- 初任給を引き上げた企業は89.1%で3年連続の増加。企業規模に関わらず積極的な引き上げ。平均支給額は23.8万円【詳しくはこちら】
- 就職活動における学生の生成AIの活用について8割以上の企業が肯定的。一方で「面接での質問内容を工夫する」など対応を講じる企業も増加【詳しくはこちら】
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:粟井俊介)は、「マイナビ2027年卒 企業新卒採用活動調査」を発表しました。
インターンシップ・仕事体験の実施率
- インターンシップ・仕事体験実施率は61.0%で高水準を維持
- インターンシップ・仕事体験の問題点は「母集団不足」が最多
- 中小企業では「企業認知」や「社内の協力体制」、大企業では「プログラム内容の充実」が課題感
インターンシップ・仕事体験の実施率は61.0%。前年より0.9pt減少したものの、引き続き高い水準で推移している。【図1】
【図1】インターンシップ・仕事体験実施率/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
インターンシップ・仕事体験における問題点
インターンシップの問題点は前年同様に「母集団(エントリー数)の不足」がもっとも多く62.8%で、「マンパワー不足」(33.3%)、「企業の知名度が無い」(28.2%)などが続く。学生の参加率も8割超の高水準で推移し引き続き活発な参加状況となっているため、依然として母集団不足が継続していると考えられる。
従業員規模別に見ると「母集団の不足」「マンパワー不足」は従業員規模にかかわらず高くなっているが、「企業の知名度が低い」「協力社員の確保が難しい」などは従業員数の小さい企業ほど高く、「プログラム内容の充実度」は従業員数の大きい企業の方が高くなっている。【図2】
【図2】インターンシップ・仕事体験における問題点/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
6月時点での採用充足率
6月時点の採用充足率(=採用予定数に対して現在採用が確定している割合)を聞いたところ、採用予定数の半数以上採用が確定している割合は42.5%と、5割以上の企業は採用目標を大幅に下回っている状況となっている。【図3】
【図3】現時点での採用充足率/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
インターンシップ・仕事体験「実施あり」の企業では半数以上の採用確定が51.9%で、さらに「インターンシップ(タイプ3・4)」と「オープン・カンパニー(タイプ1)」を併用した企業では65.2%におよぶなど、インターンシップをはじめとしたキャリア形成支援プログラムを実施した企業ほど採用目標に対する進捗が良い状況となっている。
採用予定数を増やした理由・減らした理由
- 採用予定数を増やした理由は「若手人材を確保したい」「慢性的な人手不足」が上位
- 採用予定数を減らした理由は「前年に採用できて充足したから」の理由が最多
- AIによる業務代替や、賃上げによる人件費高騰の採用数への影響は限定的
採用予定数を「増やした」「前年並み」とした理由
2027年卒の採用予定数を前年(2026年卒)の採用数と比較した際、採用数を「増やした」「前年並み」と回答した企業ではその理由について「若手人材を確保したいため」が68.8%でもっとも多く、「慢性的な人員不足のため」(35.2%)、「前年採用できなかったため」(26.9%)などが続いた。
人手不足が常態化している状況や、若手を採用したいという理由で採用数を増加・維持する企業が多い。【図4】
【図4】採用予定数を「増やした」あるいは「前年並み」とした理由/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
採用予定数を「減らした」理由
一方「減らす」と回答した企業では「前年採用でき、充足してきたため」が53.9%でもっとも多くなり、前年の採用充足度合いに応じて採用数を調整している様子がうかがえる。「AIによる業務代替・業務効率化が進んだため」という回答は6.4%に留まっており、AIによるエントリーレベルの求人需要への影響は現状では限定的であると言える。
また「初任給引き上げや賃上げによって人件費が高騰したため」も5.5%となっており、人件費が採用数に与える影響も 現状では大きいとは言えない状況だ。【図5】
【図5】採用予定数を「減らした」理由/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
実施した採用手法・実施してよかった採用手法
- 実施した採用手法では「WEBセミナー」「学内セミナー」「学校のキャリアセンター訪問」などが上位
- 実施してよかった採用手法は「若手社員による仕事解説」「インターンシップ・仕事体験」「面接以外の個別面談」「最終面接段階や内定後の会社訪問受け入れ」など
今年の採用活動で実施した採用手法では「WEBセミナー(ライブ形式)」(52.3%)、「学内セミナー(合同・個別を問わず)」(42.0%)、「学校のキャリアセンター訪問」(39.7%)、「若手社員(入社2~5年目)による自分の仕事内容の解説」(35.3%)などが上位となり、「実施してよかった手法」「来年も実施予定の手法」としても上位となっている。
