- 女性の4割超は、出産後 “元の職場”に復帰せず~アルバイト主婦の3人に1人は出産後、正社員を離れた~
- 20代女性の職場復帰5割超、20~30代の産後パパ育休取得意向6割弱~若年層世代への期待~
- 家事は“完璧”じゃなくていい?~子を持つ共働き世帯が実践する育児と仕事の両立への工夫~
- 育児や家庭と仕事の両立~そのあり方を考える第一歩としての “いい育児の日”~
株式会社マイナビは、20代~50代の社会人の男女を対象に、いい育児の日(11月19日)に考える”育児と仕事の両立”に関する各調査をまとめ分析して発表した。育児と仕事の両立に関して、様々な調査レポートを用いて分析結果をまとめて公表するのは今回が初めてとなる。
トピックス
- 女性の4割超は、出産後 “元の職場”に復帰せず~アルバイト主婦の3人に1人は出産後、正社員を離れた~【図1、2】
- 20代女性の職場復帰5割超、20~30代の産後パパ育休取得意向6割弱~若年層世代への期待~【図3】
- 家事は“完璧”じゃなくていい?~子を持つ共働き世帯が実践する育児と仕事の両立への工夫~【図4】
- 育児や家庭と仕事の両立~そのあり方を考える第一歩としての “いい育児の日”~(総評)
分析の経緯
11月19日は「いい育児の日」。“いい(11)いく(19)じ”の語呂合わせから2007年に制定されました。家庭や地域、社会全体で育児について考え、子どもを育てやすい環境づくりを推進することを目的とした記念日です。
近年、少子化の進行により、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,726万人をピークに減少が続き、2065年には約4,600万人まで減少すると推計されています。少子化の背景にはさまざまな要因がありますが、その一つに「育児と仕事の両立の難しさ」が挙げられます。
1999年の「男女共同参画社会基本法」の施行を皮切りに、育休制度の拡充や男性の育児参加を促す取り組みが進み、2024年度には男性の育児休業取得率が40.5%と過去最高を更新※1するなど、社会全体で育児を支える動きが広がっています。今回は、育児と仕事の両立に関する課題や意識などを踏まえ、これからの両立のあり方を考えます。
※1)厚生労働省 令和6年度雇用均等基本調査
育児と仕事の両立の課題感
- 女性の4割超は出産後「元の職場」に復帰せず
- アルバイト主婦の3人に1人は出産後、正社員から離れた
出産後の職場復帰率
近年、女性の育児休業取得率は常用雇用者において80%台※1と高水準を維持しているが、仕事と育児の両立という観点で見れば「育休後の職場復帰」が重要である。
調査によると、第1子が2歳以上の子どもを持つ20〜50代の社会人女性のうち、第1子出産後に「出産前に働いていた会社に復帰した」は25.2%にとどまり、「出産を機に退職・転職した」は42.2%にのぼる。
復帰に際しては時短勤務などの選択肢もあるものの、出産後に正社員を離れるケースも少なくない。
実際、正社員経験のあるアルバイト中の主婦のうち約3人に1人(33.9%)が出産前は正社員だったと回答しており、正社員というキャリアを手放した可能性が示唆される。【図1】
【図1】出産後の職場復帰率(マイナビ ライフキャリア実態調査2025年より)/出産前の雇用形態(主婦のアルバイト調査2025年より)
本来希望の雇用形態
また、アルバイト中の主婦の5人に1人以上が本来は「正社員(22.6%)」での就業を希望している。正社員を希望しながらアルバイトとして働く理由では「フルタイムで働けない(働く時間の制限がある)から(43.3%)」が最多、「自分のスキルや経験が不足しているから(19.5%)」、「正社員になりたくてもなれないから(18.9%)」と続いた。
時間的・技能的な制約が、元の職場への復帰や正社員キャリアの継続と育児の両立を阻む要因となっている可能性がうかがえる。【図2】
【図2】本来希望の雇用形態/正社員希望なのにアルバイトで働く理由(主婦のアルバイト調査2025年より)
育児と仕事の両立の明るい兆しと期待
- 20代女性の職場復帰5割超、20~30代の産後パパ育休取得意向6割弱
職場復帰の年代別割合
若い世代に着目すると、「元の職場への復帰」や「育休取得」に対してポジティブな傾向が見え始めている。20〜50代の社会人女性の職場復帰割合を年代別に見ると、20代(51.4%)では半数以上、30代(41.0%)では4割以上が第1子出産後に「出産前に働いていた会社に復帰した」と回答している。
また、「産後パパ育休を取得したい(女性には配偶者に取得してほしい)と思うか」を聞くと、正社員では20〜30代の6割以上が「取得したい/取得してほしい」と回答しており、非正規社員でも30代で58.0%にのぼる。
若年層において元の職場復帰が可能な状況が一定見られることや、産後パパ育休の取得意向が高いこと、また実際の男性育休取得率も上がってきていることは、社会全体で育児を支える動きの広がりと相まって、ポジティブな傾向が見え始めていると言える。【図3】
【図3】職場復帰の年代別割合/産後パパ育休の取得意向(マイナビ ライフキャリア実態調査2025年より)
育児と仕事の両立のヒント
- 家事は“完璧”じゃなくていい?
