『微経験人材』の転職・採用実態調査

宮本祥太
調査担当者
キャリアリサーチLab研究員
SHOUTA MIYAMOTO
  • 転職活動実施者の53.0%が「経験を活かしながら近い分野への転職」、いわゆる「微経験転職」を志向【詳しくはこちら】
  • 企業側の63.9%が微経験者を採用したことがある。採用した理由は「採用ターゲットの拡大」や「スキル要件の緩和」など【詳しくはこちら】
  • 採用した微経験者に対して7割が「満足」。理由は「未経験者より教育しやすい」「新しい業務や企業文化を吸収しやすい」など【詳しくはこちら】
  • 微経験者を採用するメリットは、「文化や社風になじみやすい」「人材の幅を広げられる」が上位【詳しくはこちら】

株式会社マイナビは、直近1年間で転職活動を行った正社員1,500名と企業の中途採用担当者1,600名を対象に実施した「『微経験人材』の転職・採用実態調査」を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。

※本リリースにおける「微経験」とは、募集条件を満たすほどの実務経験はないものの、応募職種や業務に関連する経験を有していることを指す

個人調査

微経験転職ニーズ

  • 転職活動実施者の53.0%が「経験を活かしながら近い分野への転職」、いわゆる「微経験転職」を志向

直近1年間に転職活動を行った人に、転職先で就きたかった仕事について聞くと、「実務経験・専門知識を一部活かしつつ、隣接する分野に広げる仕事(横展開型)」が53.0%で最多となった。次いで、「実務経験・専門知識をそのまま活かし、同じ分野で即戦力となれる仕事(踏襲型)」が36.5%、「実務経験・専門知識をほとんど活かさず、新しい分野に挑戦する仕事(挑戦型)」が10.5%だった。

そのうち転職に至った人に「実際に転職して就いた仕事」を聞くと、横展開型(42.8%)が最多となり、踏襲型(41.0%)、挑戦型(16.2%)と続いた。これまでの経験を応用しながら、近い分野に進むいわゆる「微経験転職」を通して、自己のキャリアを発展させようとする様子が浮かび上がってきた。【図1】

【図1】転職先で就きたかった仕事/実際に転職して就いた仕事
【図1】転職先で就きたかった仕事/実際に転職して就いた仕事

企業調査

微経験採用ニーズ

  • 企業側の63.9%が微経験者を採用したことがある
  • 採用した理由は「採用ターゲットの拡大」や「スキル要件の緩和」など

企業の中途採用担当者に「直近1年間で微経験者を採用をしたことがあるか」を聞いたところ、63.9%が「ある」と回答した。

理由は、「経験者採用と並行して微経験者も採用したかった(45.1%)」が最多で、「経験者の採用が難しかったため対象を広げた(27.3%)」が続いた。【図2】

【図2】微経験採用実施率/採用した背景
【図2】微経験採用実施率/採用した背景

また、「採用した微経験者の決め手」を聞くと、「コミュニケーション能力が高かった(37.9%)」が最多で、次いで「主体性があった(35.8%)」だった。

微経験人材の採用は、企業が即戦力となる経験者に限らず、採用の視野を広げている様子がうかがえる。また、採用の決め手としてコミュニケーション能力や主体性が挙がっていることから、人物面や仕事への姿勢も重視されている可能性が考えられる。【図3】

【図3】直近採用した微経験者の決め手
【図3】直近採用した微経験者の決め手

微経験採用満足度

  • 採用した微経験者に対して7割が「満足」
  • 理由は「未経験者より教育しやすい」「新しい業務や企業文化を吸収しやすい」など

直近採用した微経験者に満足しているかを聞いたところ、「満足している(「そう思う(27.6%)」+「ややそう思う(45.8%)」の合計)」は73.4%だった。【図4】

【図4】微経験採用満足度
【図4】微経験採用満足度

微経験者採用に満足している理由では、「未経験者より教育しやすい」「新しい業務や企業文化を吸収しやすい」といった声や、「既存チームに良い刺激を与える」「周囲のモチベーション向上につながる」など、育成面でのメリットや組織への好影響を評価する意見がみられた。

一方、不満の理由では、「期待していたスキルとのギャップがあった」「入社後の教育やOJTに想定以上の時間がかかった」といった意見が目立った。微経験者採用では、育成のしやすさや成長意欲の高さが評価される一方で、スキルレベルや業務遂行能力に対する認識のずれが課題となるケースもみられた。

そのため、採用後のミスマッチを防ぐためには、採用前に企業と求職者が保有スキルや期待役割について丁寧にすり合わせを行うことが重要だと考えられる。【図5】

【図5】微経験採用の満足・不満の理由
【図5】微経験採用の満足・不満の理由

微経験採用メリット

  • 微経験者を採用するメリットは「文化や社風になじみやすい」「人材の幅を広げられる」が上位

微経験者を採用したことがある中途採用担当者に、微経験採用のメリットを聞いたところ、「自社の企業文化や社風になじみやすい人材を採用できる(43.4%)」が最も多く、「採用対象となる人材の幅を広げられる(40.4%)」、「主体性のある人材を採用できる(40.4%)」と続いた。

企業は微経験者採用において、保有するスキルや経験だけでなく、企業文化への適応力や成長ポテンシャルも含めて評価している可能性が示唆された。【図6】

【図6】微経験採用のメリット
【図6】微経験採用のメリット

調査担当者コメント

今回の調査から、中途市場において企業・個人の双方で「微経験」のニーズが広がっている様子がうかがえました。

中途採用では、実務経験や専門スキルを重視した採用が中心である一方で、スキル要件の緩和や、ポテンシャルを重視して微経験者を採用する動きもみられました。また、企業は微経験者に対して、経験やスキルだけでなく、成長意欲や企業文化への適応力にも期待していることがうかがえます。

人手不足や採用難が続く中、微経験者は企業にとって採用対象を広げる有力な選択肢の一つになりつつあるといえるでしょう。企業はミスマッチを防ぐためにも、求職者に求めるスキルや役割を明確に示し、採用時の期待値を丁寧にすり合わせていくことが求められるのではないでしょうか。

マイナビキャリアリサーチLab研究員 朝比奈 あかり/宮本 祥太

調査概要

内容 マイナビ「『微経験人材』の転職・採用実態調査」
調査期間 2026年7月1日~ 2026年7月15日
調査対象

【個人調査】

正社員として働いている20代~50代の男女のうち、直近1年間(2025年7月~2026年6月)に転職活動をした人:1,500サンプル

①転職者:500サンプル

(直近1年の間に転職活動を行い、実際に転職した)

②転職活動者:1,000サンプル

(直近1年の間に転職活動を行ったが、転職はしていない)

【企業調査】

2026年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者:1,600サンプル

調査方法 外部パネルによるインターネット調査
有効回答数

<企業調査> 1,500件

<個人調査>  1,600件

※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある

朝比奈あかり
担当者
キャリアリサーチLab研究員
AKARI ASAHINA

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