- 2026年卒の採用充足率は69.7%で過去最低。4年連続の減少
- AIによる業務代替・効率化が採用数に与える影響(AI就職氷河期・AIリストラの可能性)について21.4%の企業は「新卒採用数への影響はまったくない」。一方で「今後はわからない」とする企業は57.7%で最多に
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査」を発表しました。
トピックス
- 2026年卒の採用充足率は69.7%で同時期の調査と比較して過去最低。4年連続の減少
- 2027年卒向け採用は81.3%が「実施する」と回答し、前年よりも増加
- 内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」。実施した上場企業は約1割で、前年比9.3ptと大幅に増加
- 2割の企業がAIによる業務代替について「現時点では新卒採用数への影響はないが、今後は影響がありそう」。もっとも多いのは「今後はわからない」で、AIにより新たな事業等が生まれ採用数が増えるという声も
調査詳細
2026年卒の採用活動の振り返り
- 2026年卒の採用充足率は69.7%で同時期の調査では過去最低
採用充足率と内定者満足度
2026年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は69.7%(前年比0.3pt減)で4年連続の減少となり、採用スケジュールが変更された2017年卒以降、同時期の調査と比較して過去最低の結果となった。【図1】
【図1】 「採用充足率」年次推移/2026年卒企業新卒内定状況調査
インターンシップ・仕事体験を実施したかどうかで比較すると、実施した企業では75.3%、実施しなかった企業では60.6%となり、14.7ptの差が見られた。【図2】
【図2】 「採用充足率」インターンシップ・仕事体験の実施有無別比較/2026年卒企業新卒内定状況調査
採用充足率が全体で減少傾向にあるなか、インターンシップ・仕事体験を実施した企業は、キャリア形成の場を提供することを通じて自社の魅力を学生に伝える機会があったことで、全体よりも採用充足率が高くなったと考えられる。
2027年卒の採用予定
- 2027年卒向け採用は81.3%が「実施する」と回答し、前年よりも増加
- 採用予定数は「増やす予定」の企業が4.0pt減少し、「今年度並み」「減らす」が2年連続で増加
2027年卒向け採用計画の策定状況を聞いたところ、81.3%が「実施する」と回答し、前年よりも増加した。【図3】
【図3】次年度の採用計画/2026年卒企業新卒内定状況調査
採用予定数については「今年度並み(74.5%)」が最も多かった。【図4】
【図4】 次年度の採用数/2026年卒企業新卒内定状況調査
「増やす」という企業が前年比4.0pt減少し、「今年度並み」が前年比1.9pt増加、「減らす」は0.9 pt増加となった。人手不足が続く中で引き続き高い採用意欲を示しているが、採用充足率の低下を受け、採用予定数は増やさずに、現状維持もしくは採用数を減らす企業が増え始めている。
内定辞退・就職ファストパス(選考ファストパス)
- 学生の内定辞退理由でもっとも多かったのは「より志望度の高い企業から内定が出た」。「職種」「勤務地」「給与」「保護者からの反対」による辞退も
- 内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」を実施した上場企業は約1割で、前年比9.3ptと大幅増
多かった内定辞退理由
学生の内定辞退理由として多かったものを聞いたところ、もっとも多かったのは「より志望度の高い企業から内定が出た」(49.8%)となった。そのほか「希望職種」(17.7%)、「希望勤務地」(15.1%)、「希望業種 」(12.1%)、「給与条件」(11.4%)など、条件面での理由が上位となった。
内定辞退対策として「オヤカク(学生の保護者に対する内定受諾の確認)」を実施する企業もあるが、実際に「保護者からの反対」による内定辞退は1.9%とわずかであった。【図5】
【図5】 内定辞退理由として多かったもの/2026年卒企業新卒内定状況調査
就職ファストパス(選考ファストパス)の実施状況
選考や内定を辞退した学生に対し、将来その学生が中途採用の選考などを受ける際に選考を一部免除するといった、いわゆる「就職ファストパス」「選考ファストパス」と呼ばれる優遇措置について聞いたところ「実施している」という企業は全体では5.2%に留まるが、上場企業では9.8%と1割近くとなり、前年より9.3pt増と大幅に増加した。
「実施していないが、実施を検討している」と合わせると、2割を超える上場企業が前向きな姿勢を示している。【図6】
【図6】就職ファストパス(選考ファストパス)について/2026年卒企業新卒内定状況調査
上場企業は募集人数が比較的多くなることから、選考で接する学生の数も多いと推測される。そうした学生との接点の多さを活かし、自社にマッチした人材を中途採用人材の候補としてプールできることにメリットを感じ、導入している企業が増えていると推測される。
