伝えするには、まだ必要な議論が残っていると感じている。そもそも、現在の社会において、これぞ正解といえるキャリア論を提示すること自体が難しい可能性もあるが、マイナビキャリアリサーチLabとしては、この「つむぐキャリア」というコンセプトを今後も大切にし、読者の方が自分の可能性と向き合い、キャリアを形成していく際にヒントにしていただけるようなメッセージを発信し続けていきたいと考えている。

「つむぐキャリア」プロジェクトメンバー
マイナビキャリアリサーチLab 主任研究員 東郷こずえ

梅崎修
登場人物
法政大学キャリアデザイン学部教授
OSAMU UMEZAKI

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