特に「若手社員(入社2~5年目)による自分の仕事内容の解説」は、実施した割合と実施してよかったとする割合の差が小さく(0.5pt差)、実施した企業の多くが実施に満足していることがわかる。
同様に、実施割合が高い手法で実施してよかったとする割合との差が比較的に小さいものでは、「タイプ3・4に該当しない仕事体験の実施」「面接以外の個別面談」「インターンシップ(タイプ3・4)実施」「最終面接段階や内定後の会社訪問受け入れ」などがあるが、学生とのコミュニケーションにおいて、序盤(インターンシップをはじめとするキャリア形成支援活動)や選考途中、選考終盤にいたるまで継続的に企業理解・職種理解を促す取り組みについては実施企業の満足度が高くなっているようだ。【図6】
【図6】実施した採用手法・実施してよかった採用手法・来年も実施予定の採用手法/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
初任給の引き上げ
- 初任給の引き上げを行った企業が89.1%で3年連続で増加。中小企業も積極的な引き上げ
- 初任給の引き上げを「3年以上連続で実施」した企業が4割以上
- 引き上げにより「求職者へのアピール」「定着率」に効果を感じる企業が増加
初任給を引き上げたか
初任給の引き上げについて聞いたところ、学卒生の総合職採用について初任給の引き上げを行った企業は89.1%で、3年連続で増加した。【図7】
【図7】初任給を引き上げたか/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
初任給の平均支給額
従業員規模別では、300人未満の企業で88.5%、300~999人の企業で89.7%、1,000人以上の企業で91.1%と、規模の大きい企業ほど引き上げ実施率も高くなるが、小規模の企業でも8割に迫る実施率であり、大手企業のみならず中小企業にも初任給引き上げの動きが広がっている様子がわかる。
平均支給額は全体で237,903円で、3年連続で増加している。上場企業では254,773円で、非上場企業との差は18,000円程度となっている。従業員規模別では、300人未満の企業で234,662円、300~999人の企業で241,936円、1,000人以上の企業で251,828円となった。【図8】
【図8】初任給の平均支給額/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
何年連続で初任給を引き上げたか
初任給の引き上げについて「何年連続の引き上げか」を聞いたところ、もっとも多かったのは「3年連続」(全体43.3%)で、4割以上にのぼった。上場企業では51.2%、非上場企業でも42.5%の企業が継続的に初任給を引き上げている状況である。【図9】
【図9】何年連続で初任給を引き上げたか/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
初任給を引き上げたことによる効果と影響
引き上げによる効果については「求職者に対して効果的なアピールに成功した(応募数が増えた、内定辞退が減った等)」や「定着率が上がった・離職が減った」などが増加しており、採用や従業員のエンゲージメント向上に効果を感じている企業が増えている。【図10】
【図10】初任給を引き上げたことによる効果・影響/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
就職活動における学生のAI利用に対する反応
- 就職活動における学生の生成AIの活用について8割以上の企業が肯定的
- 一方で「対策の必要性を感じる」企業も増加し、「面接での質問内容を工夫する」「エントリーシートの内容を精査する」という企業が年々増加
学生が就職活動においてAIを活用することについて
就職活動において学生が生成AIを活用することについてどう思うか聞いたところ、もっとも多かったのは「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしいと思う」の76.6%で、「積極的に活用してほしいと思う(8.2%)」とあわせて84.8%となり、増加傾向にある。
8割を超える企業が学生の生成AI利用について肯定的な見方を示しており、「就職活動には利用しない方がよいと思う」の割合は年々減少していて27年卒では9.0%と2桁を割った。【図11】
【図11】学生が就職活動においてAIを活用することについて/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
学生のAI利用に対する施策
学生が生成AIを就職活動で活用することに対して、対応として何か検討していることがあるかを答えてもらったところ、もっとも多かったのは「面接での質問内容を工夫する(エントリーシートの内容とは異なる質問をする・深掘り質問をする等)」(36.2%)で、「エントリーシートの内容を精査する(不自然な記述に注視する・異なる学生で似た記述がないか)」(15.4%)とともに増加傾向にある。
前年までもっとも多かった「対応の必要性を感じていないので対応する予定もない」は年々減少しており、学生のAI利用率の高まりに伴って何かしらの対応を取っている企業が増えていることがわかる。【図12】
