2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査
- 子供の内定企業から「オヤカク」含めた連絡を受けることに7割の保護者は好意的な反応
- 入社式の案内を受けた保護者のうち4割が「入社式に参加予定」
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「大学4年/大学院2年以上で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中」の子供を持つ保護者1,000名を対象に「就職活動に対する意識調査」を行いました。
目次 [もっと見る]
トピックス
- 子供に入ってほしい就職先1位は「公務員」。「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」などがつづく
- 子供の内定企業から内定式・入社式への案内を受けた保護者のうち約4割は「参加した・参加予定」と回答
- 「103万円の壁引き上げ」については「物価が上がるもっと前から実施してほしかった」や「バイト三昧になるのもよくない」など保護者としても賛否
調査詳細
子供の就職先に求めるものと入社してほしいと思う企業・就職先
- 子供の入社する企業に求める特徴は「経営が安定している」が前年同様最多に。「給与や賞与がよい」も増加傾向
- 入ってほしい就職先は「公務員」が例年通り1位。「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」などがつづく
子供の入社する会社への希望
子供が入社する企業についてどのような特徴があると良いかを聞いたところ、もっとも回答が多かったのは前年度と同様「経営が安定している」(54.1%)で、前年より5.5pt増加した。そのほか「本人の希望や意志に沿っている」(20.6%)や「社風や雰囲気が良い」(16.5%)、「福利厚生が充実している」(16.4%) などが上位となった。「給与や賞与が高い」(14.4%)が前年より2.3pt増加し、増加幅としては「経営が安定している」に次いで2番目となるなど、経営状況の安定や待遇面の安心などを希望する保護者が多いことがわかる。【図1】

企業選択のポイント
なお「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」(2023年12月~2024年3月調査)によると、学生(子供)側が企業選択にあたって重視するポイントも「安定している会社」が1位であり、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社 」や「給料の良い会社」が上位となっている。【図2】

特に「安定している会社」と「給料の多い会社」を選ぶ学生は増加傾向にあり、保護者と子供の価値観で共通する部分が見られる。
子供に働いてほしい企業・就職先と学生の人気企業ランキング
保護者として、子供に働いてほしい就職先を1社だけ自由記述で記入してもらったところ、1位は今年も「公務員」となり、保護者の安定志向がうかがえる結果となった。企業としての1位は前年同様「トヨタ自動車」となり、「NTT」「伊藤忠商事」「ソニー」「全日本空輸」「グーグル」など、前年も上位10社に入った企業が今年もランクインした。外資系企業では、前年もランクインした「グーグル」の人気が根強い。【表1】

学生の人気企業上位10社と比較すると、「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」「ソニー」「パナソニック」「味の素」など学生と保護者で共通する企業もある一方で、文系1位の「ニトリ」や、「みずほフィナンシャルグループ」「三菱UFJ銀行」などのメガバンクなど保護者側ランキングには見られない企業もあり、親子間で人気企業に対するイメージが異なっている様子がうかがえる。
就職活動環境に対する認識
- 保護者が知っている「話題の就活ワード」では、「お祈り」「勤務地ガチャ・配属ガチャ」「オワハラ」などに続き「早期選考」も上位に
- 今の就職活動について問題だと感じることは「就職活動開始時期が早い」が増加傾向
就職活動で話題になる言葉のうち知っているもの
就職活動で話題になる言葉のうち知っているものを答えてもらったところ、もっとも多かったのは「お祈り」(22.1% )で、「勤務地ガチャ・配属ガチャ」(21.5% )、「オワハラ」(20.7%)などが続いた。今年から新たに選択肢として追加した「早期選考」も19.8%となり、高い認知度となった。【図3】

今の就職活動において問題だと感じること
今の就職活動について問題だと感じることについては「特に問題は感じない」が34.4%で最多であるが、次いで多いのは「就職活動開始時期が早い」(26.9%)となり、増加傾向になっている。【図4】

就職活動のスケジュールは、大学3年生の3月が企業の採用広報活動の開始、6月が企業の選考の開始、というものが正式だが、正式なスケジュールより早く採用選考を行う企業もあり、大学3年生の3月の時点で内々定を得ている学生も少なくない。そうした状況から就職活動の早期化が懸念されることもあるが、「早期選考」という言葉への認知度や「就職活動開始時期」への問題意識などからも、就職活動が始まるのが早いと感じている保護者が一定数いることがわかる。
子供の内定企業から受けた連絡(「オヤカク」、内定式・入社式への保護者出席の案内)
- 内定確認の連絡「オヤカク」を経験した保護者は45.2%
- 子供の内定企業から内定式・入社式への案内を受けた保護者のうち約4割は「参加した・参加予定」と回答
子供の内定企業から「内定確認の連絡」いわゆる「オヤカク」を受けたという回答は45.2%となった。【図5】

子供の内定企業の内定式に参加したか・入社式に参加予定か
そのほか企業から受けた連絡では「内定式・入社式への招待」が17.6%が次いで多く、うち子供の内定企業の内定式に「実際に参加した」という保護者は39.2%、入社式に「参加予定」という保護者は41.9%となった。【図6】

子供の内定企業から連絡を受けて感じたこと
企業からこうした案内や連絡を受けることについては7割以上の保護者が「良い印象を受けた」と答えており、理由として「誠実な会社の姿勢が伝わってきたから」「自分の子が評価してもらえたことが純粋に嬉しかったから」のような声があった。【図7・8】