- 子を持つ共働き世帯が実践する育児と仕事の両立への工夫
仕事と家庭のバランスを取るための工夫
現在、夫婦共働きは一般的となったが、働く人の多くは月給や時給といった時間報酬であり、育児と仕事の両立には限られた時間をどう配分・調整するかが課題となっている。実際に共働き世帯はどのように両立を図っているのだろうか。
子を持つ正社員に「仕事と家庭のバランスをとるために行っていること」を聞いたところ、「家事は完璧でなくても仕方ないと割り切る」「家事はなるべく手間がかからないようにする」「家族の一員としての役割を果たそうと努力する」が、いずれも6割超で上位に挙がった。
家族の一員としての役割を果たそうと、完璧さにとらわれ過ぎず、家事負担を軽減できるよう工夫しながら両立を図ろうとする姿勢がみられる。育児と仕事を両立するためには、そのような折り合いや歩み寄り、工夫などを行うことが鍵なのではないだろうか。【図4】
【図4】仕事と家庭のバランスを取るための工夫(【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2025年より)
育児と仕事の両立の未来を考える
- 育児や家庭と仕事の両立のあり方を考える第一歩としての“いい育児の日”(総評)
今回は育児と仕事の両立における課題と、若い世代における職場復帰や育休取得意向についてまとめました。20〜50代の社会人女性では4割超が第1子出産を機に退職・転職し、アルバイト中の主婦では3人に1人が出産後に正社員キャリアから離れています。
一方で、20〜30代の4〜5割は元の職場に復帰していることや、正社員・非正規社員を問わず産後パパ育休の取得意向が高いことは、社会全体で育児を支える動きの広がりと相まって、ポジティブな傾向が見え始めていると言えるでしょう。
また、育児と仕事の両立が必要な子を持つ共働き世帯からは、家族の一員としての役割を果たそうとする姿勢を持ちながら、家事の手間を減らす工夫や完璧さにこだわりすぎない意識を持つなど、育児と家事を両立させるためのヒントが見られました。共働きが当たり前となった今、「育児と仕事の両立」が「いい育児」の土台を築く重要な要素の一つではないでしょうか。
「いい育児の日」をきっかけに、私たち一人ひとりが育児と仕事の両立のあり方を改めて考えることは、社会全体の育児観や働き方の見直しにつながる第一歩になるかもしれません。
マイナビ キャリアリサーチLab主任研究員 関根 貴広
調査概要
| 利用調査 |
・マイナビ ライフキャリア実態調査2025年 全国15歳~79歳の男女のうち、「第1子が2歳以上の子どもがいる20‐50代の社会人女性」、 「2025年4月時点で正社員もしくは非正規社員で働く20‐50代の男女」を抽出し分析。 ・主婦のアルバイト調査2025年 アルバイト就業中の20~50代の既婚女性のうち、「過去に正社員経験があり、 子どもがいる」を抽出し分析。 ・【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2025年(2024年実績) 20-50代の正社員の男女のうち、既婚者かつ配偶者が働いており「子どもがいる人」を 抽出し分析。
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| 調査方法 |
インターネット調査 |
| 調査対象 |
全国の20‒50代の社会人の男女 |
| 調査主体 |
株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会 |
※調査結果は端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
※n=30以下は参考値