2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

中島英里香
調査担当者
キャリアリサーチLab研究員
ERIKA NAKASHIMA
  • 奨学金を利用している学生は38.7%詳しくはこちら
  • 学生自身が全額返済する割合が増加詳しくはこちら
  • 奨学金の返済があることによって企業選択に影響があった学生は3割詳しくはこちら
  • 返済があることによる企業の注目ポイントについては「初任給の額(67.1%)」が最多詳しくはこちら
  • 具体的な奨学金の影響は「希望の初任給に満たない企業は選択外」詳しくはこちら

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:粟井俊介)は、2027年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施した、「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>」の結果を発表しました。

奨学金制度利用の割合と返済について

  • 奨学金を利用している学生は38.7%
  • 学生自身が全額返済する割合が増加

奨学金制度利用の割合

本調査では奨学金制度の利用状況について尋ねたところ、38.7%の学生が利用していると回答した。【図1】

【図1】奨学金制度の利用率 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【図1】奨学金制度の利用率 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

奨学金の返済について

返済者については、「自分で全額返済する」という回答が8割弱を占め、前年から比べて10.9pt増加した。一方、親・保護者が「全額または一部を返済する」という回答は25.2%で、前年から6.8pt減少している。【図2】

【図2】奨学金の返済について / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【図2】奨学金の返済について / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

物価高などの環境変化を背景に、奨学金の返済を自ら担う学生が増加している可能性がうかがえる。

奨学金返済の影響

  • 奨学金の返済があることによって企業選択に影響があった学生は3割
  • 返済があることによる企業の注目ポイントについては「初任給の額(67.1%)」が最多

企業選択への影響

奨学金の返済が企業選択に影響した(※1)と回答した学生は3割を占めた。【図3】

※1 影響はあった:「とても影響があった」と「多少は影響があった」の合計
    影響はなかった:「全く影響はなかった」と「あまり影響はなかった」の合計

【図3】奨学金の返済があることによる企業選択への影響 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【図3】奨学金の返済があることによる企業選択への影響 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

返済があることによる企業の注目ポイント

返済があることによる企業の注目ポイントについては「初任給の額(67.1%)」が最も多かった。また、「奨学金返済支援制度の有無(33.3%)」も上位にあがり、給与水準や返済支援制度の有無が重要な判断材料となっていることがうかがえる。【図4】

【図4】奨学金の返済があることによる企業の注目ポイント(2つ選択) / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【図4】奨学金の返済があることによる企業の注目ポイント(2つ選択) / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

しかし、図2より入社予定先の企業が奨学金返済を支援すると回答した学生の割合は限定的であり、多くの学生がこのような企業支援を受けられる状況ではないことがわかる。

また、企業調査(※2)によると「奨学金返済支援制度・代理返済制度」を導入している企業は15.4%と多くはなく、支援の広がりが望まれる。

※2 マイナビ2027 年卒企業新卒採用予定調査より

入社予定先を選ぶ決め手

奨学金の返済有無に関わらず、学生が入社予定先を選ぶ決め手としては「初任給」「希望する勤務地で働けること」「福利厚生の充実」が多くあげられた。【図5】

【図5】入社予定先の内々定を承諾した決め手(3つ選択) / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【図5】入社予定先の内々定を承諾した決め手(3つ選択) / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

具体的な奨学金の影響

  • 具体的な奨学金の影響は「希望の初任給に満たない企業は選択外」
  • 勤務地や住居地の選択にも影響

学生の回答からみる奨学金があることによる企業選択の影響

学生に奨学金返済による具体的な影響を尋ねたところ、給与・安定性・居住地に関する回答が多くみられた。【表1】

【表1】具体的な奨学金返済の影響 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>
【表1】具体的な奨学金返済の影響 / マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<奨学金について>

特に給与については、奨学金の返済額を含めた生活費から必要な収入額を試算した上で企業を選んでいるという回答が目立ち、返済負担が企業選択に影響している様子がうかがえる。また、希望の金額に初任給が達しない場合は、志望度が高い企業であっても応募や入社を断念するといった回答もみられた。

