- 地元(Uターン含む)就職を希望する学生は56.4%で前年より減少
- 地元就職を希望する理由の1位は「両親や祖父母の近くで生活したい」
- 地元就職を希望しない理由は「志望する企業がない」「給料が安そう」
- 地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがある学生は33.8%
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」を発表しました。
調査詳細
地元就職希望割合について
- 地元(Uターン含む)就職を希望する学生は56.4%で前年より減少
大学(大学院)に進学した際の割合からほぼ変化せず
2026年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生が地元(Uターン含む)就職を希望する割合は、56.4%(対前年5.9pt減)となった。4年ぶりに6割を切り、2021年卒(54.9%)、2022年卒(57.8%)の水準まで下がった。
一方、大学(大学院)に進学した際の地元(Uターン含む)就職を希望する割合は、54.6%(対前年4.4pt減)で、3年前とほぼ同じ値だった。進学時から調査時点までの間で1.8ptしか増加しておらず、これはここ10年で最低だった。大学生生活を経ても地元就職志向がほとんど変わらなかったことになる。【図1】
【図1】地元(Uターン含む)就職希望割合/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
出身都道府県に就職を希望する割合
2026年卒の大学生は、2020年4月の最初の緊急事態宣言時にはまだ高校2年生だったため、前年や前々年の学生に比べ、コロナ禍による大学生生活に影響が少なかったと考えられ、そのため地元就職意向の変化が小さかったのではと考えられる。
出身都道府県に就職を希望する割合の推移を見ても、特に地元外に進学した学生で割合の減少が見られ、直近15年で最低の値(27.6%、対前年4.3pt減)だった。【図2】
【図2】出身都道府県に就職を希望する割合/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
出身都道府県に就職を希望する割合・都道府県別
出身都道府県に就職を希望する割合を都道府県別にみると(※回答数30以上の都道府県に限る)最も割合が高かったのは東京都で86.6%で、2番目の大阪府(75.1%)よりも10pt以上高かった。
一方割合が低い都道府県を見ると、関東地方の都道府県が上位10位以内に5つ(千葉県 21.6%、埼玉県 22.2%、茨城県 22.5%、栃木県 27.1%、神奈川県 29.8%)ランクインした。【図3】
【図3】都道府県別・出身都道府県に就職を希望する割合/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職希望の理由
- 地元就職を希望する理由の1位は「両親や祖父母の近くで生活したい」
希望する理由のTOP3
地元(Uターン含む)就職を希望する理由の上位を見ると、1位が「両親や祖父母の近くで生活したい(48.1%)」、2位が「実家から通えて経済的に楽(41.7%)」、3位が「地元(Uターン先)での生活に慣れている(39.6%)」という結果になった。【図4】
【図4】地元(Uターン含む)就職を希望する理由/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職を希望する理由・自由回答
地元就職を希望する理由について学生のコメントを見てみると、ワークライフバランスというキーワードを挙げる例がいくつか見られた。父母や祖父母を大切に思い将来の介護を気にかけたり、子供ができたときのために実家を頼りにしたりといった、家族とのつながりの深さを感じさせる内容が多く見られた。
また、就職したばかりの不安な時期を慣れ親しんだ地元で過ごしたいといった内容や、地元に貢献したいという記述も多かった。地元の親しい友人とかかわり続けたいといった良好な人間関係をそのまま維持したい旨のコメントも見られた。【図5】
【図5】地元(Uターン含む)就職を希望する理由(自由回答)/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職を希望しない理由
- 地元就職を希望しない理由は「志望する企業がない」「給料が安そう」
希望しない理由のTOP3
地元就職を希望しない理由を見ると、1位は例年同様「志望する企業がないから(36.8%)」だったが、2位には「給料が安そうだから(27.3%)」が、3位には「都会の方が生活の上で便利だから(27.0%)」が入った。【図6】
【図6】地元企業(Uターン先企業含む)を希望しない理由/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職を希望しない理由・自由回答
学生のコメントを見ると、より良い給料の企業に就職したいといった内容や、希望する業種や職種の仕事に就きたいからといった内容が多かった。また、娯楽や趣味などを楽しむために都会で生活したいという声もあった。
就職後は一人暮らしをしたいという意見もかなり見られた。また、地元の濃厚な人間関係を煩わしく思う内容や、自動車がないと暮らせないなどの不便さに言及する内容もあった。しかし、これらの理由で「今は」地元就職を希望しないという学生の中にも「将来は」地元に戻る可能性を示唆した内容も比較的多く見られた。【図7】
【図7】地元(Uターン含む)就職を希望しない理由(自由回答)/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職のためのインターンシップ・仕事体験参加
- 地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがある学生は33.8%
参加割合は地元進学の学生のほうが地元外進学の学生より高い
地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがあるか聞いたところ、あると回答した学生は33.8%だった。
参加社数の平均(0社含む)は1.4社で、5社以上参加した学生は全体の9.9%だった。参加したことがある割合は、地元進学の学生の方が地元外進学の学生より高く、地元進学全体で41.5%であるのに対し、地元外進学全体では27.4%だった。【図8】
【図8】地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがある割合、および参加社数分布、参加社数平均/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
参加してみて地元就職に対する考え方はどう変わったか
参加したことがある学生に、参加してみて、地元(Uターン含む)就職に対する考え方はどう変ったか聞いたところ、「強く地元就職を意識するようになった」は37.5%、「多少地元就職を意識するようになった」は48.1%と、合わせて85.6%の学生が地元就職を意識するようになったと回答した。【図9】
【図9】参加してみて、地元(Uターン含む)就職に対する考え方はどう変ったか/2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
調査概要
内容 |
2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査 |
調査期間 |
2025年3月18日~4月6日 |
調査対象 |
2026年3月卒業見込みの全国大学生、大学院生(調査開始時点の大学3年生、大学院1年生) |
調査方法 |
3月18日に過去のアンケート回答者にWEBDMで配信 3月24日時点のマイナビ2026会員にWEBDMで配信 |
有効回答数 |
3,224件
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レポート内目次
【TOPICS】
- 地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の開催場所
- 地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想
- 地元以外の地方への就職について
- 地元就職者を増やすアイデア
- 実現すれば地元就職するかもしれないと思うもの
【データ編】
- 実家暮らしか、一人暮らしか
- 地元だと認識する範囲の都道府県
- 就職活動の際、利用する交通手段
- 地元の特長
- 地元企業への就職活動で障害に感じていること
- 両親や親族に就職の相談をしたことがあるか
- 帰省しやすいタイミング
- 地元の企業情報を得る方法
- 地元就職の就職活動をいつから始めたか
【FA回答】
- 地元以外の大学に進学した理由
- 地元ではない地方で働いてみたいと思ったきっかけ
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