AIによる業務代替と新卒採用数への影響(AI就職氷河期・AIリストラの可能性)
- 2割の企業がAIによる業務代替について「現時点では新卒採用数への影響はないが、今後は影響がありそう」。「新卒採用数への影響はまったくない」は21.4%
- AIにより新たな事業等が生まれ、採用数が増えると考える企業も
自社の業務がAIで効率化できる・代替できるという可能性を考えた際に、自社の新卒採用数への影響として最も多いのは「現時点では影響はないが、今後はわからない(57.7%)」で、次いで「新卒採用数へのAIの業務代替の影響はまったくない(21.4%)」、「現時点では影響はないが、今後は影響がありそう(20.8%)」となった。【図7】
【図7】新卒採用数へのAIの影響/2026年卒企業新卒内定状況調査
業界別でみると、「影響はまったくない」が多かったのは「建設」(25.9%)、次いで「商社」(23.9%)、「サービス・インフラ」(22.6%)となった。理由としては「現場作業が多いため、AIで代替できる業務が少ない」や「顧客支援には、AIへの置き換えが難しい人間的仕事がますます必要になっている」などの声があった。【図8】【表1】
【図8】新卒採用数へのAIの影響(業界別)/2026年卒企業新卒内定状況調査
【表1】AIによる新卒採用数への影響とその理由/2026年卒企業新卒内定状況調査
「今後はわからない」が最も多かったのは「官公庁・公社・団体」(67.9%)で、「議員からAIによる代替で職員数を減らすように言われている」などの声が寄せられた。
調査担当者コメント
2026年卒の新卒採用でも、採用充足率が過去最低を更新し、人材獲得に多くの企業が苦労している様子がうかがえます。「採用予定数を増やす」という企業が減少しつつあるなか、「就職ファストパス」・「選考ファストパス」のように、新卒採用をフックに中長期的な採用に結び付けようという動きも見られます。
また、AIの登場が新卒採用数に与える影響については、多くの企業が「今後はわからない」と回答する一方で、約20%の企業が「今後は影響がありそう」と認識していることが明らかになりました。
アメリカでは「AI就職氷河期」が新卒学生の就職に影響を及ぼしている可能性を指摘する報道も見られます。しかし今回の調査ではAIによる業務代替で採用数が減少するという懸念よりも、業務効率化を通じて新たな事業が創出や雇用の拡大につながり、結果的として採用数が増加する可能性があるとの見解が多く寄せられました。
今後は、AIと共存できる組織・人材が求められ、技術革新の流れに柔軟に対応したキャリア形成が重要になってくると考えます。
調査概要
| 内容 |
2026年卒マイナビ企業新卒内定状況調査 |
| 調査期間 |
2025年9月5日~10月3日
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| 調査方法 |
採用・育成・組織戦略に関するマイナビの情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」掲載のWEBフォームへ入力
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| 有効回答数 |
1,810社(上場 126社・非上場 1,684社|製造 688社・非製造 1,122社) |
レポート内目次
PDFデータ内の主なトピックを記載しています。
- 採用充足率 / 26年卒募集人数対25年卒入社実績数比 / 26年卒内定者数対25年卒入社実績数比
- 内定者への満足度
- 採用活動の印象
- 採用活動が厳しかったと回答した理由
- エントリー学生の印象
- 内定を出す基準
- 今年度(26年卒)インターンシップ参加学生数/ 日当の有無/ 参加者へのフォロー
- 応募学生数(エントリー数)/ エントリーシート提出学生数
- 説明会参加学生数 / 説明会で力を入れて説明した点
- 1次面接受験学生数
- 選考回数
- 新卒採用担当部署について
- 採用活動の業務について
- 選考途中の辞退率 / 内々定辞退率
- 内定者1人あたりの応募学生数・説明会参加学生数等平均
- 内定後の対応
- 内定者研修
- 採用活動進捗状況 / 採用活動を終了した(する)時期 / 採用活動期間
- 採用スケジュール<全体>
- 採用スケジュール<エントリー受付開始>
- 採用スケジュール<エントリーシート受付締切>
- 採用スケジュール<エントリーシート結果通知>
- 採用スケジュール<個別企業セミナー開始>
- 採用スケジュール<面接開始>
- 採用スケジュール<内々定出し開始>
- 入社式について
- 障がい者雇用について
- 外国人留学生の採用
- ジョブ型雇用導入の実態
- 採用活動について
- インターンシップ(27年卒の現状と予定)
- 次年度(27年卒)重点を置くこと
- その他の取り組み
- 学生動向に感じる変化
- 採用活動を振り返る際のポイント
- 新卒採用数へのAIの影響
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