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2021年度 既卒者の就職活動に関する調査

既卒者の内定保有率は42.4%。コロナ禍前の数値に回復。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:中川信行)は、マイナビ2022会員のうち既卒の登録者を対象に実施した「2021年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」の結果を発表しました。

調査概要

内容  2021年度 マイナビ既卒者の就職活動に関する調査
調査期間 2021年9月14日~2021年9月28日
調査対象 マイナビ2022会員のうち既卒で登録している49,786名
調査方法 Web上のアンケートフォームより入力
有効回答数 389名

TOPICS

在学中の反省点は「自己分析が不十分だった」が最多。

在学中に活動し「内定を獲得した」学生の割合は50.7%と昨年より低下した。在学中の活動についての反省点として最も多かった回答は「自己分析が不十分だった」で、次いで「面接対策が不十分だった」、「業界研究・企業研究が不十分だった」が多かった。単に、就職活動を行う・インターンシップに参加するといった「行動の有無」ではなく、就職活動のベースともいえる「自己分析」、応募先の選定に関わる「業界・企業研究」、応募先への自己PRに関わる「面接対策」などの「準備や内容の質」の重要性が見えてくる。

在学中の内定の有無
在学中の活動についての反省点

卒業後の活動の変化

卒業後の活動について、在学中の活動と比較して応募先の選び方に「変化があった」と回答したのは57.4%で、その変化の内容としては「既卒者を受け付けている企業を選ぶようになった」、「在学中より業界の幅を広げた」、「在学中より職種の幅を広げた」、「憧れだけで企業を選ばず、自分の適性に沿って選ぶようになった」などの回答が上位に並んだ。企業の選定において、既卒者の受け入れ態勢に着目することでより確度の高い企業へアプローチするだけでなく、業界・職種の幅を広げることで選択肢を増やしたり、自身の適性を踏まえるような方向性に変化している。前述にて、在学中の反省点として自己分析、業界・企業研究などへの準備不足を紹介したが、こうした反省を活かし自己分析や業界研究を行ったことで、応募先が変化していった可能性も考えられる。

応募先の変化
応募先の変化の内容

「新卒枠か中途枠か」で悩む既卒者も

卒業後の活動で「大変だったと思うこと」(複数選択)では、「既卒者の募集が少ない」が最も多い回答だった。ついで「既卒者として活動している理由を聞かれる」、「既卒者としての活動の仕方がわからなかった」、「既卒者募集をしている企業が探しづらい」などが続いた。
 また「新卒の就職サイトに登録して活動していいものか迷った」、「転職サイトなどの第2新卒採用や中途採用の募集に応募していいものか迷った」という、自身が新卒なのか中途なのかという区分に関する迷いを示す回答も30%超となった。2020年に新型コロナウイルスの感染拡大に際して、改めて「卒業後3年以内の既卒者は新卒枠としての応募を」と政府から「2020年度及び2021年度新卒者等の採用維持・促進に向けた特段の配慮に関する要請」がアナウンスされたが、既卒者として実際にどのように活動すればいいのか、新卒と中途のサービスの違いや利用の可否などについて十分な理解が進んでいない可能性もある。

既卒者としての活動で大変だったこと

現在の内定率は42.4%。コロナ禍前の水準に近づく。

既卒者の現在の内定状況を見ると、現在内定を「保有している」と回答したのは42.4%で、前年の34.4%から増加。コロナ禍前である2019年度調査の43.3%まで回復しつつある。

内定獲得後の今後の活動予定については、「内々定先に満足したので終了する(している)」が73.8%にも上り、前年比21.1pt増となった。「内々定先に不満なので続行する」「内々定先に不満ではないが、他の企業も見たいので続行する」の割合も前年比減となり、内定保有率、内定先への満足度ともに前年より大きく改善した結果となった。

既卒者の現在の内定率
  
内定獲得後の今後の活動予定

新型コロナウイルスの影響は「なかった」が22.8%で最多。

就職活動に対する新型コロナウイルスの影響として、最も当てはまるものを回答してもらったところ「影響はなかった」(22.8%)が最も多い割合となった。今年の調査では影響の内訳を見るべく選択肢を細分化しているため単純比較はできないが、前年調査においては「影響があった」が74.0%を占め「影響はなかった」はわずか4.5%であったため、今年の既卒者の活動に関しては新型コロナウイルスの影響はかなり少なくなったことがわかる。しかし影響として「活動のオンライン化への対応に苦労した」(14.4%)、「対面で利用したいサービスやイベントが利用できなかった(キャリアセンター、セミナーなど)」(14.2%)といった回答もあり、新型コロナウイルスの感染拡大にともない急速に進んだ「就職活動のオンライン化」が、既卒者にも一部影響を与えていたことがわかる。

新型コロナウイルスの影響
  

   

回答者(学生)の属性データ

有効回答数内訳文系理系男子女子総計
人数278111214175389
   

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