- 2026年度の最低賃金改定による仕事・私生活への影響、アルバイト就業者の約7割が「期待できない」【詳しくはこちら】
- 適正だと思う全国平均の引上げ目安額は「100円以上」が40.2%で最多【詳しくはこちら】
- アルバイト就業者の7割以上が「最低賃金の地域格差を感じる」。約半数が時給の高い近隣地域で働く「越境バイト」をしたいと回答【詳しくはこちら】
- 企業が適正だと思う全国平均の引上げ目安額は「30円未満」が最多。個人と企業の回答に差がみられる【詳しくはこちら】
- 企業の約8割が最低賃金改定を「負担」と回答。改定後の対応は「雇用人数を見直す」「時給額を見直す」などが上位【詳しくはこちら】
※本調査は、すべての地域別最低賃金の答申が確定する前の2026年9月1日に開始し、2026年度の最低賃金改定の目安額(全国加重平均:55円)をもとに聴取した。個人調査は、中央最低賃金審議会が定める最低賃金の区分(Aランク・Bランク・Cランク)別、エリア別で集計した。企業調査は業種別、従業員規模別で集計した。
【参考図】中央最低賃金審議会が定める最低賃金の区分 ※厚生労働省の資料をもとに作成
個人調査
2026年度の最低賃金改定への期待
- 2026年度の最低賃金改定による仕事・私生活への影響、就業者の約7割が「期待できない」
アルバイト就業者に、2026年度の最低賃賃金改定後の影響について項目ごとに聞いた。『自身が希望する時給額になること』は「期待できない・計」が69.5%、『私生活が豊かになること』は「期待できない・計」が74.9%、『仕事への意欲が高まること』は「期待できない・計」が71.8%となり、多くの人が改定による仕事・私生活への影響は限定的であると捉えていることがわかった。【図1,2,3】
【図1】2026年度の最低賃金改定への期待 【自身が希望する時給額になること】
【図2】2026年度の最低賃金改定への期待 【私生活が豊かになること】
【図3】2026年度の最低賃金改定への期待 【仕事への意欲が高まること】
2026年度最低賃金改定の引上げ目安額
- 適正だと思う全国平均の引上げ目安額は「100円以上」が40.2%で最多
また、2026年度の最低賃金改定について、適性だと思う全国平均額の引上げ額を聞いたところ、「100円以上」が40.2%で顕著に高く、「50円以上60円未満」が19.7%、「60円以上70円未満」が8.9%と続いた。2026年度の全国平均の目安額(55円)を上回る引上げを求めている傾向がうかがえた。【図4】
【図4】適正だと思う全国平均額の引上げ額
最低賃金の地域格差・越境バイト
- アルバイト就業者の7割以上が「最低賃金の地域格差を感じる」
- 約半数が時給の高い近隣地域で働く「越境バイト」をしたいと回答
アルバイト就業者のうち、最低賃金の地域格差を感じている割合は70.4%で、前年に続き7割を超えた。最低賃金は都道府県ごとにばらつきがあり、2026年9月時点で最大200円以上の差があるが、就業者の認識としても格差を感じている傾向がみられた。
ランク別では、最低賃金水準が低いほど地域格差を感じている割合が高かった。【図5】
【図5】最低賃金の地域格差を感じている割合
時給が高い近隣地域でアルバイトをしたいと感じたことがある割合は47.3%となり前年から2.7p増加した。また、時給が高い近隣地域に越境してアルバイトをした経験がある割合は19.1%で、前年から1.2pt増えた。
各都道府県で最低賃金の金額に差が生じている中、地域を越えて働こうとする「越境バイト」のニーズもうかがえる結果となった。【図6】
【図6】時給が高い近隣地域でアルバイトをしたいと感じたことがある割合
【図6】時給が高い近隣地域に越境してアルバイトをした経験がある
企業調査
2026年度最低賃金改定の引上げ目安額
- 企業が適正だと思う全国平均の引上げ目安額は「30円未満」が最多
- 個人と企業のニーズに差がみられる
アルバイトを雇用している企業の採用担当者に、2026年度の最低賃金改定について適正だと思う全国平均額の引上げ額を聞いたところ、「30円未満」が22.4%で最も多く、次いで「50円以上60円未満」が19.7%となった。
2026年度の全国平均の目安額(55円)を下回る引上げを求めている傾向がうかがえ、アルバイト就業者のニーズとの間にギャップがみられた。【図7】
【図7】適正だと思う全国平均額の引上げ額
2026年度の最低賃金改定後の影響
- 企業の約8割が最低賃金改定を「負担」と回答
- 改定後の対応は「雇用人数を見直す」「時給額を見直す」などが上位
アルバイトを雇用している企業の採用担当者に、2026年度の最低賃金改定による雇用への負担について聞いたところ、「大きな負担となる」21.8%、「やや負担となる」55.1%となり、負担となる・計は76.9%にのぼった。
多くの企業にとって最低賃金改定が負担となっている様子で、企業規模が小さいほど負担が大きい傾向がみられた。【図8】
【図8】2026年度の最低賃金改定による雇用への負担の予想
2026年度の最低賃金改定後、アルバイト雇用への対応としてどのようなことが予想されるか(複数回答)聞いたところ、「対応しない予定」が最も多かったが、「雇用人数を見直す(16.8%)」「時給額を見直す(16.8%)」「新規募集をおさえる(16.2%)」が上位となった。人件費の抑制へ雇用人数を制限する動きが出ることも今後考えられる。【図9】
【図9】2026年度の最低賃金改定後に行う予定の対応
調査者コメント
最低賃金を巡る二つの課題が見えてきました。
一つは、最低賃金の地域格差です。ここ数年はハイペースで最低賃金改定が行われ、地域間の金額差が縮まってはいるものの、その差は依然として大きく、就業者の認識としても格差を感じている人が多く存在している様子が見られました。「越境バイト」のニーズもうかがえ、より高い賃金水準を求めて近隣の市町村や都道府県外でアルバイトをするといった動きが出ていることも推察できます。
課題のもう一つは、最低賃金引上げの適正額に関する個人と企業のギャップです。個人の目線では、物価高騰で生活に必要な所得水準が高まる中、最低賃金改定による私生活や仕事意欲への効果は限定的であると捉えている傾向が見受けられます。一方、企業側では、毎年の大幅な最低賃金改定への疲弊感も漂い、特に企業規模が小さい中小企業で負担が大きいこともうかがえます。
2026年度の最低賃金改定は、過去最高となる66円の引上げとなった2025年度に比べて上昇の勢いが落ち着きました。今回の改定が、今回の調査で見えてきた最低賃金の地域差や個人と企業の認識差にどのように影響するのか注視していきたいです。
マイナビキャリアリサーチLab研究員 宮本 祥太
調査概要
| 内容 |
マイナビ 最低賃金に関する調査レポート(2026年) |
| 調査期間 |
【個人調査】2026年9月1日~9月4日
【企業調査】2026年9月1日~9月7日
|
| 調査対象 |
【個人調査】
全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、アルバイトで働いている人:2,741人
【企業調査】
アルバイトを雇用している企業の採用担当者:666人
(従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員のうち、
自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、アルバイトを雇用しているとした人)
|
| 調査方法 |
インターネット調査 |
| 補足 |
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります
|
詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください