フリーターの意識・就労実態調査(2024年)
- フリーターの8割以上が「経済的にゆとりがない」と感じている
- 約6割が「学び直しが必要」と感じるも、実態は2割に留まる
- 学び直しの目的は「収入確保」が最多な一方で、負担する費用が壁に
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、15~44歳の男性は既卒、女性は既卒かつ未婚のうち、パート・アルバイトとして働いている人を対象に実施した、「フリーターの意識・就労実態調査(2024年版)」の結果を発表しました。
目次
調査詳細
フリーターのアルバイトの目的
現在フリーターとして働く人のアルバイトの目的は、「自分の生活費のため」が72.3%と最も高く、次いで「貯金をするため」(45.8%)「趣味のため」(34.8%)「家族の生活費のため」(20.5%)となり、金銭面に関する項目が上位にあがった。【図1】

フリーターの経済的なゆとり
また、81.6%の人が、「経済的にゆとりがない」と回答した。【図2】

フリーターの最も希望する働き方
今後最も希望する働き方を聞いたところ、「正社員」が最多で32.4%、次いで「アルバイト・パート」が32.2%だった。経済的なゆとりの有無別でみると、[経済的なゆとりがない]と回答した人は[経済的なゆとりがある]と回答した人より正社員を希望する割合が8.7pt高く、34.0%となった。【図3】

フリーターの正社員として働きたい理由
また、今後正社員として働きたい理由としては、[経済的なゆとりがない]と回答した人では「雇用が安定しているから」が72.9%と最も高く、[経済的なゆとりがある]と回答した人より10.4pt高くなった。
[経済的なゆとりがない]と回答した人では、雇用の安定性を理由に正社員を希望する人が多い様子がうかがえた。【図4】

就業フリーターの学び直しの必要性と取り組み状況
学び直し(リスキリング)の必要性を感じている割合は58.1%と約6割。一方で実際に学び直しに取り組んでいる割合は18.8%と2割に満たなかった。
経済的なゆとりの有無別で学び直しの必要性を感じている割合をみると、[経済的なゆとりがない]と回答した人が59.8%と、[経済的なゆとりがある]と回答した人に比べ9.3pt高い結果になった。【図5】

学び直しが必要だと思う理由と取り組めていない理由
学び直しの必要性を感じている理由では「収入を増やしたいため」が55.0%で最も多かったが、一方で、学び直しの必要性を感じているが、取り組めていない人の理由では、「負担する費用が重いため」が40.7%と最も高く、学び直しの意向はあるものの、負担する費用が壁となっている様子が見られた。【図6、7】


調査担当者コメント
現在アルバイト就業中のフリーターの8割は経済的にゆとりがないと感じており、生活のためにアルバイトをしている人が多い現状が明らかになりました。
また、学び直しの必要性を感じているフリーターは多いものの、実際に取り組んでいる割合は2割にとどまっており、学び直しに掛かる費用が壁になっていることが分かりました。今後フリーターの学び直しを推進するためには、負担費用の軽減や収入アップなど待遇改善を行うことが必要であると考えられます。
さらに、学び直しの推進が、正社員を希望しながらフリーターを継続している人々の正社員化や、経済的なゆとりがあると感じる人の増加にも繋がっていくのではないでしょうか。
キャリアリサーチラボ 研究員 三輪希実
調査概要
内容 | フリーターの意識・就労実態調査(2024年) |
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調査期間 | 2024年2月15日~2月19日 |
調査対象 | 15~44歳の男性は既卒、女性は既卒かつ未婚のうち、パート・アルバイトとして働いている人 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 就業者:2,491サンプル |
レポート内目次
- 就業実態
- アルバイト探しについて
- 就業意識
- 現在のアルバイト先への意識
- 学びなおし(リスキリング)について
- アルバイト先でのコミュニケーション
- Appendix
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