- 学生が後期に力を入れて取り組みたいことは「大学の勉強」
- キャリアの方向性が決まっている学生は45.3%
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2028年・2029年卒業予定の全国の大学生を対象に実施した、「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)」の結果を発表しました。
トピックス
- 後期に力を入れて取り組みたいことは「大学の勉強」
- 大学生活においては学年があがることで「キャリア形成活動」への意欲に差が見られた
- 学生が感じる将来の不安は「お金」。2年生は経済的・社会的な不安の高まりがみられた
- キャリアの方向性が決まっている学生は45.3%
- 約半数の学生が高校の教員から勧められた大学へ進学
調査詳細
大学生活での取り組み
- 夏休みに力を入れて取り組んだことは「アルバイト」
- 後期に力を入れて取り組みたいことは「大学の勉強」
- 学年があがることで「キャリア形成活動」への意欲に差が見られた
夏休み中に最も力を入れて取り組んだこと
この夏休みに最も力を入れて取り組んだことを聞いたところ、学年に関わらず「アルバイト」という回答が最も多かった。加えて学年による差が最も大きかったのは「キャリア形成活動(8.4pt差)」であった。【図1】
【図1】夏休みに最も力を入れて取り組んだこと / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
後期から力を入れたいと考えているもの
続いて、後期に力を入れて取り組みたいことを聞くと、最も回答の多かったものは「大学の勉強」であった。また、夏休みに力を入れて取り組んだことと同様に、学年での差が最も大きかったのは「キャリア形成活動(24.0pt差)」であった。【図2】
【図2】後期から力を入れたいと考えているもの / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
図1,2から示されるように、学年が上がることによってキャリアへの意識が高まっていることがわかる。
低学年の将来の不安と社会への興味関心
- 学生が感じる将来の不安は「お金」
- 2年生は経済的・社会的な不安の高まりがみられた
将来の不安
将来について不安を感じていることをたずねると最も回答が多かったのは「お金に対する不安」であった。また、2年生においては1年生よりも「就職活動(68.0%, 9.2pt差)」、「働くこと(61.3%, 10.8pt差)」、「老後(35.8%, 9.2pt差)」に対する不安が高く、学年があがることでより経済的・社会的な不安が高まっていることがわかる。【図3】
【図3】将来について不安を感じていること / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
興味のある社会問題
現在、学生が関心を寄せる社会問題として最も多く挙げられたのは「インフレ・物価上昇(36.3%)」であった。【図4】
【図4】興味のある社会問題 / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
交際範囲の広がりやアルバイト経験を通じて、自らお金を稼ぎ、使う機会が増えることで、物価の変動は学生にとっても身近で実感しやすい問題となっていると考えられる。
学年別の興味のある社会問題
学年によって関心の違いに注目すると、2年生は「インフレ・物価上昇」といった身近な社会問題に加え、「年金問題」「いじめ・教育問題」「政治不信」など、より広範囲な社会課題にも関心を広げていることがわかる。【図5】
【図5】【学年別】興味のある社会問題 / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
学年が上がるにつれてキャリアへの意識が高まり、それに伴い、社会への興味関心も身近な出来事から、自身が今後関わっていくであろう社会全体へと広がっている可能性がある。
生活にあたって物価高を感じる場面
また、生活するにあたって物価高を感じる場面を聞くと、一番多かったのは食費の値上がりであった。その他にも学食の値上がりを感じていたり、物価高の対策としてアルバイトを増やしたり、交際費といった支出を見直したりするといった意見も多かった。
大学生になり、交際範囲が広がるとともに自身でその交際費を賄う学生も少なくはない。そのため、より物価上昇は身近な問題であろう。【図6】
【図6】生活にあたって物価高を感じる場面 / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
キャリアの方向性
- キャリアの方向性が決まっている学生は45.3%
- キャリアを意識し始めたタイミングは「高校時代」が最多
キャリアの方向性が決まっているか
キャリアの方向性が決まっているかどうかを聞いたところ、決まっている※と回答した学生は45.3%であった。【図7】
※キャリアの方向性が決まっている:「具体的に決まっている」「どちらかといえば、決まっている」の合計
【図7】キャリアの方向性が決まっているか / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
キャリアを意識し始めたタイミング
キャリアを意識し始めたタイミングについては、文理を問わず「高校時代」が最も多かった。一方で、「大学生になってから」と回答した学生も一定数おり、理系では19.3%、文系では27.8%にのぼる。これらから、大学での学びや経験が学生の将来に対して肯定的な影響を与えていることがわかる。【図8】
【図8】キャリアを意識し始めたタイミング / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
卒業後の仕事選びに向けて現在行っている活動についてたずねたところ、キャリアの方向性の有無にかかわらず、「友人と将来について話し合う」が最も多い回答となった。キャリアの方向性がまだ定まっていない学生であっても、友人との会話や大学のキャリア教育への参加など、積極的に行動を起こしている様子がうかがえる。
仕事選びをする上で行っている活動
一方で、キャリアの方向性が決まっている学生は、そうでない学生に比べて「両親と将来について話し合う」「資格取得のための勉強をする」といった、より具体的かつ明確な目標や目的に向かって意識的に取り組むような行動を取っている傾向が見られた。【図9】
【図9】仕事選びをする上で行っている活動 / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
高校時代の進路決定
- 志望大学を決めるにあたって重視したことは「学習内容」
- 約半数の学生が高校の教員から勧められた大学へ進学
志望校を決めるポイント
志望校を決定する際に重視したポイントについてたずねたところ、文理を問わず最も多かったのは「学びたいことが学べるか」であった。【図10】
【図10】志望校を決める際に重視したこと / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
これは、進学先を単なる進路選択ではなく、自分の興味関心や将来の目標に直結する学びの場として捉えている学生が多いことを示している。
また、文系学生の方が高い割合で「自分のキャリアに役立つかどうか」を重視しており、将来の職業や社会での活躍を意識した選択をしている様子がうかがえる。文系科目については職業選択に直結しない科目も多く、そういった職業選択の幅広さが反対にキャリア意識の高さへとつながっているのかもしれない。
一方、理系学生では「学費が安いか」を重視する傾向が強く、経済的な側面を含めた現実的な判断がより強く働いている可能性がある。
高校の教員の影響
現在の大学が高校の教員から勧められた大学かどうかを聞いたところ、約半数の学生が「高校の教員から勧められた大学」であった。勧められた理由として最も多かったのは「学べる内容(50.7%)」であり、学生の興味関心を踏まえた上で、教員が適切な学びの場を提案していることがうかがえる。【図11】
【図11】高校の先生からの影響 / マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
一方で、「大学卒業後のキャリアを見越して勧められた」という回答は約2割にとどまった。図10からも明らかなように、大学選びにおいては学生自身の興味関心が重視されており、高校段階ではキャリアよりも学びの内容を中心に進路指導が行われている傾向があると考えられる。
調査概要
| 内容 |
大学生低学年のキャリア意識調査8月(28・29年卒対象)
|
| 調査期間 |
2025年8月28日(木)~2025年9月15日(月) |
| 調査対象 |
2028年・2029年3月卒業予定の全国の大学生 |
| 調査方法 |
マイナビ2027会員にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収 |
| 有効回答数 |
411名 |
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