- 転職検討中の正社員の2人に1人が「冬のボーナス支給後に転職する予定」
- 一方で約3割が想定より賞与額が高く、転職を思いとどまった経験がある
- 理想の賞与額は平均81.5万円で予想額と30.5万円のギャップ
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20~59歳の前月転職活動を行った、もしくは今後3カ月で転職活動を行う予定(3カ月以内に中途入社した人を除く)の正社員を対象に実施した「2025年冬ボーナスと転職に関する調査」を発表した。
TOPICS
- 現在転職を考えている正社員の2人に1人が「今年の冬ボーナスをもらってから転職する予定」。3人に1人が想定よりも賞与額が高かったことで転職を思いとどまった経験がある【図1、2】
- 転職経験者の約7割が「賞与が少ない」ことが理由で転職をした経験がある。転職理由となった賞与平均額は29.8万円【図3】
- 前年の冬の賞与額は平均54.3万円、今年予想している冬の賞与額は平均51.0万円
- 理想の賞与額は平均81.5万円で予想額と30.5万円のギャップ【図4】
- 約8割が給与・賞与の増額がなくても転職を思いとどまる福利厚生制度があると回答。制度内容は「有給休暇の取得促進」「通勤・住環境の支援」が上位【図5、6】
賞与(ボーナス)とは
賞与とは、固定給とは別に支給される給与のことであり、詳しくは以下のコラム冒頭「賞与(ボーナス)とは」において説明している。
賞与は夏と冬の年2回支給されることが一般的であり、今回は冬の賞与支給のタイミングで実施した調査結果をもとに考察を行う。
賞与と転職
今年の冬の賞与が転職に与える影響
- 現在転職を考えている正社員の2人に1人が「今年の冬ボーナスをもらってから転職する予定」
- 3人に1人が想定よりも賞与額が高かったことで転職を思いとどまった経験がある
転職を検討している正社員の51.4%が「今年の冬の賞与支給後に転職する予定」と回答した。年代別では20代が62.0%で最多であった。企業にとって賞与支給のタイミングは、離職リスクの高まる時期といえる。
一方で、全体の43.6%が「賞与額が高かった場合に転職するのをやめる可能性がある」と回答しており、こちらも20代が53.5%で最多だった。【図1】
【図1】直近の転職活動と賞与について/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
また実際に「想定よりも賞与額が高かったことで転職を思いとどまった経験がある」割合は全体で33.6%だった。
転職を思いとどまった際の賞与額平均は80.5万円で、賞与の金額が転職の意思決定に一定の影響を及ぼしている可能性があると考えられる。【図2】
【図2】賞与額が高かったので転職を中止したことがあるか/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
賞与が少なくて転職をしたことがあるか
- 転職経験者の約7割が「賞与が少ない」ことが理由で転職をした経験がある
- 転職理由となった賞与平均額は29.8万円
転職経験があり、現在転職を検討している人のうち、過去に賞与が少ないことが理由で転職したことがある人は70.1%(「1番大きな転職理由だった(30.3%))+「1番ではないが転職理由だった(39.8%)」の合計)であった。
年代別で見ると、「賞与が少ないことが1番大きな転職理由だった」割合は20代が56.2%とほかの年代と比べて高く、20代では賞与額の少なさが特に転職の動機となっていることがうかがえる。
また、転職理由となった賞与の平均額は29.8万円であった。【図3】
【図3】賞与額が少かったので転職をしたことがあるか/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
前年と今年予想する賞与額、理想の賞与額
- 前年の冬の賞与額は平均54.3万円、今年予想している冬の賞与額は平均51.0万円
- 理想の賞与額は平均81.5万円で予想額と30.5万円のギャップ
前年の冬の賞与額平均は54.3万円、今年予想している冬の賞与額平均は51.0万円で前年実績よりやや低い予想となっている。また自分の仕事に見合うと思う理想の賞与額平均は81.5万円で、今年予想している金額とのギャップは30.5万円、前年実績とのギャップは27.2万円だった。
年代別にみると、今年予想している賞与額・理想の賞与額ともに金額が高い傾向がみられ、予想と理想の賞与額の差額が最も大きかったのも50代で39.1万円のギャップがみられた。【図4】
【図4】賞与額/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
福利厚生充実が転職意欲に与える影響
- 約8割が給与・賞与の増額がなくても転職を思いとどまる福利厚生制度があると回答
- 制度内容は「有給休暇の取得促進」「通勤・住環境の支援」が上位
転職検討中の正社員のうち79.6%が、給与や賞与が増えなくても、この福利厚生があれば転職を思いとどまるかもしれない制度があると回答した。具体的には、「有給休暇の取得促進(33.5%)」が最多、次いで住宅手当や在宅勤務手当などの「通勤・住環境の支援(30.5%)」となった。【図5】
【図5】転職を思いとどまる福利厚生制度があるか/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
こうした制度が、転職を思いとどまる理由になる背景について自由回答で聞き、4分類で整理した。
【1】収入の補填につながる
収入が不足分を「副業」で補える、あるいは支出を抑えられる福利厚生があれば、転職を控えたいという声が多く寄せられた。
【2】私生活を重視できる
通院や家庭の事情に合わせて休みが取りやすいなど、プライベートを優先できる環境に価値を感じるといった意見が目立った。
【3】キャリア・スキルアップにつながる
転職しなくても成長機会が得られるなら、あえて動く必要はないと考える回答が一定数見られた。
【4】人間関係・心理的安全性が確保されている
働きやすい雰囲気やパワハラ防止など、心理的安全性を重視する声も少なくなかった。
どのカテゴリの理由を挙げた人も、複数回答のひとつに「有給休暇の取得促進(取得率の向上、取得しやすい雰囲気づくりなど)」を選んでおり、休暇の取りやすさへの需要の高さがうかがえた。【図6】
【図6】選択した福利厚生が転職を思いとどまる理由になるのはなぜか/2025年冬ボーナスと転職に関する調査
調査担当者コメント
厚生労働省の毎月勤労統計調査 2025年9月分結果速報※によると、実質賃金は9カ月連続でマイナスとなり、物価高騰に賃上げが追い付いていない状況が続いている。そういった状況の中、今回の調査からは賞与額に対する理想と現実のギャップも見られた。賞与額が少なかったために転職した経験がある人は転職経験者の7割を超えており、賞与額は個人の転職意向や行動に少なからず影響を与えていることがわかった。
適切な賞与額を支給する重要性が感じられる一方で、企業側の賃上げや賞与増額を続けるための財源確保には課題があるといわれている。調査上では転職検討中の正社員の約8割が、給与や賞与が増額しなくても「転職を思いとどまるかもしれない」と思う福利厚生制度があると回答した。
物価高に対応する適切な賃金を設定することが急務であることは大前提だが、福利厚生を充実させることは離職の防止につながる可能性があるといえるだろう。
※厚生労働省 毎月勤労統計調査 2025年9月分結果速報
キャリアリサーチLab研究員 朝比奈あかり
調査概要
| 内容 |
2025年冬ボーナスと転職に関する調査 |
| 調査期間 |
2025年11月4日~9日 |
| 調査対象 |
正社員として働いている20代~50代の男女のうち、前月に転職活動を行った人または今後3か月で転職活動を行う予定の人(3か月以内に中途入社した人を除く) |
| 調査方法 |
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員 ・本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人(3か月以内に中途入社した人を除く)
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| 有効回答数 |
スクリーニング調査 24,601件 本調査 1,325件 |
過去のボーナスに関する調査