さらに、「実家から通える企業を探すようになった」といった声に代表されるように、返済負担を考慮した結果、居住地や勤務地の選択肢が限定されるケースもみられた。奨学金の返済は、学生の就職活動において給与面だけでなく、働く場所や将来の生活設計にも影響を及ぼしていることがうかがえる。

調査担当者コメント

奨学金を利用する学生の多くが、自ら返済を担うことを想定しており、その負担が企業選択にも影響を及ぼしていることが明らかになりました。特に初任給への関心が高く、返済額を踏まえて必要な収入水準を算出するなど、就職先を生活設計の観点から慎重に検討する姿がうかがえます。

一方で、奨学金返済支援制度への期待は高いものの、実際に支援を受けられる学生は限定的です。企業には給与や福利厚生だけでなく、若手社員の経済的な自立を支える仕組みの充実も求められているかもしれません。

マイナビキャリアリサーチLab研究員 中島英里香

調査概要

内容マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査7月<就職活動・進路決定>
調査期間2026年7月25日(土)~2026年7月31日(金) 
調査対象2027年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生
調査方法マイナビ2027会員(退会者含む)にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収
有効回答数1,239名

詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください

同一調査一覧

同カテゴリの調査一覧

最新調査更新日:2025.09.26

調査対象:
  • 企業
  • 個人
  • 学生
新卒採用 総括レポート

新卒採用について状況や見通しをまとめた総括
【主な項目】
新卒採用を取り巻く環境/広報活動開始前の活動状況/採用活動の予定と実際/内々定後のフォローと入社予定先の決定/今後の採用に向けて

最新調査更新日:2026.02.25

調査対象:
  • 企業
企業新卒採用予定調査

採用広報活動開始直前に行う採用予定の調査
【主な項目】
採用予定数(前年より増やす・減らす)/採用活動の見通し(前年より採用が厳しくなる・楽になる)/低学年向けキャリア形成支援活動の実施状況

最新調査更新日:2026.07.22

調査対象:
  • 企業
企業新卒採用活動調査

採用選考開始後に行う状況把握に関する調査
【主な項目】
応募状況の前年比較/個別企業セミナー参加者の選考参加率前年比較/内々定辞退率/内々定の辞退が最も多かった時期

最新調査更新日:2025.11.07

調査対象:
  • 企業
企業新卒内定状況調査

新卒採用の内定状況・次年度予定を聞いた調査
【主な項目】
採用充足率/内定者への満足度/今年度の採用スケジュールの振り返り/次年度の採用スケジュールの予定

最新調査更新日:2025.12.23

調査対象:
  • 企業
インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査

インターンシップをはじめとする学生へのキャリア形成支援活動に対する企業の取り組み状況を調査
【主な項目】
インターンシップその他の実施状況/大学1・2年生(低学年)向けキャリア形成支援活動の実施状況/小学校・中学校・高校でのキャリア教育の実施状況

最新調査更新日:2026.08.20

調査対象:
  • 学生
大学生キャリア意向調査<インターンシップ・キャリア形成活動>

就職活動準備・インターンシップ等のキャリア形成活動に関する調査
【主な項目】インターンシップ・仕事体験参加率/どのようなプログラムに参加したか/参加したインターンシップ・仕事体験先の業種

最新調査更新日:2026.08.26

調査対象:
  • 学生
大学生キャリア意向調査<就職活動・進路決定>

大学生の内々定状況や就職活動全般、進路決定に関する調査
【主な項目】
内々定率/内々定保有社数/就職活動継続率/月別の活動状況/エントリー・セミナー参加状況/内々定保有者の活動状況

最新調査更新日:2026.01.07

調査対象:
  • 学生
大学生低学年のキャリア意識調査

大学1、2年生のキャリア観や志向に関する調査
【主な項目】
キャリアの方向性/将来の不安/キャリア学習の効果/インターンシップ・仕事体験の経験

最新調査更新日:2026.03.31

調査対象:
  • 学生
大学生のライフスタイル調査

大学生のライフスタイルに関する調査
【主な項目】
アルバイト(仕事内容やアルバイト代平均額)/大学生活(キャリア教育履修状況や登校日数)/キャリア観(共働き希望や産休・育休取得希望)