【図12】学生のAI利用に対する施策/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
新入社員に感じるギャップや戸惑い
- 新入社員の育成や研修に際し、入社前とギャップを感じたり、対応に悩ましいと感じる企業は約6割
- もっとも多いのは「リアクションが薄い・わかりづらい」。コンプライアンスやリスク管理の面での戸惑いも
新入社員の育成や研修で入社前とギャップを感じたり、対応に悩ましいと感じること
新入社員の育成や研修に際し、入社前とギャップを感じたり、対応に悩ましいと感じることを聞いたところ、「特に悩み事はない」とする企業は40.7%で、残りの約6割の企業はギャップや戸惑いを感じている。内容としてもっとも多かったのは「リアクションが薄い・わかりづらい」(28.9%)で、「業務中のコミュニケーション(報連相など)が少ない」(19.5%)、「業務外の交流が少ない」(13.3%)など、新入社員とのコミュニケーションの取り方や距離感に関する項目が上位となった。
また「想定外の言動が多い(ビジネスマナーやコンプライアンス・リスク管理の面など)」も14.7%あり、社会人として当たり前と感じている日常のマナーや、法的リスクに関する知識や意識に戸惑うケースも見られる。【図13】
【図13】新入社員の育成や研修に際し、入社前とギャップを感じたり、対応に悩ましいと感じること/マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
担当者コメント
今年の新卒採用でも初任給引き上げの動きは継続しており、大手企業だけでなく中小企業にも着実に波及している様子がうかがえます。一方、多くの企業が3年以上連続で引き上げを実施するなかで「これ以上の引き上げが難しい」とする企業も一部みられ、採用競争力の強化と経営・財務面のバランスに苦慮する様子もうかがえます。
初任給の引き上げは、多くの学生が感じている将来やお金に対する不安の軽減につながることが期待できます。一方で、学生の企業選びは待遇面だけで決まるものではなく、企業の成長性ややりがい、社会貢献性なども重要な判断材料となります。今後は、給与水準の向上に加え、自社ならではの魅力や提供価値を総合的に伝えていく姿勢も今後重要になると考えられます。
調査概要
| 内容 |
2026年卒マイナビ企業新卒採用活動調査 |
| 調査期間 |
2026年6月3日~6月20日
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| 調査方法 |
採用・育成・組織戦略に関するマイナビの情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」掲載のWEBフォームへ入力
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| 有効回答数 |
3,590社(上場 239社・非上場 3,351社|製造 1,444社・非製造 2,146社) |
レポート内目次
PDFデータ内の主なトピックを記載しています。
- インターンシップ実施率/実施時期
- インターンシップ参加者の個別企業セミナー・選考への参加状況
- インターンシップの問題点
- インターンシップ実施日数/実施時期別の実施日数
- インターンシップ以外の広報活動前企業認知施策
- 採用予定数前年比較
- 応募状況の前年比較
- エントリーのあった学生の印象
- 個別企業セミナー開催月(今後の予定含む)/【対面】【WEB】
- 個別企業セミナー事前申込者の参加率/【対面】【WEB】
- 個別企業セミナー事前申込者の参加率前年比較
- 個別企業セミナーの参加者を増やすための工夫(実施したこと・実施してよかったこと)
- 個別企業セミナーで話した内容
- 面接以外の接触回数平均 (選考前、選考中、内々定出し後)
- 面接回数平均
- 個別企業セミナー参加者の選考参加率前年比較
- 面接実施にあたり特に工夫していること
- 面接時に特に注視するところ
- 採用数確保に向けての感触
- 採用予定数に対して現在採用が確定している割合
- 採用活動終了予定時期
- 選考途中の辞退率/辞退が最も多かった時期
- 内々定承諾保留の希望割合
- 内々定辞退率/内々定の辞退が最も多かった時期
- 今年の採用活動において【企業認知】のために実施したこと
- 今年の採用活動において実施した【採用手法】/交通費の支給
- 現在の問題点
- 追加の選考機会を設けるか
- WEB活用について
- 内々定者フォローについて
- 人事制度・採用広報について
- 新卒採用における「優秀さ」について
- 入社予定者の配属
- 書類・テストの利用目的
- 2028年卒の採用計画について
- 今後の新卒採用の在り方について(採用活動への学業成績の利用、地方学生の採用など)
- 採用活動におけるAI活用について
- 初任給について
- 採用業務への参画内容(人事・採用担当/社長・役員/現場社員)
- 入社後の長期定着を見据えた取り組み/効果を感じた取り組み
- 新入社員に対して感じるギャップや戸惑い
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