中途採用状況調査2026年版(2025年実績)

関根 貴広
調査担当者
キャリアリサーチLab主任研究員
TAKAHIRO SEKINE

株式会社マイナビは、中途採用業務を担当する企業の人事担当者1,500名に実施した、「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」の結果を発表しました。

2025年の中途採用状況

中途採用目標の達成割合

  • 2025年の中途採用人数目標の達成割合は92.9%で過去最高、前年比27.7pt増
  • 採用難を背景に「採用目標人数」が下方修正されたことが影響している可能性

2025年に採用人数の目標を達成した企業は92.9%となり、2024年(65.2%)から27.7pt増と大きく向上した。2023年(60.9%)と比べても、目標達成率の向上は顕著といえる。

一方で、年間の採用目標人数を平均でみると、2025年は16.7人となり、2023年の30.8人、2024年の28.7人から大きく減少した。実際の平均採用人数を見ても、2025年は12.3人で、2023年の21.8人、2024年の20.8人から減少している。【図1】

【図1】2025年の採用目標人数の達成割合/採用目標人数と実採用人数(平均)
【図1】2025年の採用目標人数の達成割合/採用目標人数と実採用人数(平均)

採用目標の達成率向上は、採用活動そのものの量的拡大によるもの以上に、人手不足や採用難を背景に、採用目標人数を下方修正し、採用計画を現実的な水準に見直したことが影響している可能性が考えられる。

正社員不足感の焦点

  • 4割超の企業が正社員の不足を実感、不足感の焦点は人材の「量」から「質」へ
  • 採用要件に未たない人材は「採用しない」企業が62.1%、前年より7.7pt増

企業の正社員の過不足感について、「不足感がある」が40.1%となり、「余剰感がある(25.4%)」を14.7pt上回った。不足感は前年比で低下したものの、依然として高い水準となった。

不足感があると回答した企業に具体的な内容を聞くと、人数など人材の「量的(計)」な不足は69.6%(前年比-3.7pt)で減少している一方で、高スキル人材などの「質的(計)」な不足は55.6%(前年比+6.7pt)と前年より増加した。正社員の不足感は「人数」から「高スキル人材・即戦力など」へ移行しつつある可能性がうかがえる。【図2】

【図2】正社員人材の過不足感/正社員不足感の内容
【図2】正社員人材の過不足感/正社員不足感の内容

さらに、募集当初に求めたスキルや経験を満たさない場合、「採用しないことが多かった」割合は62.1%で前年より7.7pt増加しており、企業規模別では従業員数が少ないほど高かった。
2025年は要件を下げて採用数の確保を優先するより、要件を満たす人材を厳選する動きが強まった可能性が示唆される。【図3】

【図4】募集当初に求めた採用要件が未達だった場合の採用可否判断
【図3】募集当初に求めた採用要件が未達だった場合の採用可否判断

2025年の退職者

退職者の属性と退職者が企業に与える影響

  • 2025年に退職者が発生した企業49.3%。退職者がいた割合が最も高いのは中途入社の正社員
  • 退職により業務・経営への影響が最も大きい属性は「勤続5年以上の中堅社員」

2025年に退職者が発生した企業は49.3%となり、退職者の属性別では「中途入社の正社員」が87.8%で新卒社員の正社員よりも多く、年代別では「20代の正社員(82.7%)」、勤続年数別では「勤続5年以上の中堅社員(81.9%)」が高い結果となった。【図4】

【図5】2025年の正社員退職者の有無/2025年退職者の属性割合
【図4】2025年の正社員退職者の有無/2025年退職者の属性割合

また、退職により業務・経営にマイナスの影響を与えた割合を属性別で見ると、「勤続5年以上の中堅社員(68.8%)」が最多となり、次いで「20代の正社員(66.3%)」、「新卒入社の正社員(65.3%)」となった。

中堅層の退職は、欠員補充では早期に代替しにくく、業務の安定運用に影響を与えることから、企業活動において影響が大きいと認識していることが考えられる。【図5】

【図6】退職者の属性別に見る"業務や経営"への痛手認識
【図5】退職者の属性別に見る”業務や経営”への痛手認識

2026年の中途採用意向

今後の中途採用は積極的か

  • 2026年の中途採用は91.1%の企業が積極的な意向
  • 2025年に退職者が発生した企業ほど経験者採用に積極的な姿勢

2026年の中途採用は91.1%の企業が積極的な意向を示しており、特に、求めるスキルや経験を持つ「経験者※1採用に積極的(計)」な割合は74.2%にのぼった。

2025年の退職者の有無別では、退職者がいた企業で「中途採用に積極的(計)」が93.9%、「経験者採用に積極的(計)」は83.4%となり、退職者のいない企業に比べて「中途採用に積極的(計)」は5.6pt、「経験者採用の積極性(計)」では18.1pt高くなっている。

人材の質不足が強まる中で、2026年は企業が求めるスキルや経験を持つ経験者の採用ニーズがさらに高まり、経験者人材の獲得競争が一段と激しくなる可能性がある。【図6】

※1「自社と同一業界の経験と求める職種のスキルを持つ経験者」を指す

【図6】今後2026年の中途採用意向
【図6】今後2026年の中途採用意向

総評

2025年の中途採用目標の達成率は92.9%と前年から大きく向上しました。ただし、この達成率の向上には、採用目標人数の下方修正を伴う採用計画の見直しが影響している可能性があります。また、正社員人材の不足感は前年より減少したものの4割超と依然として高く、不足感の内容は「量的な不足」から「質的な不足」にシフトしつつある様子がうかがえます。

加えて、退職者がいた企業では「勤続5年以上の中堅社員」の退職が8割超にのぼり、その退職者の痛手認識も最多です。企業の核となる中堅層は、人数を採って補うだけでは埋まりにくく、不足感の本質が「人数(量)」ではなく「質(経験・スキル)」に移りつつある可能性があります。

2026年以降は、経験者の獲得競争に備えた採用計画に加え、核となる中堅層の”リテンション(定着・戦力化)”をセットで捉え、オンボーディングや育成・配置、評価まで含めた仕組みとして見直すことの重要性が、さらに増していくのではないでしょうか。

キャリアリサーチLab主任研究員 関根 貴広

調査概要

内容 中途採用状況調査 2026年版(2025年実績)
調査期間 予備調査・本調査一体型:2025年12月17日(水)~12月22日(月)
調査対象 従業員数3名以上の企業において、直近(2025年1~12月)に
中途採用業務を担当しており、「採用費用の管理・運用」に携わっている
人事担当者 1,500名
調査方法 インターネット調査
有効回答数 1,500名
元山春香
担当者
キャリアリサーチLab研究員
HARUKA MOTOYAMA

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