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データからみる副業のリアル~職種マトリクスで見てみよう~

キャリアリサーチLab編集部
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キャリアリサーチLab編集部

はじめに

現在、副業を認めている企業は49.6%、将来的に認める・拡充する予定の企業は計57.0%(2020年8月調査・副業・兼業に関するレポートより)となり、またこの流れは今後ますます大きくなる可能性がある。

検索サイトで「副業 おすすめ」を検索すると有象無象の情報が出てくるが、その中には副収入としての投資などを扱うものも多く、実際に「働く」副業がどういったものがあるのかが見えづらい。

副収入という意味では間違っていないのだが、今回は調査データの中から、もう少し具体的に副業とそれにかかる時間・得られるお金、などを見える化してみたい。

※今回の内容はライフキャリア実態調査(2020年実施)副業・兼業に関する回答のある中から全体n数439名にて構成している。サンプル・参考数となっているデータ(回答人数が5名未満の平均)には*n数として数値を記載した。
また、回答結果より「副業・兼業として働いている職」職種別に分析した。


まず最初に副業の職種を「接客・サービス系」「スペシャリスト系」「オフィスワーカー系」でカテゴライズしたところ、以下のような傾向が見られた。

接客・サービス系、スペシャリスト系、オフィスワーカー系の分類傾向/マイナビライフキャリア実態調査(2020年)データより算出
(図1)分類傾向
※基準点はライフキャリア実態調査(2020年)において全職種の平均から算出

「接客・サービス系」

最初に「接客・サービス系」の図を見てみよう。

接客・サービス系の分類傾向詳細/マイナビライフキャリア実態調査(2020年)データより算出
(図2)接客・サービス系

サービス系は家政婦(夫)・家事手伝い、がリアルな副業として存在感を示している。
家事代行がアプリなどで申し込める最近らしい傾向で、土日にできる副業として人気なのではないだろうか。

「スペシャリスト系」

次に「スペシャリスト系」の図を見てみよう。

スペシャリスト系の分類傾向詳細/マイナビライフキャリア実態調査(2020年)データより算出
(図3)スペシャリスト系

スペシャリスト系はいわゆるスキルがある人向けだが、一部の医療系スペシャリスト以外は全体として似た傾向となった。その中でも比較的イメージのしやすい「記者・編集者・ライター」などが平均に近く、副業的なライターなどについてはリアリティのある位置づけである。

「オフィスワーカー系」

最後に「オフィスワーカー系」の図を見てみよう。

オフィスワーカー系の分類傾向詳細/マイナビライフキャリア実態調査(2020年)データより算出
(図4)オフィスワーカー系

オフィスワーカー系はなかなか簡単に割のよい仕事はなく、時間と収入のバランスがそれなりに相対していることがうかがえる。
また、商品企画・マーケティングはオフィスワーカー系の中では報酬が高い部類となるが、時間も相応かかっていることがみて取れる。

副業・兼業「年収」ランキング

1. 医師・歯科医師*4 平均見込み年収 935万円

2. IT系・ネットワーク・通信設備設計・構築*2 平均見込み年収 265万円

3. 家政婦(夫)、家事手伝い 平均見込み年収 226.3万円

4. 看護師(准看護師を含む)・看護助手・助産師 平均見込み年収 183.8万円

5. 商品企画、開発、マーケティング 平均見込み年収 152.9万円

(上記は「副業のみで得られた年収のランキング」)

<むすび>

今回、少しでも副業のリアルが垣間見えるようにデータをまとめてみたが、今後職種も、働き方もより多様化することが考えられる。今後の調査でも継続してその変遷を追っていきたい。

キャリアリサーチLab副所長 赤松 淳子
※所属は執筆時点のものです。

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