- 【個人調査】アルバイト就業者の現在の時給は1166円。「適正だと思う最低賃金」の全国平均額は1200円で差が見られる
- 【個人調査】アルバイト就業者の7割以上が「最低賃金の地域格差を感じている」と回答。賃金水準が低いエリアで格差を感じている割合が高い傾向
- 【個人調査】アルバイト就業者の6人に1人以上が、時給の高い地域でアルバイトをする「越境バイト」を経験
- 【企業調査】企業が「適正だと思う最低賃金」の全国平均額は1117円。2025年度の最低賃金改定後の予想で「負担となる」とした割合は76.0%
【参考図】中央最低賃金審議会が定める最低賃金の区分 ※厚生労働省の資料をもとに作成
個人調査
現在の時給・理想の時給・適正だと思う最低賃金額
- アルバイト就業者の現在の時給は1166円(平均)。理想の時給は1327円(平均)で161円の差がある。
- 適正だと思う最低賃金の「全国平均額」は1200円(平均)。地域別最低賃金額は1231円(平均)で、現在の時給との差が見られる。
現在の時給、自分の仕事に見合う理想の時給
アルバイト就業者の「現在の時給(平均)」は1116円。「仕事に見合うと思う理想の時給(平均)」は1327円で、161円の差があった。
エリア別では、関東・近畿・北海道の理想の時給が1300円を超えて特に高い。またA~Cのランク(中央最低賃金審議会の最低賃金額目安の区分)別にみると、最低賃金水準が高いAランクの現実と理想の差は165円で特に高く、賃金水準が高いほど現在の時給と理想の時給の差が大きい傾向となった。【図1】
【図1】現在の時給、自分の仕事に見合う理想の時給(平均)/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
適正だと思う最低賃金の全国平均額・自分が働いている地域において適正だと思う最低賃金
アルバイト就業者の「適正だと思う最低賃金の全国平均額(平均)」は1200円、「自分が働いている地域において適正だと思う最低賃金(平均)」は1231円となり、いずれも「現在の時給(平均)」の1166円と差がある。A~Cのランク別では、賃金水準が高いほど、適正だと思う最低賃金の全国平均額や地域別最低賃金額が高い傾向が見られた。【図2】
【図2】適正だと思う最低賃金の全国平均額、自分が働いている地域において適正だと思う最低賃金(平均)/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
最低賃金の地域格差・越境バイト
- アルバイト就業者の7割以上が「最低賃金の地域格差を感じている」と回答
- 賃金水準が低いエリアで格差を感じている割合が高い傾向
- アルバイト就業者の6人に1人以上が時給の高い地域でアルバイトをする「越境バイト」を経験
最低賃金の地域格差を感じているか
アルバイト就業者のうち「最低賃金の地域格差を感じる」とした割合は70.9%。エリア別では東北や九州で割合が高く、A~Cのランク別では賃金水準が低いCランクで8割を超えた。【図3】
【図3】最低賃金の地域格差を感じているか/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
時給が高い近隣地域でアルバイトをしたいと感じたことがあるか
最低賃金の近隣都道府県同士の格差、時給水準の近隣自治体間の差がある中、「時給が高い近隣地域でアルバイトをしたいと感じたことがある」とした割合は43.6%にのぼった。【図4】
【図4】時給が高い近隣地域でアルバイトをしたいと感じたことがあるか/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
時給が高い近隣地域に越境してアルバイトをした経験があるか
また、「時給が高い近隣地域に越境してアルバイトをした経験がある」とした割合は17.9%で、6人に1人以上が地域を超えて越境バイトを行ったことがあることがわかった。【図5】
【図5】時給が高い近隣地域に越境してアルバイトをした経験があるか/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
最低賃金の地域間格差を感じる人が多く存在することがわかった。また、より高水準な賃金水準を求めて近隣の市町村や都道府県外でアルバイトをするニーズがうかがえる。
2025年度の最低賃金改定後の期待
- 2025年度最低賃金改定への期待感は小さい傾向
- 私生活の豊かさになることは「期待できない」が7割超
自身の希望する時給額になること
アルバイト就業者に、2025年度の最低賃金改定への期待について聞いたところ、「自身が希望する時給額になること」では「期待できない計(あまり期待できない+期待できない)」の割合が65.2%にのぼった。【図6】
【図6】2025年度の最低賃金改定後の期待【自身の希望する時給額になること】/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
私生活が豊かになること
また「私生活が豊かになること」では「期待できない計」の割合が72.2%となった。【図7】
【図7】2025年度の最低賃金改定後の期待【私生活が豊かになること】/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
仕事への意欲が高まること
「仕事の意欲が高まること」では「期待できない計」の割合が69.8%となった。【図8】
【図8】2025年度の最低賃金改定後の期待【仕事への意欲が高まること】/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
2025年度の最低賃金改定による効果は仕事・私生活の両面で限定的と考える人が多いようだ。
企業調査
適正だと思う最低賃金の全国平均額/最低賃金改定後の負担
- 企業が適正だと思う最低賃金の全国平均額は1117円
- 2025年度の最低賃金改定後の予想「負担となる」76.0%
アルバイト雇用の視点で適正だと思う最低賃金の全国平均額