企業から内定式や入社式の案内を受けることに保護者側も好印象を持っており、そうした心情から内定式や入社式への参加を決める保護者が多いということが考えられる。
「103万円の壁」に関して大学生の子を持つ保護者としての意見
- 「103万円の壁引き上げ」については「物価が上がるもっと前から実施してほしかった」「自分で生活費や学費を稼ぐ必要のある学生もいるので現状の上限は低すぎる」など賛成の声も
- 一方で「バイト三昧になるのもよくない」「学業が疎かになっては意味がない」といった意見も
パートやアルバイトによる給与収入が103万円を超えると所得税が生じる、いわゆる「103万の壁」について、政府による上限引き上げが決定した。大学生の子を持つ保護者としてこの「103万の壁」についてどのように感じるかを聞いたところ「もう少し早くこの制度を施行してほしかった。
値上げと一緒に変えるべき」「もっと引き上げて、子供自らが学費を捻出できるようにしてほしい」「自宅から離れて生活している学生の中には、自分でアルバイトをして生活費や学費を稼ぐ必要のある子供もいるのだから、現状の金額では低すぎると感じる」のように、引き上げに賛成の声が寄せられた。
特に「物価が上がるもっと前に実施してほしかった」「あらゆる物価が上昇する中で、ようやく世間の実情に合わせて壁が引き上がるのか…と政治の動きが遅すぎるように思った」「物価の上昇に伴っていない。一刻も早く上限を上げるか,撤廃して欲しい」のように、物価上昇の影響を踏まえた意見が見られた。
一方で「あまり引き上げバイト三昧になるのもよくない」「大学生は勉強が本分であり、まじめに勉強すれば、アルバイトしている時間などないはず」のように、学生の本分である学業への影響を懸念するものや、「アルバイトをしなくても、大学に通えるような制度作りの方が合理的である」「学生がそんなに働かなくてもいい対策を考えて欲しい。学業が疎かになっては意味がない」のように、そもそも学生が生活や学費捻出のためにアルバイトをしなければならない現状に対する意見も見られた。【表2】

物価上昇(物価高)と家庭での子供との関わり方への影響
- 物価の上昇によって「家族イベント(外食や旅行・レジャーなど)を減らした」という保護者が約2割
- 「子供の奨学金を申し込んだ」「子どもの仕送り(生活費用)・小遣いなどを減らした」などの回答も
物価の上昇によって受けた影響を聞いたところ、もっとも多かったのは「自宅の食費が上がった」(65.3%)で、次いで「自宅の水道光熱費が上がった」(60.8% )となった。3つ目に多かったのは「家族イベント(外食や旅行・レジャーなど)を減らした」 (19.4%)で、家計への負担が増えるという調節的な影響のみならず、家族同士の団らんにも影響が出ていることがわかる。【図9】

子供との関わりに関するものでは、回答としてはわずかだが「子どもの奨学金を申し込んだ」(4.6%)や、 「子どもの仕送り(生活費用)・小遣いなどを減らした」(1.3% )、逆に子供の支援するために「子どもの仕送り(生活費用)・小遣いなどを増やした」(1.8%)のようなものもあった。
調査概要
内容 | マイナビ 2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査 |
---|---|
調査期間 | 2024年12月20日~2024年12月24日 |
調査対象 |
株式会社クロス・マーケティングのモニターで、大学4年/大学院2年以上で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中の子供を持つ保護者を対象 |
調査方法 | Web上のアンケートフォームより入力 |
有効回答数 | 1,000名 |
レポート内トピックス
PDFデータ内の主なトピックを記載しています。
- 子どもの就職活動に「関心があった」は70.0%で前年より微減。
- 子供の就職活動に「不安になったことがある」保護者は56.9%。売り手市場を受け、就活環境に対する「厳しい環境」も減少傾向。一方で採用スケジュールに関する不安は増加。
- 保護者が知っている「話題の就活ワード」では、「お祈り」「勤務地ガチャ・配属ガチャ」「オワハラ」などに続き「早期選考」も上位に。
- 保護者が学生だったころの風潮は「転職まだ一般的でなかった」「長時間労働や休日出勤は当たり前」などが多数。一方で子供世代に感じる特徴では「1つの会社に勤めあげるというイメージが少ない 」や「長時間労働や休日出勤への抵抗感が強い」などのギャップも
- 子供の入社する企業に求める特徴は「経営が安定している」が前年同様最多に。「給料や賞与がよい」も増加傾向。入ってほしい企業は「公務員」「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」など。
- 子供の結婚後の働き方について「共働きする方がいい」という保護者が前年より微増し5割を超える。一方で男性の育休取得には父親・母親でギャップ。
- 「オヤカク」を経験した保護者は45.2%。子供の内定企業の内定式・入社式の案内を受け「実際に参加」の保護者は約4割。
- 子供の内定企業から連絡を受けたことで企業に「良い印象を受けた」という保護者が7割。「誠実な姿勢が伝わった」「子供が評価されてうれしい」「働く環境が整っていると知れた」などの声。
- 「103万円の壁引き上げ」については「物価が上がるもっと前から実施してほしかった」「自分で生活費や学費を稼ぐ必要のある学生もいるので現状の上限は低すぎる」など賛成の声がある一方「バイト三昧になるのもよくない」「学業が疎かになっては意味がない」などの声も。
- 物価の上昇によって「家族イベント(外食や旅行・レジャーなど)を減らした」という保護者が約2割。「子供の奨学金を申し込んだ」「子どもの仕送り(生活費用)・小遣いなどを減らした」などの回答も。
詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください
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