- 未内々定者の約4割が9月に「企業・業界研究」「自己分析」を実施
- 活動継続者のうち内々定先に「十分満足している」割合は1割未満
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2026年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施した、「マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>」の結果を発表しました。
トピックス
- 9月末の内々定保有率は88.9%(前年比0.9pt減)、活動継続率は18.9%(前年比2.0pt増)
- 平均内々定保有社数は1.6社と、前年同月の2.7社からは1.1pt減
- 未内々定者は、選考の前段階の「企業・業界研究」「自己分析」の活動が最多。活動継続者が内々定先に「十分満足している」割合は1割未満
調査詳細
9月の内々定保有率・活動継続率
- 9月末の内々定保有率は88.9%(前年比0.9pt減)
- 活動継続率は18.9%(前年比2.0pt増)
内々定保有率
9月末の内々定保有率は88.9%で、前年同月から0.9pt減少した。【図1】
【図1】内々定保有率の推移・経年比較 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
内々定保有率・文理別
文系学生は88.6%、理系学生89.3%だった。3月1日調査時点では文理で20.3ptの差があったが、本調査では0.7pt差と、文理差はほとんどなくなったと言える。【図2】
【図2】内々定保有率・文理別 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
活動継続率
活動継続率(内々定を持ちながら活動を継続する学生の割合+未内々定者の割合)は18.9%と、前年同月(16.9%)をわずかながら上回った。【図3】
【図3】活動継続率の推移・経年比較 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
活動継続率・文理別
文理別では、文系学生20.9%(前月比4.4pt減)、理系学生15.7%(前月比0.6pt減)と、文理差は5.2ptとなった。毎月、文系学生より理系学生の方が活動継続率は低い傾向がみられ、もっとも文理差が開いたのは4月の25.0ptであったが、そこから徐々に文理差は縮小している。【図4】
【図4】活動継続率・文理別 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
内々定保有社数
- 平均内々定保有社数は1.6社と、前年同月の2.7社からは1.1pt減
平均内々定保有社数
9月末の内々定保有社数は1.6社と、前年から1.1pt減少した。複数内々定を保有する学生が減少しているものとみられる。【図5】
【図5】平均内々定保有社数・経年比較 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
※平均値の集計方法
2025年卒以前:選択肢式「1~13,14社以上」の選択肢回答で、14社以上を14として集計
2026年卒:数値回答
平均内々定保有社数・文理別
文理別にみると、文系学生は1.7社、理系学生1.5社と、やや文系学生の方が多い結果だった。【図6】
【図6】平均内々定保有社数・文理別 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
※平均値の集計方法
2025年卒以前:選択肢式「1~13,14社以上」の選択肢回答で、14社以上を14として集計
2026年卒:数値回答
活動継続者の状況
- 未内々定者は、選考の前段階の「企業・業界研究」「自己分析」の活動が最多
- 活動継続者のうち内々定先に「十分満足している」割合は1割未満
9月の活動状況
9月末時点での活動継続者の内訳をみると、未内々定者が11.1%、内々定を持ちながら活動を継続している割合(内々定あり活動継続者)は7.8%だった。【図7】
【図7】9月の活動状況 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
今後の選考予定
活動継続者が今後選考を受けようと考えている社数は、全体で3.4社(前年比0.1pt減)となり、未内々定者は3.7社(前年比0.4pt減)だったが、内々定あり活動継続者は3.0社(前年比0.3pt増)で、前年より活発化している様子がうかがえる。【図8】
【図8】今後、何社ぐらい選考を受けようと考えているか・活動状況別 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
※平均値の集計方法
2025年卒:「0~20,21社以上」の選択肢回答で、21社以上を21として集計
2026年卒:数値回答
今月の活動内容
内々定状況別に9月の活動内容を見てみると、未内々定者は「企業研究(39.2%)」「業界研究(38.5%)」「自己分析(35.2%)」などが多く、具体的な選考の前段階の活動に取り組んでいるようだ。内々定あり活動継続者は、「適性検査や筆記試験の受験(50.9%)」「1次面接(48.9%)」「企業へのエントリー(48.2%)」など、実際の選考に関する取り組みが多いが、これらは採用選考の比較的初期段階のものだ。【図9】
【図9】未内々定・内々定あり活動継続の学生の今月の活動(上位項目抜粋) / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
内々定先への満足度
内々定先への満足度を「就職活動終了者」と「内々定あり活動継続者」それぞれに聞いた。内々定先に「十分満足している」と回答した割合は「就職活動終了者」では53.3%だったが、「内々定あり活動継続者」では7.5%と1割を下回り、「就職活動終了者」と45.8%の差が開いた。【図10】
【図10】内々定先への満足度・活動状況別 / マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
「内々定あり活動継続者」は内々定を得ているが内々定先に満足できておらず、新たな企業への応募をしていることが予想される。
調査担当者コメント
9月末時点の内々定保有率は高水準ながら前年より微減し、活動継続率はわずかに上昇しました。就職活動を終了した学生は内々定先への満足度が高い一方、活動継続中の学生は内々定を得ても満足度が低く、再度選考に臨む姿勢が見られます。これは、学生が「納得感」や「自分らしさ」を重視し、単なる内々定獲得ではなく、自身の価値観に合う企業との出会いを求めていることの表れです。採用活動を継続する企業にとっては、こうした学生との接点を持てる好機である一方、内々定を出し終えた企業にとっては承諾を得るまで予断を許さない状況です。選考過程や内々定後のフォローにおいて、学生の意思決定を支える情報提供や対話の質が一層求められています。企業と学生の相互理解が、より良いマッチングの鍵となるでしょう。
キャリアリサーチLab主任研究員 井出翔子
調査概要
| 内容 |
2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>
|
| 調査期間 |
2025年9月23日(火)~2025年9月27日(土) |
| 調査対象 |
2026年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生 |
| 調査方法 |
マイナビ2026会員(退会者含む)にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収 |
| 有効回答数 |
1,268名 |
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