アルバイトを雇用している企業の採用担当者に、適正だと思う最低賃金の全国平均額を聞いたところ、全体の平均は1117円で、2025年度の最低賃金の全国平均額(1121円)を下回る。業種別では「小売」「飲食・宿泊」で金額が低かった。【図9】
【図9】アルバイト雇用の視点で適正だと思う最低賃金の全国平均額/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
2024年度の最低賃金改定による雇用への負担
最低賃金について、前年度の2024年度の最低賃金改定(全国平均1055円へ引上げ)の負担を聞いたところ、「負担となった計(大きな負担となった+やや負担となった)」が67.4%となった。【図10】
【図10】2024年度の最低賃金改定による雇用への負担/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
2025年度の最低賃金改定による雇用への負担の予想
さらに、今年度の2025年度の最低賃金改定の負担の予想を聞いたところ、「負担となる計(大きな負担となる+やや負担となる)」が76.0%にのぼり、企業規模300人未満で特にスコアが高くなった。【図11】
【図11】2025年度の最低賃金改定による雇用への負担の予想/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
2025年度の最低賃金改定による賃上げ予定
アルバイトを雇用している企業の採用担当者に、2025年度の最低賃金改定に合わせたアルバイト時給の賃上げの予定を聞いたところ、「(自社の時給は)最低賃金を下回る見込みで、最低賃金額まで賃上げする予定」が22.8%、「最低賃金を下回る見込みで、最低賃金額を超えて賃上げする予定」が17.3%で、最低賃金を下回ることによって賃上げの対応を行う予定の割合が4割を超えた。
企業規模別では、300人未満で特にスコアが高い。【図12】
![【図12】2025年度の最低賃金改定に合わせた賃上げ実施の予定/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)]()
【図12】2025年度の最低賃金改定に合わせた賃上げ実施の予定/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
2025年度の最低賃金改定後のアルバイト雇用への対応の予定
また、2025年度の最低賃金改定後、アルバイト雇用への対応としてどのようなことが予想されるか(複数回答)聞いたところ、「対応しない予定」が最も多かったが、次いで「新規募集をおさえる」15.4%、「雇用人数を見直す」15.1%、「時給額を見直す」15.1%と続いた。
人件費が上がることによるアルバイト雇用の人員削減なども考えられる。【図13】
【図13】2025年度の最低賃金改定後のアルバイト雇用への対応の予定/マイナビ最低賃金に関する調査レポート(2025年)
調査者コメント
2025年10月以降に、各都道府県で2025年度の最低賃金改定が行われ、2024年度に続く過去最高水準の引き上げが迫っています。今回の調査では、最低賃金を巡る様々なギャップが見えてきました。
1つ目は、アルバイト就業者の現在の時給額と、理想とする時給額の差です。最低賃金はこれまでにないペースで上昇しているものの、物価高騰などで生活に必要な所得水準が高まる中で、最低賃金改定による働く人の私生活や仕事意欲への効果は限定的で、期待値も低い様子がうかがえました。
2つ目は、最低賃金や時給水準の地域格差の課題があることです。賃金水準が低い都道府県を多く含むエリアは格差の認識が高い傾向にあり、より時給が高い地域での就労を求めるニーズも垣間見えます。
3つ目には、個人が求める賃金水準と、企業が考える賃金水準にも隔たりが見られます。企業側が適正と考える最低賃金の全国平均額は、アルバイト就業者の理想の時給平均額や、アルバイト就業者が適正だと思う最低賃金の全国平均額を下回り、最低賃金改定に伴う自社の賃上げへの負担感もうかがえます。特に、企業規模が小さい中小企業は厳しい対応を迫られることが予想されます。
これら3つのギャップが今後の労働・雇用にどのような影響を与えるのか、また、どのようなかたちで隔たりが埋められていくのかを注視していく必要があります。
マイナビキャリアリサーチLab研究員 宮本 祥太
調査概要
| 内容 |
マイナビ 最低賃金に関する調査レポート(2025年) |
| 調査期間 |
【個人調査】2025年9月1日(月)~9月4日(木)
【企業調査】2025年9月1日(月)~9月8日(月)
※調査開始時の2025年9月1日は、2025年度の都道府県別の最低賃金額が決定していなかったため、2025年度最低賃金引き上げの目安額(全国平均63円)を基準として設問文を作成し、聴取しています。
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| 調査対象 |
【個人調査】
全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、アルバイトで働いている人
【企業調査】
アルバイトを雇用している企業の採用担当者
(従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員のうち、
自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、アルバイトを雇用しているとした人)
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| 調査方法 |
インターネット調査 |
| 補足 |
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります
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