調査対象:
  • 学生
高校生を対象にした調査

高校生を対象とした地元とキャリアに関する調査
【主な項目】
地元への愛着/地元就職を希望する理由/地元企業を知る機会/働くイメージ/地元進学したい理由/働くことへの不安

最新調査更新日:2026.04.20

調査対象:
  • 学生
大学生就職企業人気ランキング

大学生に聞いた就職先企業の人気ランキング
【主な項目】
文系総合・理系総合ランキング/文理男女別ランキング/理系系統別ランキング/業種別ランキング/地域別ランキング

最新調査更新日:2026.04.24

調査対象:
  • 学生
大学生就職意識調査

大学生の就職観を聞いた調査
【主な項目】
就職観(楽しく働きたい、収入さえあれば良い…等)/企業志向(大手か中小か)/企業選択のポイント/行きたくない会社/海外志向

最新調査更新日:2026.05.15

調査対象:
  • 学生
Uターン・地元就職に関する調査

大学生に地元就職(Uターン就職含む)に対する考えを聞いた調査
【主な項目】
地元意識の違い/活動時期/交通手段/親・親族の影響/どうすれば地元で就職したいと思うか/地元以外の地域での就職

最新調査更新日:2026.05.19

調査対象:
  • 学生
大学生業界イメージ調査

大学生に業界イメージを聞いた調査
【主な項目】
インターンシップに参加したことのある業界/就職先として検討したことのある業界/志望業界の変化/各業界のプラスイメージ・マイナスイメージ

最新調査更新日:2026.02.13

調査対象:
  • 学生
大学生公務員のイメージ調査

大学生に公務員に対するイメージを聞いた調査
【主な項目】
公務員を志望する割合(国家公務員、地方公務員(都道府県、市区町村)、教員、警察官、消防官、自衛官)/試験対策/どうすれば公務員を志望するか

最新調査更新日:2024.11.26

調査対象:
  • 個人
既卒者の就職活動に関する調査

既卒者に就職活動について聞いた調査
【主な項目】
在学中の就職活動およびインターンシップ等の参加状況/在学中・卒業後での活動の変化/既卒者としての活動への悩み・苦労/内定状況

最新調査更新日:2025.10.03

調査対象:
  • その他
キャリア・就職支援への取り組み調査

大学におけるキャリア支援の実態に関する調査
【主な項目】
キャリア・就職ガイダンス/低学年次からのキャリア教育やインターンシップ等について/採用広報を目的とした学内企業説明会

最新調査更新日:2026.02.12

調査対象:
  • 個人
  • その他
就職活動に対する保護者の意識調査

就活生を子にもつ保護者に対する意識調査
【主な項目】
子供の就職活動への関心度/子供の行った支援・サポート/入社してほしい会社の特徴・業種・企業名/子供の内定企業から受けた連絡

最新調査更新日:2026.07.31

調査対象:
  • 学生
内定者意識調査

内定を保有している学生を対象に実施した意識調査
【主な項目】
内々定保有社数/入社意欲の高まるPR/インターンシップ・仕事体験の影響

最新調査更新日:2025.12.11

調査対象:
  • 個人
入社半年後調査

学生就職モニターのその後(卒業・入社半年後)を調査
【主な項目】
入社先への就活時満足度と現在の満足度/勤務先のインターンシップ参加状況/入社前後のギャップ/転職意向/新入社員生活を表す漢字一文字

最新調査更新日:2025.02.20

調査対象:
  • 学生
インターンシップ・就職活動準備実態調査

就職活動準備・インターンシップ等のキャリア形成活動に関する調査
【主な項目】
インターンシップ・仕事体験参加率/どのようなプログラムに参加したか/参加したインターンシップ・仕事体験先の業種

最新調査更新日:2024.10.22

調査対象:
  • 学生
大学生活動実態調査

大学生の内々定状況を聞いた調査
【主な項目】
内定率/今後の活動方法/生成AI/内定式参加状況/収入と生活

最新調査更新日:2024.09.27

調査対象:
  • 学生
学生就職モニター調査

大学生モニターに就職活動の状況について聞いた調査
【主な項目】
月別の活動状況/エントリー・セミナー参加状況/理系の活動/就活費用/内々定保有者の活動状況/就活用語/就職活動を表す漢字一文字